タクシーとタクシー乗務員の不足を解消するため、まずは規制改革を行うべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2023年11月10日衆議院国土交通委員会

○城井委員
本年5月、国土交通省のラストワンマイル・モビリティ/自動車DX・GXに関する検討会におきまして、ラストワンマイル・モビリティに係る制度・運用の改善策が取りまとめられました。
この報告書の中では、以下の改善策の三つの柱が示されています。
1つは、タクシー事業者の供給力の強化のための制度・運用の改善、2つ目には、多様なサービスの提供の検討を可能とする制度・運用の改善、3つ目には、自家用有償旅客運送の円滑な導入や持続可能性の向上のための制度・運用の改善です。
概要は、委員の皆様にもお手元の資料をお配りしております。
御覧ください。
そこで、伺います。
これまでも、地域協議会において、いわゆる緑ナンバー、そして福祉有償運送、自家用有償運送、NPO運送、そして普通免許証のナンバーのライドシェア、この順番で選定、管理が行われていますが、タクシーの規制改革につながる先ほどの3つの柱、12項目の施策を基に、現状の地域協議会のルールを守ることでタクシー不足やタクシーの乗務員不足の解消につなげられるというふうに考えます。
これは、タクシー現場の要望にもかなう内容であります。
大臣、まずこの1つ目、タクシー事業者の供給力の強化のための制度運用の改善として、営業所ごとのタクシー車両の最低車両台数の緩和、営業所等の施設設置要件の緩和、運行管理のDXの推進、そして地方部にUターン等をした個人タクシー事業の経験者の活用を行うべきだと考えますが、大臣の考えをお聞かせください。

○斉藤国務大臣
地域交通の担い手不足や移動の足の不足といった深刻な社会問題に対応するため、時代や社会状況に合ったタクシー規制の緩和や地方部を含むタクシードライバーの確保が重要でございます。
先般、タクシー規制の緩和の一環として、10月31日付で制度改正を行い、営業所ごとのタクシー車両の最低車両台数や営業所等の施設設置要件を緩和する制度改正を行いました。これまで、ある一定の台数が必要だったんですが、一台、一台でもいいというふうにしたわけです。これにより、特に地方部におけるタクシーの固定費の削減効果が期待されます。
また、運行管理のDXの推進や地方部へのI ターン、Uターンを希望する個人タクシー事業者の活用についても、地域交通の担い手不足解消や利用者の移動需要に応えるために重要と考えておりますので、速やかに制度改正を実施してまいりたいと思います。

○城井委員
運行管理のD X推進、地方部へのI ターン、Uターン等の個人タクシー事業者の活用、是非速やかに進めていただきたいということを私からも改めて要望したいというふうに思います。
次に、2つ目の、多様なサービスの提供の検討を可能とする制度、運用の改善として、タクシー事業者による乗り合いタクシー展開に当たっての法令試験免除、タクシーと乗り合いタクシーの事業用車両の併用の柔軟化、乗り合いタクシー事業における補完的な自家用車の活用を行うべきと考えますが、大臣の考えをお聞かせください。

○斉藤国務大臣
乗り合いタクシーとの併用の柔軟化等の御提案がございました。
タクシー及び乗り合いタクシーが地域の実情に即した多様なサービスの提供を行うことは、地域交通の担い手や移動の足が不足しているという深刻な社会課題に対応する観点だけでなく、持続可能で利便性の高い交通サービスを実現する観点からも重要であると考えております。
国土交通省としては、小口化、多様化している利用者の移動需要に応じた交通サービスの実現に向けて、タクシー事業者が乗り合いタクシー事業を展開するに当たっての法令試験を免除すること、タクシーと乗り合いタクシーの車両の併用を柔軟化すること、乗り合いタクシー事業において補完的に自家用車を活用すること、これらを速やかに実施してまいりたいと思っております。

○城井委員
速やかな実施を是非お願いしたいと思います。
3つ目も確認させてください。
自家用有償旅客運送の円滑な導入や持続可能性の向上のための制度、運用の改善として、事業者協力型自家用有償旅客運送の活用促進、交通空白地に係る目安の設定及び地域交通の把握に関するマニュアルの活用促進、地域交通の検討プロセスガイドラインの活用促進、自家用有償旅客運送に係る運送の対価の目安の適正化、自家用有償旅客運送に係る更新登録手続の簡素化、これらを行うべきと考えますが、大臣の考えをお願いします。

○斉藤国務大臣
自家用有償旅客運送は、バス、タクシーを補完する交通手段として活用されていますが、持続可能性を向上させるため、基盤の強化や事業者の負担軽減が重要であると考えております。
このため、今般、11月2日付で省令改正を行い、交通事業者による協力類型の多様化により、事業者協力型自家用有償旅客運送の活用を促進するとともに、自家用有償旅客運送の登録を更新する際の書類の簡素化を行いました。
このほか、御指摘のような、交通空白地に該当するかどうかの目安の設定、各種マニュアルやガイドラインの活用促進、ドライバー確保に向けた運送の対価の引上げについても、自家用有償旅客運送の円滑な導入や持続可能性を向上していく上で重要と考えておりますので、速やかに実施をしてまいりたいと思っております。

○城井委員
運送の対価の引上げにも言及いただき、ありがとうございます。
以上、3つの柱、12の施策でありますが、タクシー不足、タクシーの乗務員の不足の対応としては、やはりまず、タクシーの規制改革、以上の12の施策を速やかに実現することが必要だというふうに、今ほどの御答弁からも改めてかみしめているところであります。
一日も早い実現を大臣に強く要望したいと思います。
次に参ります。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)