港湾施設の老朽化対策、労働者の安全確保のため危険な現場の状況を改善すべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2024年3月27日衆議院国土交通委員会
○城井委員
次に、港湾施設の老朽化対策について大臣に伺います。
先日、福岡県北九州市にある太刀浦コンテナターミナルで働く皆様から、コンテナターミナルの老朽化が進んでおり、働く仲間の安全が確保できるか心配だとの御意見をいただきまして、現地の視察をしてまいりました。
委員の皆様は資料を御覧ください。
1枚目が国土交通省の資料、2枚目、3枚目が私の視察結果と国土交通省の説明を比較した資料であります。
太刀浦第一ターミナルでは、ストラドルキャリア、コンテナを運ぶ車両ですね、コンテナを運ぶ運搬路のアスファルト、これが大きく削れており、穴まで空いている有様でした。雨が降って水たまりになりますと、たまたま行ったときが雨の直後でした、こうした穴の存在も高い位置にある運転席からは見分けるのが困難との現場状況です。
国土交通省からは、令和4年度、5年度に補修済みとの報告でしたが、実際には、ごく一部の補修や仮アスファルトでの部分的な補修にとどまっていた上、それも、日常の使用で運搬路は更に壊れて、周辺に砂利が散乱している有様でした。余りに痛みがひどい箇所は民間事業者の職員が自ら仮補修を行って急場をしのいでいる、こんな状況でございました。
第二コンテナターミナルでは、コンテナを運ぶストラドルキャリアの通る部分が大きく削れて大きな溝になっております。
万が一、運転席が高い位置にあるキャリアのタイヤがはまりますと、キャリアが横転するなどの大事故につながりかねない状況でした。
国土交通省からは、来年度予算で対応予定と聞いていました。
ちょっと安心していたわけですが、いざ現場に行ってみますと、2年前から危険な状況への対応を現場から訴えていましたが、2年間対応なしだったとの聞き取り結果であります。
海上輸送、港湾運送の要であるコンテナターミナル、何より労働者の安全第一での事前対策が重要です。
しかも、各地の港湾老朽化の実情に鑑みれば、これは、一事が万事と受け止めるべき問題だと考えます。
大臣、聞くと見るとでは大違いでした。
港湾の現場で見た状況と事前の国土交通省からの説明は大きな隔たりがありました。
国土交通省による港湾施設の老朽化の調査は不十分であったと考えます。
大臣のお考えをお聞かせください。
○斉藤(鉄)国務大臣
北九州港の太刀浦コンテナターミナルは第一ターミナルと第二ターミナルがあり、いずれも港湾管理者である北九州市が管理しております。
この両ターミナルにつきましては、令和4年に、管理者である北九州市が点検、診断を実施し、岸壁背後の舗装に沈下をそれぞれ確認したことから、北九州市において、利用者との調整が整った第一ターミナルの補修を優先することとし、第一ターミナルについては、令和4年から緊急性の高い箇所から順次舗装の補修を実施しており、残る部分についても順次補修を実施する、第二ターミナルについては、利用者との調整に時間を要したため来年度から補修を実施する、両ターミナルとも現在通常の利用には支障がない状況、このように聞いております。
両ターミナルにつきましては、港湾管理者である北九州市において、点検、診断が適正に実施され、施設の状況が適切に評価された上で順次対策が講じられているもの、このように認識しております。
○城井委員
北九州市がまずはということなんですが、それが追いついていればここでこの話はしないんです。
実際に、港湾の老朽化対策を含めて、自治体の取組に加えて国からの補助や支援もあって、各々の地域で対策ができているというのは大臣も御承知のことかと思います。
ですので、今ほどの話、単に港湾管理者にお任せということで解決する話ではありませんし、私の見てきた先ほどの話と、今大臣も御答弁を読んでいただきながら、比べていただくと分かると思うんですが、少しずれがあるということについてはお感じいただけたというふうに思います。
ですので、そうした国土交通省による港湾施設の老朽化の、先ほどの、今回の答弁に当たって現場に確認されたんだと思いますが、その聞き取りと今回私が見てきた現地の状況ですらまだずれがあります。
このような状況があるわけです。
これが全国的に起こっているようでは困るというふうに思うわけであります。
改めて、現在の把握状況、調査を見直して、改めて全国的な調査をやり直すなど、港湾の老朽化の現状、大臣が現場の声も含めて十分に把握できるように改善をすべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣
現実、こういう状況にあるという話は今日はしっかりお聞きいたしました。
それを受けて、今、城井委員からは、全国的に調査をすべきではないか、また、その際の調査の評価基準ということもしっかりすべきではないかという御趣旨の御質問かと思います。
まず、調査の評価でございますが、これは国が策定したガイドラインに基づき行われております。このガイドラインは、有識者や港湾管理者の意見を踏まえて策定したものでございまして、最新の知見などを踏まえて随時見直しを行っております。
港湾管理者はこのガイドラインに基づき行われた調査の結果を踏まえ、経過観察や補修の検討といった評価を実施しているところでございます。
そして、これを、全国的な調査をやるべきではないかという御趣旨かと思いますけれども、このガイドラインに基づきまして全国で評価をきちんとやるように、随時見直しを行うように、随時見直しはガイドラインですね、ガイドラインに基づいて港湾管理者が老朽化の調査と評価が行われるように、我々も徹底していきたいと思います。
○城井委員
現在のガイドラインでやはり見逃し、ずれがあったというのは今回の私からの指摘であります。
十分に、見直し、改善をお願いしたいと思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)