港湾労働者の代表を交通政策審議会港湾分科会の議論に参加させるべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)


 

2021年5月19日 衆議院国土交通委員会

 

(港湾政策決定過程における労働者代表の関わりについて)

 

○城井委員

続きまして、港湾政策、港湾労働政策について、順次お伺いをいたします。

港湾政策決定過程における労働者代表の関わりについてお聞きします。

国土交通省交通政策審議会港湾分科会の委員に港湾労働者の代表が含まれていないと、港湾現場から指摘があります。国土交通省にお尋ねをしたところ、2001年の分科会設置以降、これまで港湾労働者の代表が選ばれたことがないとのことです。

過去の港湾分科会における労働者代表の委員就任はこれまでに一度もないとの認識で間違いがないか、大臣からお答えください。

 

○赤羽国務大臣

これは参議院の立憲民主党の議員から同じ質問をされてお答えをしていることでございますが、港湾審議会というのは、今言われました中央省庁の再編があった平成13年の1月以前と以後、随分性質が変わりました。

以前の港湾審議会は、全国港湾労働組合、また全日本海員組合の御代表の皆様に参加をしていただいておりましたが、中央省庁の再編が行われまして、交通政策審議会の一部である港湾分科会に再編されたという事情があって、まず委員の数を32名から15名に簡素化する、そして議論も、より政策的な議論を行うという役割が見直されたということがございました。

その結果、委員構成につきましても、物流や産業等の分野に関わる有識者の方々を中心にした構成になりまして、業界代表の委員につきましては、荷主さん、また海運、港運等の各分野から一名を選任する形として、港運分野を代表しては、現在、日本港運協会の会長に就任をしていただいているところでございます。

ただ、他方で、港湾政策の立案に当たりましては、当然のことながら現場の皆さんの意見を聞くというのは大変重要だと考えておりますので、国土交通省としては、港運労組から年2回の定期的な申入れの対応に加えまして、昨年6月以降、2か月に一度、港湾局の担当課長等による懇話会を実施しておりまして、現場の皆様の意見を政策に反映するよう努めているところでございます。

 

○城井委員

労働組合からの定期的な申入れへの対応や懇話会の開催といった部分については、大変意義深いことだというふうに思っています。

その上でなんですが、大臣も今御答弁でもおっしゃられましたが、政策的な議論に特化してという部分を仮に理解するとしても、そのときに、例えば、港湾に関わる物流の政策ですとか、あるいは港湾に関わる経営の観点ですとか、あるいは港湾労働の部分ですとかといったときに、では、その関わる委員の、特に専門分野が関わってくると思いますが、そこに関わってくる人たちがそうした部分にきちんと知見を持った形で議論をいただけているかという部分が大変心配でございます。

特に、先ほど15名とおっしゃった方々の内訳を拝見をいたしますと、研究者が10名、企業関係者が4名、そしてジャーナリストが1名という状況でございます。

研究者の中には、専門をそれぞれに拝見をいたしましたが、物流の専門家や経営の専門家については含まれておりましたが、港湾労働についての直接の専門の方はいらっしゃいませんでした。

企業経営側は、労働者とともに港湾を守り立てる立場だというふうに思いますが、ただ、案件によっては労働者側と考え方が異なる場合もあります。

我が国の港湾は、貿易量の99.6%が経由している、製造品出荷額も全国の約半数を占める150兆円に上る、そういう日本の生命線を担う我が国の港湾の話です。

物流や経営の専門の方は議論に加わっているけれども、港湾労働の専門家の方、あるいはその当事者が入っていないということでは、その議論のバランスという意味ではいかがかと思います。

そうした当事者代表をきちんと、聞き取りをするのは当然のこととして、議論に加えるというふうに、そこは議論に加わっていただいて、そして政策を進めていくというのが、労使関係や、あるいは政策の議論を含めたバランスある姿だと思いますが、大臣、ここは御検討いただけませんか。

 

○赤羽国務大臣

これはそもそも行政改革という大きな流れの中で絞られた中で、各業界の分野から一名ずつ選任するという形の中で誰を選ぶかということで、港湾運送業界の中でやはり港運協会の会長に就任していただくというのが基本的には妥当な考え方だと思います。

ただ、もちろん労使対立とかということがあるケースもあるというのは承知をしておりますので、そうしたことをカバーするために、2か月に一度、担当の課長が実際に皆様方からの話を伺わせていただきながら政策に反映をさせていただいているという形で、具体的な何かそごが、何というか、不十分な点があるというふうには、私たちはそう認識をしておりません。

 

○城井委員

年に二度の申入れに対する対応については真摯に行っていただいているというふうに私自身も思うわけでありますが、ただ、案件によっては、立場が異なり、対立を抱えたまま前に進んでいるというケースも間々ありますので、そこは決めつけをせずに、是非、現場の事情、立場がそれぞれに違うケースはもちろんあるというふうに思いますので、そこはできる限り近づける努力を政府にお願いしたいというふうに思います。

この員数については、その状況を見ながら改めてまた提案をしたいというふうに思います。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)