港湾の自動化政策は労働者の公正な雇用の移行に配慮すべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2021年5月19日 衆議院国土交通委員会
(港湾の自動化政策・制度導入の港湾労働者雇用への影響について)
○城井委員
次に、港湾の自動化政策、制度導入の港湾労働者雇用への影響についてお伺いします。
AIターミナル構想などによる港湾の自動化政策や制度導入について、人を支援するのが目的との国土交通省からの説明ですが、港湾現場からは、現在の港湾労働者の仕事や雇用を奪う仕組みとなるのではないかとの不安の声が相当数届いています。
港湾の自動化政策や制度導入に当たっては、国から全国の港湾労働者との積極的な情報共有を図り、港湾労働の当事者が事前に対応できる体制を国が整えるべきと考えますけれども、どのようにお答えになるでしょうか。
港湾の自動政策を進める際に、港湾運送事業者への十分な事前説明を行うこと、そして関係労使の合意状況を踏まえて事業採択の可否を決定すること等々を踏まえて事業執行すると大臣から明言をいただけるでしょうか。
大臣の見解をお願いします。
○赤羽国務大臣
これは私の一つの私見でもありますが、世界の今の国際競争力が大変激しくなっている港湾、勝ち抜くために何が必要かと考えていくときに、やはり生産性の向上というのはもう必須だと思います。
他方で、港湾だけではありませんが、現業の人手というのは、これは当然人口構成上もさることながら、今の若い人たちの気質というか、なかなか、現場で働くという部分が大変不足しているというのは、現業を抱えているところはどこも共通したことでございます。
ですから、先日、一昨年、就任した年の年末にシンガポールにも行ってまいりまして、シンガポールのSPA、まさに、元々相当トップランナーだったんですけれども、相当差がつけられているということを認識して、ここは何とか改革をしていかなければいけないし、そうした中で私たちは、AIや自動化、遠隔操作化というのは、これは進めていかなければいけない方向性だというふうに思っております。
それが今現業で働かれている皆さんたちの職を失うことではないということは、それはそうした配慮というのは当然必要だと思いますし、その説明というのは十分やることだというふうに思っておりますので、これは、このことだけではありませんけれども、政策一般を進めるに当たりまして、関係者の皆様の、その必要性についての御理解をいただき、協力を得るというのは当然やらなければいけないことでございますので、本件につきましても適切に対応してまいりたい、こう考えておるところでございます。
○城井委員
生産性の向上は大変重要な部分だというふうに思っています。
それを行っていく折に関係者の理解、協力を得ることは当然のことだというふうにも思います。
大臣、そこでやはり重要だと思いますのは、雇用の公正な移行、そしてそこに対する支援。
つまり、職場が小さく縮んでいったときに、ではほかの職場で移って働いていただこうというときの、その雇用の公正な移行についてきちんと、当事者に丸投げするのではなくて、国もきちんと注視しながら必要な支援を行っていくということが大変重要かというふうに思います。
これは、先日の我が党委員からも質問のあった、例えば、石炭の荷役の仕事が縮んできて大変だといった声が港の方からあって、でも、そこの仕事が縮んでいたときに別の場所で働いていただくときに、そういうところも国がやはり支援していきながら移っていただくという部分も必要な場面があろうかというふうに思います。
そうした雇用の公正な移行について国側もきちんとしっかり注視をしながら取組を進めていただくと、是非お願いしたいというふうに思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)