経済的困窮に苦しむ学生に寄り添うためにも給付型奨学金、授業料免除の拡充をすべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)



2021年12月15日 衆議院予算委員会

○城井委員
続きまして、困窮学生への対応について、総理とそして文部科学大臣に伺います。
新型コロナの影響で大学等を中退、休学している学生が増加しています。
文部科学省の報告でも明らかになったところです。
厳しい状況にある学生等への支援については、私ども立憲民主党から、学費の半額免除やバイト減収学生への一時金支給などを実現する議員立法案を既に提案させてもらっています。
そこで、政府における対応の1つとしての、学生等の学びを継続するための緊急給付金について伺いたいと思います。
政府の緊急給付金では67万人が対象とのことですが、この算出根拠をお示しをいただきたいと思います。
このときに、困窮する世帯の自宅生も必要に応じて支援対象とすべきだと考えますが、文科大臣、お願いします。

 

○末松国務大臣
失礼いたします。
今般実施をいたします学生等の学びを継続するための緊急給付金であります。
新型コロナウイルスの感染症の影響で厳しい経済状況にあります学生等に対しまして、修学を諦めることのないようにという思いで、臨時緊急の措置として1人10万円の現金を給付するものでございます。
こうした観点から、まず、2020年4月から始まりました高等教育の修学支援新制度が対象とする低所得の学生等約34万人に加え、昨年度の学生支援給付金の実績を踏まえまして、新制度利用者以外の学生等約33万人を見込み、全体で67万人としてございます。
このうち、高等教育の修学支援新制度の対象につきましては、自宅生と自宅外生を問わず、今回の緊急給付金を支給することとしております。
また、それ以外の学生につきましても、学生等の経済状況を最も身近な場で把握しているのはやはり大学でございますので、大学がよく見て支給の可否を総合的に判断することとしておりまして、自宅生であっても、大学等が修学の継続が困難であると判断した場合には給付金を支給することとしておりまして、この点につきましても、大学等に周知をすべく準備を進めてございます。
まずは、給付金が1日でも早く必要な学生に行き渡るようにと思ってございます。
前回、大学も少ししゃくし定規であったと思いますし、自宅から通いましても、親と家計を分けている学生さんもいますので、そういう点も細かくできるだけ配慮しながらということで考えております。
手引きもできればなということを思ってございます。
以上でございます。
御支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

○城井委員
運用での対応範囲ということの趣旨の御答弁だったと思いますが、これは知らないと手が届きませんので、周知の徹底を是非改めてお願いしたいと思いますし、今ほど文科大臣からお触れいただきましたように、家庭状況によってかなり差があるというふうに思いますので、この点も是非お願いしたいと思います。
総理、私がこの困窮学生の支援で一番深刻だと思っていますのは、こうした今の緊急給付金しかり、そして新しい高等教育の修学支援制度しかり、そうした仕組みを整えてきたというふうに、政府側でもかなりやってきたという自負があるんですが、ただ、それでも支えが届いていない学生がいるという現実です。
実際に、その修学支援制度があっても、そして緊急給付金があっても、新型コロナの影響による経済的な困窮で退学をする学生が増えています。
文部科学省によりますと、令和3年4月から8月の大学等の中途退学者のうち、経済的困窮が理由の人は、何と20.7%に上ります。
この方々には支援が届いていない、このことにどう対応するか今。
ほかにある政府の手だてということで申しますと、貸与型奨学金という学生ローン、この手段があって、そして現行の所得連動型の返還制度があっても、経済的困窮を理由にして中退せざるを得ない学生が存在している、この事実は大変重いというふうに思うんです。政府・与党で検討されている出世払い型奨学金も、結局借金だということは変わらないというのが状況です。
こうした、苦しむけれども手だてがない、支えが届いていない学生に寄り添うためにも、給付型奨学金そして授業料の免除の拡充を行って、届いていない方に、せめて手が届くように、総理、していただけないでしょうか。
この手だてが届く仕組み、つくっていただけないでしょうか。
総理、お願いします。

 

○岸田内閣総理大臣
経済的に困窮されている学生の皆さんが学びを諦めることがないように、政治の立場からもしっかりと考えていく、これは重要な課題であると認識をいたします。
その中で、委員も御指摘になっておられましたが、従来から政府においても様々な取組を進めております。
低所得者世帯への高等教育無償化の中で、給付型奨学金が50万人、授業料の減免、これを50万人、実施をしています。
また、貸与型奨学金の中で、無利子奨学金51万人、有利子奨学金77万人、そして、あわせて、今文科大臣から御説明させていただいた、今回の経済対策に盛り込んだ10万円の緊急給付金67万人、これを実施をしていきます。
大学の学部、大学院、短大、これは合計いたしますと、対象学生というのは総数は300万人ですから、300万人の学生に対して今申し上げたような様々な施策を用意している、これは現実であります。
しかし、それでも、委員御指摘のように、その施策からこぼれておられる方がおられる、これは現実としてしっかり受け止めなければならないと思います。
そういった現実に対してどう考えていくのか、どう対処するのか、これは絶えず政治として考えていかなければいけない、委員の御指摘も念頭に置きながら、その部分についても政府として引き続き検討を続けていきたいと考えます。

 

○城井委員
住民税非課税世帯への支援の部分はテーブルにのりやすいんです。
ただ、税金を納めて、保険料を支払って、教育費を自前で出して、介護のお金も工面した。そうすると、手取りが残らず、貯金もない。
こういう御家庭が、手だてが足りないのではないかというふうに私は感じています。
そうした方々に、無利子奨学金なども含めて、借金の勧めではなくて、少しでも豊かさを感じられるように、普通の安心を届けることが政治の仕事だと思うんです。
可処分所得が増えるように、何とか教育費の軽減を、そうした本来中間層に行ってほしい方々に届けたい。
このことが我々の仕事だと思うんです。
我々からも是非政策提案を続けたいと思いますし、制度全体の議論の機会を改めていただければと思うので、よろしくお願いします。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)