政治資金に関わる報道についての事実関係の確認 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2022年2月10日 衆議院予算委員会
○城井委員
それでは、次に参ります。
次に、政治資金の問題について、二之湯国務大臣にお伺いをいたします。
本日発売の文芸春秋の2022年3月号では、自民党が一億円選挙買収を行っていたと報じられ、元自民党職員や元自民党国会議員の証言も紹介されています。
余りのことで、にわかには信じ難いと感じています。
内部文書として引継書まであると報じられていますが、こうした類いのものは、まず、本物か偽物かを確認する必要があります。
報道が事実であれば、組織ぐるみの選挙買収ということになります。
ここでは、報じられた自民党京都府連に所属する二之湯大臣の政治資金並びに自民党京都府連に関わる国会議員、自治体議員の政治資金に関わる報道について、念のため、事実関係の詳細を二之湯大臣に伺いたいと思います。
今回の報道の内容は本当にえげつないです。
自民党京都府連元職員の証言として、
「国政選挙が行われるたびに、京都府連は、「引継書」に記されているような買収と隠蔽工作に手を染めてきました。衆院選・参院選の候補者が用意したお金を府連が一度預かり、その後、府連が府議と市議に渡す形をとります。一人につき50万円という金額も間違いありません。府連を通じた「マネーロンダリング」は、京都府連特有の隠蔽工作であり、こうした狡猾な仕組みが全国に広がってはいけないと考え、取材を受けることにしました」
と、文芸春秋2022年3月号で報じられています。
つまり、国政選挙時に、自民党国会議員が自民党京都府連経由で自治体議員に、選挙買収になると分かっていてお金を配ったと報じられています。
二之湯大臣、これは事実ですか。
○二之湯国務大臣
今、委員、私の政治資金にしまして御質問ございましたけれども、私は、自分の政治資金は法に即して適正に処理しておりますし、その概要は私の政治資金収支報告書を御覧いただければ納得いただけると思います。
ただ、後段の、自由民主党京都府連のことに関しましては、私も報道で昨日知ったわけでございます。
自由民主党京都府連が国会議員から政治資金を、寄附を受けて、各府会議員、京都市会議員にそれを再度政治活動資金として配付しているという事実は、そのとおりでございます。
○城井委員
配っているのはそのとおりということでございました。
では、今ほどの二之湯大臣の御本人の部分についても前段で触れていただきましたが、平成28年の、御自身が、二之湯大臣が立候補された参議院選挙に当たって、自民党京都府連経由で自治体議員にお金を配りましたか。
○二之湯国務大臣
それは、私の政治資金収支報告書にも、そのようなことが記載されております。
これは、あくまでも、私どもは、政党の党勢拡大に使ってください、こういう趣旨でございまして、個々の議員の選挙活動に使ってください、こういうことではない、こういう認識でございます。
○城井委員
今、二之湯大臣が配っていたというふうに答弁いただいた、その平成28年のお金については、政治資金収支報告書を私も確認をいたしまして、恐らくこれのことかと思いますが、平成28年の参議院選挙、これは7月でしたが、その前、平成28年4月27日付の、自民党京都府連に、二之湯大臣が代表者を務める自由民主党京都府参議院選挙区第三支部から960万円の交付金を支出している、このことを指しているということでよろしいですか。
○二之湯国務大臣
委員、日付はいつでございましたか。
(城井委員「4月27日」と呼ぶ)
4月でしたね、まず、そういうことですね。
自由民主党の政党活動は、国会議員だけじゃなくて、党所属の地方議員も含めて、党勢拡大に一生懸命努力している、こういうことでございますから、そのとおりですね。
○城井委員
使い道は党勢拡大ということでしたが、ただ、参議院選挙の直前の時期の支出であるという点は指摘しておきたいと思います。
その上で、大臣、この支出、府連への交付金支出は、この960万円という規模、毎年の支出ですか。
○二之湯国務大臣
毎年ではございません。
○城井委員
大臣、今御答弁いただきましたように、実は、この前後の年は、京都府連への交付金支出は、平成27年は260万円、平成29年はゼロ円でした。
