「子どもの声をきく会」で聞いた 子どもたちの意見に対する考えを文部科学大臣に伺いました 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2022年4月15日 衆議院文部科学委員会
○城井委員
続きまして、子どもの声をきく会で聞いた子どもたちの意見について、文部科学大臣に伺います。
国会において、こども家庭庁設置法案、あるいは立憲民主党提出の子ども総合基本法案など、子どもの法律についての議論がこれから本格化します。
ポイントの一つは、子どもの意見表明権の確保並びに意見の尊重です。
私たち立憲民主党としても、これらを実践していこうと思いまして、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの皆さんとの共催で子どもの声をきく会を開催しました。
これは、我々だけではなくて、他党でも開催されたというふうに聞いています。
この会におきましては、4グループに分かれて1時間ほどの意見交換をしましたところ、子どもたちから28の意見を頂戴しました。
この中から、文部科学省に関わるものを幾つかお伝えしたいと思います。
これらの子どもの声に対する文部科学大臣のお考えをお答えいただきたいと思います。
まず、けんかのときに先生が一方的に怒ることがある、両方の意見をきちんと聞くような仕組みがあってほしい、こういう御意見であります。
大臣、どうお答えになりますか。
○末松国務大臣
今の子どもさんの声につきましてですけれども、大人の世界でも、子どもの世界と私は同じだ、一面同じだと思っております。
子どもの声に耳を傾けることは、子どもを大切にする第一歩でありまして、当然、私としても非常に大事なことと思います。
学校においてけんかが起きた場合には、その際には、当事者である子どもの言い分も聞きながら、事実関係をまずしっかりと整理する、そして確認した上で対応することが重要であるというように考えます。
そのため、文部科学省では、教育委員会の生徒指導担当者向けの研修会等の様々な機会を捉えまして、適切な生徒指導がなされるように、こうした子どものけんかであっても、どういうように対処するかということについては周知徹底するように努めているところでございます。端的に申し上げれば、そういうことです。
○城井委員
続きまして、二つ目の子どもからの声です。
飛び級ができる仕組み、あるいは、逆に戻れる逆飛び級の仕組みはできないか。
日本の教育は平均に合わせているため、もっとやりたい子が能力を伸ばすための仕組みや、もっとゆっくり勉強したい子に合わせる仕組みになっていない。
例えばそのためにITを活用してはどうかという意見があるが、コロナ禍でオンライン授業が増えた結果、子どもたちは人と接する場面が減少してしまった。
これからは、ITと人と接する場面とを組み合わせながら効率化を進め、一人一人に合ったスピードで教育を受けられるようにすればいいのではないか。
この声には、大臣、どうお答えになりますか。
○末松国務大臣
義務教育におきましては、基本的に、子どもたちが年齢ごとに進級、卒業するということ、年齢主義が取られております。
飛び級につきましては、教育が知育に偏ってバランスを欠いたり、受験競争が過熱化するなどして保護者に無用の焦りを招くのではないかという問題点も指摘をされておりまして、国民的な理解を得られる状況にはないということでございます。
実現には全く至っていないわけであります。
ただし、先生御承知のとおり、大学は行っていますね。
大学は、飛び級で、高校2年生から、千葉大学、飛び入学です、済みません、飛び入学。
それは大学が認めないかぬわけですけれども、そういう場合はあります。
一方で、これからの令和の日本型学校教育の実現には、リアルとデジタル、これを最適に組み合わせながら、先生今お話ありましたように、個別最適な学びとか協働的な学びを一体的に充実しまして、子どもたちを誰一人取り残さず、個々の可能性を最大限に引き出していくことが重要であると思います。
このため、現行の学習指導要領でも、子どもたちの一人一人の個に応じた指導の充実を図っていくことができるように、補充的な学習や発展的な学習などを取り入れる工夫をいたしているところでございます。
タブレットが、端末機ができまして、やはり学校へ行きましたら、習熟度に応じて、その子ども向けのドリル、宿題を出せるということになっておりますから、かなり一人一人に応じたそういった学習ができることは事実かなということを、私はそういうふうに感じました。
○城井委員
学びの速い子、遅い子がいるところに、どう寄り添ってくれるかというのを子どもたち
が見ているという意見だったかなというふうに思いまして、今の御質問をさせてもらいました。
三つ目の御意見です。スクラッチという新しいソフトを学校で使っており、いろいろな人や新しい人に出会うので怖い思いをすることもあり、制限が欲しい、これはいわゆるソフトの利用者同士での通信機能の悪用を心配しての声かと存じます。
大臣、どうお答えになりますか。
○末松国務大臣
城井先生御指摘のスクラッチに関わるトラブルにつきまして、詳細は私、把握はいたしておりません。
ただ、子どもたちがSNSによるトラブルで、先ほども御質問あったように、被害者、加害者にもなったりすることがないように、ICTを適切に使いこなす力を育てることが大事だというのが考え方であります。
そのため、学習指導要領におきましては、情報や情報技術の特性について、その理解に基づく情報モラルをやはり身につけさせ、将来の新たな機器、サービス、あるいは危険の出現にも適切に対応できるようにということとされておりまして、引き続き情報モラルを含む情報活用能力の育成に努めていきたいというのが考え方でございます。
○城井委員
最後に、四つ目の声です。
一言でございます。
ランドセルが重い。
これは、なかなかいろいろな問題をはらんでいると思いますが、大臣、どうお答えになりますか。
○末松国務大臣
どのような教科書あるいは教材を家庭に持ち帰って、何を学校に置いておくのかということは、これは、どのような宿題や予習を、復習を課すべきかという観点に加えて、子どもたちの体の健やかな発達を考慮する必要があると思っております。
文部科学省では、平成30年9月に発出をしました事務連絡におきまして、家庭学習で使用する予定のない教材等を机の中などに置いて帰ることを認めるなど、児童生徒の携行品の重さや量についての配慮を求めているところでありまして、引き続き、各学校において、本事務連絡を踏まえて、子どもたちの地域や学校の実態を考慮しつつ、適切に対応いただきたいと考えております。
遠く離れた自宅から登下校する生徒にとっては大変な重たさ。
校門の前に家があったら、それはそんなに重くないと思うので、地域事情はあると思いますけれども、重たくなってきているのかもしれませんです。
○城井委員
ありがとうございました。
この一つ一つの声は、現在の文部科学省や教育委員会や学校の取組を見ていての子どもたちからの声だというのが重要だというふうに思っています。
こうした子どもたちの声をやはり踏まえながら、今後も子どもの意見表明権の確保、そして意見の尊重に向けて、文部科学省としても格段の取組を是非お願いしたいと思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)