トラック産業の業務円滑化と休息時間の確保のため駐車環境の改善を進めるべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2022年5月13日 国土交通委員会
○城井委員
トラックの駐車環境を改善する取組について伺いたいと思います。
長距離ドライバーにとって重要な休息、休憩のための施設である高速道路のサービスエリア、パーキングエリアにおける大型トラックやトレーラー、ダブル連結トラック、これは25メートルフルトレーラーが想定ですが、こうしたものの駐車スペース不足は、大都市周辺を中心に、依然として全国のサービスエリアやパーキングエリアで生じています。
これは、高速道路の混雑によるものだけではなく、市街地等における駐車場所の確保が難しいことも原因の一つなのではないかとの声があります。
例えば、貨物の配達先である店舗や商業施設において十分な荷さばき駐車場が確保されていないことから、場合によっては、路上駐車に依存せざるを得ない状況があるとのことです。
その結果、時間調整や休憩をする場所も確保することが困難であることから、貨物の配達先の近くにあるサービスエリア、パーキングエリアを利用することも多いと聞いています。
現状では、トラックの駐車場所の確保について誰が責任を持って取り組むのかというのが不明瞭な状況です。
トラックの駐車環境を改善するためには、高速道路のサービスエリア、パーキングエリアなどの施設の充実はもちろんのこと、市街地等における駐車場所の確保についても併せて取り組んでほしいというのがトラック運輸産業を担う現場の皆さんの声です。
そこで、国土交通大臣に伺います。
サービスエリア、パーキングエリアの施設の充実や大型等の駐車升の増設はNEXCO各社によって徐々に進められていますが、いまだ十分ではありません。
国として、高速道路のサービスエリア、パーキングエリアの施設の充実や、大型等の駐車升の増設と十分なスペースの確保、道の駅の施設の充実、トラックステーションの再構築など、トラックの駐車環境を改善するために具体的な後押しをすべきだと考えますが、大臣の見解をお願いします。
○斉藤国務大臣
駐車環境の改善は、トラックドライバーの疲労回復という意味でも大変重要だと思っております。
まず、高速道路についてですが、高速道路の休憩施設については、2021年度末時点で、NEXCO3社が管理する全国828か所の休憩施設には駐車升が約8万台分ございますけれども、そのうち、大型車用の駐車升は約3万台分となっております。
現在、トラック関係団体から大型車用の駐車升の拡充の要望をいただいていることから、NEXCO3社では大型車用の駐車升の拡充に取り組んでおり、具体的には、21年度には、43か所の休憩施設において約900台分の駐車升を新たに整備しております。
今後、22年度から24年度の3か年で約1500台分の拡充を計画しており、22年度には、約30か所の休憩施設で約600台分の拡充に着手する予定でございます。
次に、道の駅ですけれども、全国1194か所の道の駅には、大型車用の駐車升が約1万2000台分ございます。
現在、トラック事業者の御要望等を踏まえつつ、重要物流道路沿いの道の駅を中心に、各道路管理者が大型車用の駐車升の拡充に取り組んでおります。
具体的には、21年度には、20か所の道の駅において約50台分の駐車升を新たに整備しており、22年度は、約20か所の道の駅で約70台分の拡充に着手する予定でございます。
そして、最後におっしゃったトラックステーションですけれども、業界団体が運営するトラックステーション等の休息、福利厚生施設の充実については、業界団体とともに、駐車やドライバーの休息の状況に注視しつつ、ドライバーの労働環境の改善に連携して取り組んでまいります。
今後とも、トラック事業者などの御意見をお聞きして、関係機関と連携しながら、トラックドライバーの駐車環境の改善に取り組んでいきたいと決意しております。
○城井委員
市街地等における駐車場所の確保を促す取組も必要だと考えます。
駐車場法に基づく都市部における駐車場附置義務条例については、地域の実情に合わせて、必要に応じて荷さばき駐車施設の条項を盛り込むことが推奨されていますが、2018年度末現在ですと、附置義務条例の制定都市は、197都市のうち88都市にとどまっています。
そこで、国として、地方自治体に対して駐車場附置義務条例の制定と荷さばき駐車施設の条項の付加について働きかけをすべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○斉藤国務大臣
国土交通省では、貨物用の荷さばき駐車スペースについて、平成6年に標準駐車場条例に追加しました。
これを踏まえ、それぞれの地方公共団体において、その地域の実情に応じて、駐車場法に基づく附置義務条例に荷さばき駐車施設の附置に関する条項を設けているところでございます。
これまで、技術的助言の発出や担当者会議での周知等を通じて地方公共団体への働きかけを行ってきたところ、令和3年3月末現在で、先ほど城井委員御指摘のとおり、88都市において、荷さばき駐車施設の附置を規定した条例が制定されております。
これはまだまだ少ないということでございますので、引き続き、地方公共団体に働きかけを行い、荷さばき駐車スペースの確保を進めてまいりたいと思っております。
○城井委員
既に条例が制定されている場合でも、附置基準の充実化や、駐車場の確保ができないコンビニを始めとする店頭における物資搬入車両用、これはATM等の装填車両も含みますが、この駐車升の確保など、条例の拡充について地方自治体に働きかけをすべきだと考えますが、大臣、この点はいかがでしょうか。
○斉藤国務大臣
荷さばき駐車スペースの確保に当たっては、附置義務駐車場条例の制定に加えて、例えば、路肩への貨物車用駐車升の確保や、地区での共同荷さばき駐車施設の整備など、地域の実情に合わせてきめ細やかな対応が必要と認識しております。
国土交通省としては、まちづくりと連携した駐車場施設ガイドラインを始め、技術的助言等により、地域の実情に応じた荷さばき駐車対策の必要性や支援策をお示ししているところでございます。
引き続き、地方公共団体に対し、毎年度開催しております担当者会議の場等において優良事例の周知を図るなど、まちづくりと連携した荷さばき駐車スペースの確保を進めていきたいと思っております。
○城井委員
やはりトラック産業の業務の円滑化、そして何より休息時間の確保など、大変重要な部分につながりますので、引き続きのお取組をお願いしたいと思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)