国交省の二重出向と偽装請負、法令違反、官民癒着の疑いを全省調査で確認にするべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2023年11月10日衆議院国土交通委員会

○城井委員

さて、次に参ります。続いて、国土交通省から日本財団への二重出向と官民癒着の疑い、この点について伺います。資料を御覧ください。

国土交通省海事局が2018年10月末までの4年余り、法律で人事交流が認められていない日本財団に対して、国交省所管の外郭団体である海上・港湾・航空技術研究所を経由して職員を出向させていた、いわゆる二重出向が行われていたことが明らかになりました。

また、国交省は、海洋基本計画を踏まえて、2015年度から2020年度まで海洋開発人材育成に係る調査事業を実施し、日本財団を含む複数の事業者から成る共同体が一者応募で受託、9件の事業、総額7.6億円の発注ということでございました。

この国交省から日本財団への二重出向は法令違反ではないか、官民癒着につながるのではないかという疑いから、大臣に聞きます。

大臣、いわゆる官民人事交流法で、国や自治体の事業で主な収益を上げている企業とは人事交流ができないというふうに法律に書いてあります。

しかし、日本財団は、国土交通省海事局が所管する競艇による自治体からの交付金が総収入の9割であります。

つまり、国交省から職員が出向いたしますと、明確な法令違反であります。

大臣、この二重出向は事実でしょうか。事実だったら、脱法行為あるいは官民人事交流法に違反するというふうに考えます。大臣のお考えをお聞かせください。

○斉藤国務大臣

海事局の職員が、平成26年10月から平成30年10月まで、独立行政法人海上技術安全研究所、現在の海上・港湾・航空技術研究所に出向後、公益財団法人である日本財団に再出向し、海洋開発に関わる人材の育成に関する業務に従事しておりました。

二重出向していたのは事実でございます。

具体的な業務は、企業、研究機関、大学などを構成員とし、大学生や社会人を対象とした海外研修やセミナーなどを行うコンソーシアムの立ち上げ準備や、立ち上げ後の事務局としての業務でした。

当時、日本財団と研究所とが連携して、このコンソーシアムの枠組みによる海洋開発に関わる人材の育成を進めようとする中、研究所から海事局に人材協力の相談があり、産学官連携を推進する海洋基本計画が閣議決定された趣旨も踏まえ、これに協力することになりました。

その際、業務の円滑な遂行のためには、コンソーシアムの事務局を務める日本財団に在籍することが効率的と考えられたことから、研究所から日本財団への再出向に至ったものと聞いております。

本事案における再出向は、官民人事交流法の違反という問題が生じるわけではないものの、同法では直接の人事交流が認められていない日本財団へ再出向させたことは、脱法行為との疑念を招きかねず、不適切であるため取りやめましたが、今後も適切な人事運用を徹底してまいりたいと思います。

○城井委員

時間が参りましたので質問を終わりますが、この二重出向、労働局からの指摘で取りやめることになったわけですが、その後には、何と偽装請負の疑いまであるような状況になっているという、二重にまずい状況になっています。

これがこの件だけで終わっているのか、全省調査も含めてやっていくべきだというふうに考えますが、この点を求めまして、全省調査をきちんとやって、二重出向あるいは偽装請負、ほかにないということを明らかにしていただくことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)