木造密集市街地の解消に向けて自治体への支援を拡充するべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2022年5月13日 国土交通委員会
○城井委員
次に、木造密集市街地についてお伺いします。
実は、この点については、私の事務所に来られました大学生のインターンから、この点は問題ではないかということで御指摘がありましたので、ここでお伺いしたいと思います。
この木造密集市街地とは、木造住宅が密集し、地震のときに火災が延焼したり、また避難が難しくなったりする危険性が高い市街地を指しています。
数週間前、私の地元北九州市でも、旦過市場という戦前から続く木造密集市街地が大火事に見舞われ、43店舗が焼けました。
被害に遭われた皆様には、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
政官民挙げての対応に力を尽くしていきますが、民有地であるがゆえに、瓦れき撤去などを含め、行政の対応が限定的になっているのが現状ですね。
こうした大火事の危険性のみならず、木造密集市街地が抱える課題はこれまでにも明らかになってきたところです。
そこで、伺います。
国としてのこの木造密集市街地に対する危機認識について、大臣の見解を伺いたいと思います。
あわせて、この危険密集の解消は、当初、2011年までに解消する予定でしたが、なぜまだ解消していないのか、この解消を妨げる原因は何か、大臣、見解をお願いします。
○斉藤国務大臣
地震時等に大規模火災が発生する危険性の高い密集市街地の整備、改善を進め、安全性を確保することは大変重要な課題でございます。
このため、2006年に策定した住生活基本計画において、約8000ヘクタールの重点的に改善すべき密集市街地について、2011年度までに最低限の安全性を確保することとしておりました。
その後、2011年3月に住生活基本計画を見直した際に、整備、改善が必要な密集市街地の範囲を設定する視点として、従来からの火災危険性に加えて、新たに道路閉塞による避難困難性について考慮することとし、これらの視点に基づき抽出された約6000ヘクタールの、地震時に著しく危険な密集市街地を2020年度までに解消することを新たな目標として定めました。
この2011年に約6000ヘクタールとされた地震時等に著しく危険な密集市街地は、2022年3月末時点において約2000ヘクタールにまで減少してきているものの、御指摘のとおり、解消には至っておりません。
こういうことがまだ残っている原因でございます。
○城井委員
最後に、2問一括でお伺いしたいと思います。
では、今ほどの解消していない状況を、2030年までに解消する目標というふうに聞いていますが、これは実現可能なのかということ、そして、自治体財政の状況によって木造密集地域の解消スピードが異なるんじゃないか、自治体への国の支援の拡充の必要性があると考えますが、この2点、大臣からお答えください。
○斉藤国務大臣
まず初めの、この目標が2030年までに実現可能なのかという御質問でございますけれども、密集市街地の解消に向けては、地権者の合意形成や建て替え意欲の醸成をいかに図っていくかが課題となっております。
密集市街地の整備、改善の必要性などの理解促進に資する防災マップの作成や避難訓練の実施等のソフト対策への支援について、令和4年度予算において充実させたところでございます。
このように、ソフト対策により地権者の合意形成や建て替え意欲を醸成しつつ、避難路等になる道路や公園の整備、老朽建築物の除却や建て替えなどのハード対策を集中的に推進することにより、この2030年目標を達成したいと思っております。
それから、自治体への国の支援の拡充の御質問でございますけれども、この解消スピードを速めるために、国土交通省においては、密集市街地の整備、改善に取り組んでいる自治体についての補助率の引上げ、それから、令和4年度には未接道敷地内の老朽建築物の除却に対する補助率の引上げなど、密集市街地の状況に応じた支援の拡充を行ってきたところでございます。
引き続き、地域の実情に応じて、地方公共団体による密集市街地の整備、改善の取組を支援してまいりたいと思っております。
○城井委員
密集市街地での火災などに遭った方々は、自力での復旧が本当に難しいということに直後から直面をされます。
そうしたことにも思いを致しながら、対策の充実を是非お願いしたいと思います。
終わります。
ありがとうございました。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)