知床遊覧船が常時連絡可能ではなかったことを国は把握していたのか 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2022年5月13日 国土交通委員会

 

○城井委員

続きまして、今回の事故における連絡手段の確保について伺います。

知床遊覧船の事務所の無線は、アンテナが折れていて使えませんでした。
遊覧船搭載の衛星電話は故障していました。

隣接する運航会社と無線でやり取りが可能なので出航を停止しなかったと今回の遊覧船の社長が説明をしていますが、他社に万が一の対応を頼んでもおりませんし、社員を、無線が通じる他社の事務所に詰めさせてもいませんでした。

大臣、事業者自らが船と陸上事務所との間で常時連絡可能な状況にしていなかった点を国土交通省は把握していたんでしょうか。

この状況は、法律に照らしていかがでしょうか。

大臣、見解をお願いします。

 

○斉藤国務大臣

船と陸上事務所との間で常時連絡可能な状態にあったか否かについては、日本小型船舶検査機構が、4月20日に船舶安全法に基づく中間検査を実施した際に確認していますが、事業者から無線設備を携帯電話に変更したい旨申出があり、陸上との間で常時通信できるとの申告を受けたこと等から、この機構において、法令上の、常に直接陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことができるという要件に適合していると判断し、変更を認めたとの報告を受けております。

 

○城井委員

問題の一つはそこなんです。

日本小型船舶の機構、いわゆるJCIですが、ここによる携帯電話に係る検査についての部分にやはり不備があったのではないか、この連絡手段の確認として不備があったというふうに考えています。

この陸上との常時通信可能かという点について、船長からの口頭での申告と、海上での電波が入る旨の漁業関係者からの情報を根拠に、この裏づけ確認もせずに、航路の一部が通信エリアでカバーされていない携帯電話を通信設備として認めていたということを、国土交通省から聞き取りをしています。

大臣、この口頭の申告ですとか、裏取りもない第三者情報を根拠にした形での確認というのが、法律に照らして適切だったんでしょうか。

これは違法じゃないでしょうか。

大臣、見解をお示しください。

 

○斉藤国務大臣

カズワンの携帯電話では実際に通信できなかったと推測されることから、日本小型船舶検査機構の検査方法は十分ではなかった、このように考えております。

そのため、5月9日に、機構に対し、携帯電話に関する検査方法の改善を指導し、速やかに改善されたところでございます。

また、5月10日に、小型旅客船の緊急安全対策を実施し、機構において、携帯電話を通信設備とする全事業者について、航路全域が通話可能であるかを確認し、通話可能であることが確認できない場合には、常時通信可能な通信設備へ速やかに変更するよう事業者に要請するとともに、変更に応じない場合は、国土交通省から直接変更を求めることとしております。

今回、検査方法が十分ではなかったというふうに考えておりますので、現在進めております検討委員会で、では、どういうふうに改めていいか、早急に結論を出して、また改正していきたい、このように思っています。

 

○城井委員

今ほど指摘をしたことに加えて、本当に多くの課題がございます。

来週の国土交通委員会の質疑でもただしてまいりたいというふうに思いますし、国会におきましても、各種ヒアリングでまた御協力をいただきたいというふうに思いますので、引き続き、この点はただしてまいりたいと思います。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)