車検制度の信頼回復と自動車整備業の風評被害防止、ビッグモーターの不正事案を早急に調査すべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2023年11月10日衆議院国土交通委員会

○城井委員

次に、ビッグモーターによる車検などの不正事案について、車検制度の信頼性の回復と自動車整備業への風評被害を防止する観点から、大臣に伺います。

まず、ビッグモーターの全ての整備工場が法令に照らして違反がないか早急に調査すべきだという立場から、大臣に伺います。

資料を御覧ください。

国土交通省は、ビッグモーターの整備工場全135事業場のうち、34事業場に対して実施した立入検査、10月13日に聴聞を公示、10月20日に聴聞を実施、その結果を踏まえて、10月24日に行政処分等が行われました。

その結果、立入検査を受けた整備工場、34事業場の全ての事業場で、点検や整備における過剰請求、検査の一部未実施、記録簿の虚偽記載などの違反行為が行われてきたことが明らかになりまして、自動車特定整備事業の事業停止、そのうち12事業場は指定自動車整備事業の指定取消しとなりました。極めて重い処分であります。

国交省からは、立入検査を実施した整備工場34事業場は、ビッグモーターが設置した特別調査委員会の報告に基づいて34事業場で立入検査を実施した、あわせて、ビッグモーターより135事業場の法令違反の有無について報告を受領していると国交省から説明を受けています。

改めて、国交省として、ビッグモーターより135事業場の法令違反の有無について事実関係の確認を行い、道路運送車両法違反が認められた場合には厳正に対処すべきだと考えます。

そこで大臣に伺います。このビッグモーターの135事業場の法令違反の有無についての調査状況、大臣からお示しいただけますか。

○斉藤国務大臣

今御説明があったとおり、第三者委員会の報告書にありました34の事業場についてはそのとおりでございます。全て法令違反が確認され、行政処分を実施したところでございます。

これ以外の事業場についての御質問でございますが、順次立入検査を行う等により、事実関係の確認を行っているところです。

国土交通省としましては、これらの事実関係の確認を可能な限り速やかに行い、その結果、道路運送車両法違反が認められた場合には、厳正に対処していきたいと思っております。

○城井委員

順次事実確認という答弁でございましたが、大臣、この調査結果、いつまでに公表いただけますか。

速やかにということでは弱いと思うんですが。

期限を区切っていただけますか。

○斉藤国務大臣

今、いつまでにという期限を申し上げることはできませんけれども、できるだけ速やかに、迅速にやりたいと思っております。

○城井委員

もう一日も早く速やかにということを申し上げておりますのは、やはり、今回の不正が、国土交通省という観点からも、そして金融庁や消費者庁という観点からも問題満載という部分があるから、特に、このビッグモーター等による車検等の不正事案は、我が国の車検制度の信頼、根幹を大きく損なったという点で前代未聞であります。

検査が不十分な自動車が結果として公道をやはり走ることになったことを防げなかったことは、国民の生命に関わる問題であります。我が国の車検制度の信頼回復に向けて、手だてを尽くして早急に対応すべきであるというふうに考えます。

優先して行うべきことは、みなし公務員である自動車検査員による車体整備の透明性の確保であります。

今回の行政処分で、国土交通省は、24人の自動車検査員に解任を命じました。

自動車検査員は、国交省地方運輸局に代わって業務を行っています、業務を担います。

身分については、身分は公務に従事する公務員と同等とみなされるとされており、いわゆるみなし公務員であります。

職務権限についても、完成検査についての判定及び指示に係る権限については、社内における組織、職位及び就業規則と社内規定にかかわらず、検査員が有するものとするとして強い権限を有しています。

自動車検査員の身分と職務権限について十分に規定しているにもかかわらず、今回の不正は防げませんでした。

大変残念なことであります。

今回、解任を命ぜられた24人の自動車検査員は、みなし公務員として職務権限に基づいて業務に当たることができていたのか。

ビッグモーターが会社として組織的に関与していたかも明らかにすべきなのではないか。

自動車検査員は従業員でもあるため、社内の指示にあらがうことが難しかったのではないか。

以上を踏まえ、自動車検査員が法令を遵守し適正に自動車整備を行うことができるよう、1つには、自動車整備業業界全体における自動車検査員の働き方についての実態把握、2つ目には、車体整備の透明性を確保するための改善、3つ目に、整備工場に対する監査の強化などについて、早急に取り組むべきだと考えますが、国土交通大臣の考えをお聞かせください。

○斉藤国務大臣

まず初めに、自動車検査員の働き方の実態把握についてでございますが、御指摘のとおり、自動車検査員は、国に代わって車検を行う、重責を担うみなし公務員です。

この自動車検査員が自身の立場をしっかりと認識し、公正、厳格に検査を行う環境を整備することは非常に重要です。

このため、国土交通省としましては、今回の事案を踏まえ、自動車検査員の働き方の実態について検査を行ってまいりたい、このように思います。

それから、2点目の透明性、また整備工場の監査の強化でございますけれども、今回のビッグモーターの不正事案を受け、同種事案の再発防止のため、顧客に対する作業内容の説明や作業の前後の画像の保存など、車体整備の消費者に対する透明性の確保策や、本社に起因する法令違反が確認された場合、関連する事業場に対して一括して立入検査を行うことなど、より効果的な監査の在り方についても検討を行っているところでございまして、速やかに結論を得て対応を行っていきたいと思います。

○城井委員

今ほど大臣からも言及がありました。自動車の検査員はみなし公務員であります。

大臣、みなし公務員の不正を見逃した、本来は地方運輸局に代わって民間で車検をしている、では、この不正を見逃した国交省、地方運輸局の責任というのはどのようにされるんでしょうか。

○斉藤国務大臣

先ほどの私の答弁で、自動車検査員の働き方の実態について、検査を行ってまいりますというふうに答弁しましたが、調査を行ってまいる、委員の御提案のとおり、調査を行っていくということでございます。

それから、今回の事態を非常に我々も重く受け止めまして、自動車の安全に関わる体制についてしっかりとこれから取り組んでいくよう、私からも指示を出したところでございます。

○城井委員

国交省や担当する地方運輸局についての責任もきちんと明らかにされるという認識でよろしいですか。

○斉藤国務大臣

今回の事案を受けまして、こういう自動車安全行政についてしっかり取り組んでいくよう、私から国土交通省内で指示を出したところでございます。

○城井委員

これはみなし公務員ですから、当然、本来の公務員が果たすべき同等の責任が伴うはずだという点をしっかり明らかにせねばなりません。

地方運輸局の責任についても、当然、明らかにしていただけますね。

○斉藤国務大臣

今はとにかく、このビッグモーター、またその他の者のいろいろな事案について、しっかりと調査を今しているところでございます。

こういう形を通して責任を果たしていきたいと思っております。

○城井委員

実態の調査の上で、最終的に責任を明らかにすることをお願いしたいというふうに思います。

また改めてこの点はお伺いしたいと思います。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)