ですので、この平成29年の960万円は明らかに突出した支出だという点を御指摘申し上げたいと思います。
では、なぜこの年だけこんなに支出をされたのか。
大臣、理由をお願いします。
○二之湯国務大臣
今申しましたように、選挙というのは、もちろん個人の選挙もございますけれども、党全体で取り組まなければならない。
そして、私らも、国会議員も、党本部の方から党勢拡大のためにいろいろな政党交付金を交付されておるわけでございます。
そのお金を、共に同志である地方議員にも配付して、そしてお互い自由民主党のために頑張ろう、こういうことでございますから、そうなっておるわけでございます。
○城井委員
なぜ御自身の、二之湯大臣の立候補される参議院選挙の前だけこんなに金額が多かったかというのが、今の御説明だと分からないんです。
毎年協力をしているということならば、理由になるかもしれない。
この直前に、李下に冠を正さずという言葉もあります、この選挙の直前に960万円、この理由が何かというのが今の御説明だと分からないんですが、もう一度お願いしていいですか。
○二之湯国務大臣
参議院選挙は毎回7月ですね、行われるのは。
それは4月ということですね。
そんな直近ではないと私は思っております。
そういう認識の違いがあるわけでございます。
私としましては、これを京都府連が適切に法に照らして処理しているということで、私はそのお金の使い道については知らない、こういうことでございます。
○城井委員
あと幾つか伺おうと思いますが、大臣、今回のこの960万円の支出は、御自身からの申出ですか。
それとも、自民党京都府連のシステムや仕組みに基づいて出されたものですか。
つまり、参議院選挙前に京都府連から何らか指示があってこれを出してくださいという話だったのか、この点を確認させてください。
○二之湯国務大臣
これは私個人のあれでございます。
○城井委員
個人の判断ということでございましたが、今回、報道の中でも一つのポイントになっているのは、こうした仕組みがあるというのを書いてある引継書があるかないか、こういう話になっております。
そこで、伺います。
二之湯大臣が前回出馬をされた平成28年の選挙の前、二年前ぐらいになるかなと思うんですが、平成25年から26年のあたりというのは、二之湯大臣はこの自民党京都府連の中でどのような役職におられましたか。
○二之湯国務大臣
平成26年ですか。
(城井委員「5年から26年にかけてのあたり」と呼ぶ)
私は京都府連の会長をしていたと思いますね。
だけれども、今おっしゃっておりますように、その文書の存在というのは全く私は知りません。
○城井委員
まだ聞いていないんですが、今伺いたかったのは、では、その府連会長当時に事務局長は替わられましたか。
あるいは、府連会長を退いて次の会長に替わるときに事務局長の引継ぎがありましたか。
○二之湯国務大臣
はっきりと記憶はないんですが、あの当時、府連の事務局長はお二人の警察のOBの方がいらっしゃいまして、そして事務局長と事務局長心得という方がいらっしゃった、そのようなことを記憶しております。
○城井委員
その当時の引継ぎの段階ということなんですが、引継書を作成されたとされる当時の府連の事務局長から当時の二之湯府連会長に、引継ぎについての相談があったかなかったか、この点をお願いします。
○二之湯国務大臣
ございません。
○城井委員
今の点は重要な御答弁だと思いますので、また議事録精査をいたしたいと思います。
さて、ここまで、自民党京都府連所属の二之湯大臣に事実確認をまず申し上げました。
伺う限り、実態はまだ明らかではないというふうに感じています。
2019年の参議院選挙でも、昨年の衆議院選挙でも、自民党京都府連からお金が配られたとの複数の地方政治家の証言も報じられています。
国政選挙のたびに慣例化をもししていたならば、組織ぐるみでの選挙買収の意図が色濃く疑われるということになります。
真相を明らかにするべく、本日の二之湯大臣からの御答弁を改めて検証いたしまして、国会でもただしてまいりたいと思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)