特定利用空港・港湾、北九州空港などの「円滑な利用」、周辺自治体や暮らす人々に同時に丁寧な情報共有をすべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2024年4月17日衆議院国土交通委員会

○長坂委員長
次に、城井崇君。

○城井委員
立憲民主党の城井崇です。
斉藤国土交通大臣、今日もよろしくお願いいたします。
まず、特定利用空港、特定利用港湾について大臣に伺います。
委員の皆様、資料を御覧ください。
有事に備えて、自衛隊や海上保安庁が特定の空港や港湾を円滑に使えるように整備や拡充を行う、これはこういう仕組みだという御説明でありました。
全国で5つの空港、11の港が指定ということ。
私の地元の北九州空港も指定されました。
北九州市など、これらの空港や港最寄りに暮らす人々からは、一体どんなことが起きるのか、そうした懸念、御意見が寄せられています。
そこで、令和6年4月1日の総合的な防衛体制の強化に資する研究開発及び公共インフラ整備に関する関係閣僚会議による「総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラの運用・整備方針について」に関して、まずは、北九州空港を例に、国の空港の管理者である国土交通大臣に伺います。
政府資料には、「安全保障環境を踏まえた対応を実効的に行うため、自衛隊・海上保安庁の航空機・船舶が平素において必要な空港・港湾を円滑に利用できるよう、国土交通省、海上保安庁、防衛省及び空港管理者又は港湾管理者との間に「円滑な利用に関する枠組み」を設け、必要な調整を実施する。」とあります。
大臣、この「円滑な利用」とは、具体的には何を指すんでしょうか。
また、「必要な調整」とは、具体的に、誰と誰の間で、どのような調整を行うのか、大臣の認識をお聞かせください。

○斉藤(鉄)国務大臣
今般の特定利用空港に係る取組は、国家安全保障戦略に基づき、総合的な防衛体制の強化の一環として、自衛隊、海上保安庁が必要とする空港を平素から円滑に利用できるよう、空港管理者との間で、「円滑な利用に関する枠組み」を設けるとともに、民生利用を主としつつ、必要な整備又は既存事業の促進を図るものです。
御質問の「円滑な利用」とは、自衛隊や海上保安庁の航空機が平素の運用や訓練等を行う際に、民生利用との調整を図りつつ、必要な空港を利用できることを指します。
また、「必要な調整」とは、空港管理者と防衛省、海上保安庁との間で連絡調整体制を構築した上で、先ほど申し上げました、「円滑な利用」に向け、具体的な運用や調整を行うために必要な意見交換等を実施することを指します。

○城井委員
政府からの事前の説明によりますと、自衛隊、海上保安庁が平素から必要な空港、港湾を円滑に利用できるよう、インフラ管理者との間で円滑な利用に関する枠組みを設けるということでした。
北九州空港は、国管理空港であることから、地元自治体である北九州市はこの「円滑な利用に関する枠組み」には含まれず、「必要な調整」を行う立場にもないのではないか、円滑に利用したい場合には、空港管理者として、国土交通大臣は、地元自治体を枠組みに加えて、公式の場で情報共有や説明をすべきではないかと考えるのですが、大臣、いかがでしょうか。

○斉藤(鉄)国務大臣
先ほど申し上げましたとおり、「円滑な利用に関する枠組み」は空港管理者と防衛省、海上保安庁との間に設けるものでございます。
委員御指摘の北九州空港は、国管理空港であることから、管理者ではない自治体が、「円滑な利用に関する枠組み」の構成員になることは想定しておりません。
他方、これまでも、自衛隊、海上保安庁は、訓練などの実施に当たり、地域住民に及ぼす影響を考慮し、利用する内容や規模によっては事前にその内容、実施日等を空港管理者や地元自治体へ説明しているものと承知しておりまして、特定利用空港においてもこれまでと同様に説明が行われるものと承知しております。

○城井委員
続いて、確認をさせてください。
空港における空港の施設の円滑な利用に関する確認事項について。この確認事項の2には、「国土交通省は、国民の生命・財産を守る上で緊急性が高い場合」「(武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態を除く)であって、当該空港の施設を利用する合理的な理由があると認められるときには、民生利用に配慮しつつ、防衛省・海上保安庁と緊密に連携しながら、自衛隊・海上保安庁が柔軟かつ迅速に施設を利用できるよう努める。」とあります。
これらの点について心配する御意見があります。
そこで、伺います。
この「緊急性が高い場合(武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態を除く)」とは、具体的にどのような場合か、大臣の認識をお聞かせください。

○斉藤(鉄)国務大臣
空港の施設の円滑な利用に関する確認事項の中における緊急性が高い場合とは、「国民の生命・財産を守る上で緊急性が高い場合」と、「航空機の飛行の安全を確保する上で緊急性が高い場合」を指します。
具体的には、「国民の生命・財産を守る上で緊急性が高い場合」とは、例えば、弾道ミサイル対処や災害等における救援部隊の派遣が必要な場合などでございます。
また、「航空機の飛行の安全を確保する上で緊急性が高い場合」とは、例えば、自衛隊機などの機体トラブル等による緊急着陸が必要となった場合などを想定しているところでございます。

○城井委員
あわせて、「当該空港の施設を利用する合理的な理由」とはどのような理由か、具体的に教えていただけますか。

○斉藤(鉄)国務大臣
先ほど申し上げましたとおり、空港の施設の円滑な利用に関する確認事項における「緊急性が高い場合」とは、国民の生命財産を守る上で緊急性が高い場合と、航空機の飛行の安全を確保する上で緊急性が高い場合を指します。
その上で、その二つの緊急性が高い場合を指したその上で、「当該空港の施設を利用する合理的な理由」とは、これらの場合への対応として、民生利用に配慮しつつ、自衛隊と海上保安庁がこの空港を、当該空港を利用する必要があると認められることなどを指すと考えられます。

