新型コロナの影響大きい鉄道への支援をするとともに豪雨で被災したJR肥薩線・久大線の復旧へ国が補助すべきだ (衆議院議員 きいたかし 福岡10区 北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

 

2020年11月17日 衆議院国土交通委員会

 

○城井委員

続きまして、地域の公共交通の持続可能性及び九州地方の豪雨による鉄道の復旧支援についてお伺いいたします。

新型コロナウイルスの影響によって鉄道各社も厳しい経営に追い込まれています。例えば大手公共交通事業者の一つでございますJRグループを例にとりますと、2019年度の影響を含めて9月末までで約2兆円を超える収入減少と報告を受けております。

GoToトラベル事業が始まっても、新幹線や特急列車など中長距離輸送の利用状況は対前年4割から5割というふうになっておりまして、十分な回復にはつながっていないというのが現状だというのが現場からの報告でした。

感染を気にして、公共交通を使って移動することへの不安はまだまだあります。

通勤や出張、観光など、そもそもの需要や機会の減少は深刻で、都市間の輸送も影響が大きい状況です。

こうした中で、ほかの大手事業者もどうかと見ましたら、同様の状況がある、苦境にあるということでございました。

地域の公共交通の持続可能性をいかに担保するか。中小事業者向けの部分については、先ほど、本日の大臣答弁でも触れられましたけれども、中小事業者のみならず大手の公共事業者、特に現場からの要望の強い資金繰りの支援について行うべきではないかというふうに考えますが、大臣、お考えをお聞かせください。

 

○赤羽国務大臣

もう既に国として、JRや大手私鉄も含む大手の鉄道事業者に対しては、先ほど言いました政策投資銀行からの危機対応融資等々の資金繰りの支援は行っているところでございます。

 

○城井委員

その上でいただいている御意見でありまして、その支援が十分であるかという点を改めてチェックをいただきたいというふうに思っています。

今回、鉄道各社が迎えている苦境が日ごろのいわゆる経営難というところからも更に度を越しているという状況があるものですから、そうしたところを踏まえると、これからお伺いする部分にもかかわってくるというところがあるので、ぜひその点はやっていただきたいというふうに思っておるわけであります。

その部分が何かと申しますと、それは災害復旧であります。

令和二年七月豪雨など、自然災害によって被災した路線の復旧作業という、こうした大きな課題がございますが、これは資料の二枚目をごらんいただければと思います。

例えば九州地方では、JR肥薩線、JR久大線については、その復旧に数百億円という莫大な費用がかかるという意見もあります。

ただ、これらの路線については、今のところ、国の予算補助などを適用する法令がないというふうに聞いています。

JR日田彦山線については、地元でも激論がある中、JR九州の全額負担によるBRT化での復旧の方向ですが、この際にも、残念ながら、補助などを適用する法律が存在しないという状況であります。

経営が好調な平時ならば、民間企業を中心に自力復旧を促すことも選択肢かもしれません。ただ、新型コロナで明らかに経営悪化している鉄道会社にこれまで以上の復旧費用負担を、現在、期待するというのは難しいというふうに考えます。

大臣、国による予算補助や法令適用の範囲拡大による補助が必要だと考えますが、大臣のリーダーシップで実現をいただけないでしょうか。

 

○赤羽国務大臣

九州、特に熊本地方を毎年のように豪雨災害が襲って、JR九州のある意味でローカル線、観光線とか地元の皆さんの通学を支えていただいているものが大変被害を受けているというのは、これは真剣に受けとめていかなければいけないと思っておりますが、ちょっと、今、御質問の中で、JR九州に対しての法令適用がないというお話でしたが、これはそうではありませんで、鉄道軌道整備法に基づく法律、これにつきましては、特に、平成30年の6月に、ここで、議員立法だったと思いますが、改正をしていただいて、ちょっと局長がいないのでよくわかりませんが、法改正して、JR九州のような黒字会社でも赤字の路線については支援対象化できるということでございます。

加えて、特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業に基づく予算補助という支援制度もございます。

このBRTにつきましては、このJR日田彦山線も、鉄道として復活するのかどうか、鉄道として再生する場合は今言ったような支援制度を受けられるという選択もございましたが、これは、JR九州の事情、また地元の調整の結果、鉄道ではなくてBRTのシステムでの転換を、鉄道からの転換を選択されたということだというふうに承知をしております。

そうしたことですが、いずれにしても、例年、毎年のように、気候変動の影響にもよりましょうし、線状降水帯の、梅雨時期の長雨等々で大変な被害を受けているというのも間違いないことでありますので、これは、公共交通機関として維持ができるようにしっかりと向き合って、国交省としてもできる限りの、また、必要であれば、新しい、適時適切な対応も検討していかなければいけない、こう考えています。

 

○城井委員

私が今質問で申し上げたところは、その改正後の鉄道軌道整備法を踏まえても対象に入らないのではないかというふうに現場からは伺ったものですから、今の質問を申し上げたんですけれども。

大臣、では、肥薩線や久大線についてはこの鉄道軌道整備法の補助の範囲に入るという認識でよろしいですか。

 

○赤羽国務大臣

ですから、そういう細かいことを詰められるのであれば、局長をちゃんと呼んでいただければと思いますが、私がきのう聞いている段階では、これも適用になるというふうに承知をしております。

ですから、ここは議事録で残りますので、具体的なことを確認したいのであれば、ぜひ担当の局長を呼んでいただければと思います。

 

○城井委員

大事なところだと思いましたので、質問の文書と同じものを通告で差し上げて、お聞きをしております。

特に、法律適用、有権解釈権のある大臣の発言はとても大事だというふうに思いましたので、ここで質問させていただいているということでありますが、今ほどの、適用対象になるという御答弁でありましたので、確認させていただきました。ありがとうございました。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区