○城井委員
続きまして、確認事項の3には、「上記の着実な実施に向けて、関係省庁間において連絡・調整体制を構築し、円滑な利用に関する具体的な運用のための意見交換を行う。」とあります。
「関係省庁間において連絡・調整体制を構築し、」とありますけれども、具体的にはどのような体制が構築されるか。
先ほどの御答弁では、基本的には地元自治体、隣接自治体は含まないということでしたが、当該自治体、例えば北九州空港の場合には北九州市や苅田町など、周辺自治体は含まれた方がいいのではないかというふうに考えます。
別に事前にお知らせするからよいということではなく、同じ情報を同時のタイミングで共有するという意味で重要なのではないかというふうに考えますが、大臣の認識をお聞かせください。

○斉藤(鉄)国務大臣
空港管理者と関係省庁との間において構築される連絡調整体制は、空港ごとに、空港管理者と自衛隊、海上保安庁において構成するものであり、事前に連絡網などを整備し、具体的な運用のために必要な意見交換を行うことなどを想定しております。
従来、自衛隊や海上保安庁の利用につきましては、その都度調整しておりましたが、こうした連絡調整体制が整うことで、より円滑な空港の利用が可能になると考えております。
また、先ほど申し上げましたとおり、北九州空港を例にされておりますが、北九州空港は国管理空港であることから、管理者ではない自治体が円滑な利用に関する枠組みの構成員となることは想定しておりません。
他方、特定利用空港において自衛隊や海上保安庁が訓練などを行う場合にも、空港管理者や地元自治体に対して、引き続き、これまでと同様に説明が行われるものと承知しております。これまでの仕組みを使わせていただくということでございます。

○城井委員
今ほどの、これまでの仕組みを使わせていただくということですが、そこにタイムラグ、時間の差があると無用の混乱を呼ぶのではないかというふうに思いまして、この連絡調整と、そして事前の周辺自治体への情報共有、連絡を同じタイミングでやっていただけるということで運用いただけますでしょうか。
大臣、お願いします。

○斉藤(鉄)国務大臣
これまでどおり、そのタイムラグがないように、しっかりと地元自治体への連絡調整を行っていきたいと思います。

○城井委員
続きまして、「円滑な利用に関する具体的な運用」とありますけれども、この「具体的な運用」とは何か、我々に示された書面では具体的に示されておりませんが、大臣の認識を教えてください。

○斉藤(鉄)国務大臣
今般の特定利用空港に係る取組は、例えば、災害時などに備え、自衛隊、海上保安庁の航空機が平素から、訓練等において、民生利用との調整を図りつつ、必要な空港の利用を可能とするものでございます。
これらの利用に当たり、空港管理者におきましては、民生利用と同様に、空港法等に基づき、訓練などを実施する日時や、その際使用される航空機などの情報について事前に提供を受け、他の利用者との調整を行うこととなります。
「円滑な利用に関する具体的な運用のための意見交換」とは、こうした個別の訓練等に係る情報共有や調整などを指しているところでございます。

○城井委員
続きまして、令和6年度の総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備について伺います。
政府からの事前の説明によりますと、北九州空港の場合は63億円の予算が措置され、うち、対象施設分として63億円の全額が充てられる、こういう説明でした。
この対象施設とはどのような施設のことでしょうか。
この予算はどのような施設の整備に使われるのか、大臣からお答えいただけますか。

○斉藤(鉄)国務大臣
総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備の対象施設とは、民生利用を主としつつ、自衛隊、海上保安庁の航空機の円滑な利用にも資する施設を指します。
北九州空港におきましては、滑走路延長、浸水対策、滑走路端安全区域整備、無線施設整備、照明施設整備などが対象となっておりまして、令和6年度に約63億円予算配分しておりますが、その63億円のうちのほとんど多くの部分を、この3,000メートル化、滑走路延長が占めております。

○城井委員
ここまで幾つもの質問を、大臣の認識ということでお伺いしてまいりましたが、今ほどの基本的な質問をこうして表の場で確認をさせていただかなきゃいけないぐらい世間の関心は高いというふうに思っています。
例えば、北九州市や周辺自治体に暮らす人々にとっては、有事の際の対応も見据えた北九州空港の平素からの利活用に関するルールというふうに言われると、一体何が起こるのかというのは、いろいろな想像を巡らすのも無理はないというふうに思います。
実際に多くの方々が様々な状況を想像しながら、政府がどのように振る舞おうとしているのかということを注視しています。
運用・整備方針や確認事項を読みますと、地元自治体や住民に対する説明についても明確には記載されていないので、やはり心配する意見も寄せられるのは無理もないというふうに思うわけであります。
要らぬ心配、懸念を増やすことがないように、是非、今回は北九州空港を例に取ってということでしたけれども、北九州市や周辺自治体に暮らす人々、今回の特定利用空港、特定利用港湾のその周りに住まう方々に、是非国土交通大臣の立場から、引き続き、今後丁寧な説明をやっていただくということをお約束いただきたいと思いますが、お願いできますか。

○斉藤(鉄)国務大臣
まさに今回の特定空港、港湾につきましては、地域の方、大変関心を持っていらっしゃる、また御心配されている方もたくさんいらっしゃると思います。
丁寧な説明が必要だと思いますので、しっかり、タイムラグを置かないように、またきちんとした説明をしていきたいと思っております。

○城井委員 
是非よろしくお願いしたいと思います。
次に参ります。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)