邦人保護・防疫上の観点から、入国制限措置で苦境の日本人留学生に早急な対応をすべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

2020年3月24日 衆議院文部科学委員会

 

(新型コロナウイルス対策:入国制限措置で苦境の日本人留学生への対応について)

○城井委員

続きまして、日本人留学生への対応について、文部科学大臣にお伺いします。

世界じゅうで入国制限措置がとられる中、海外にいる日本人留学生が厳しい状況に追い込まれています。3月16日に、外務省が多くの地域を感染症危険レベル2に指定しました。

昨日、3月23日には、EU主要国を含むヨーロッパ十八カ国についてレベル3に引き上げ、全土への渡航中止を勧告いたしました。

結果、日本学生支援機構の規定により、その地域に留学していた学生への奨学金が停止し、自費による現地滞在若しくは自費による帰国を強いられています。

日本政府は、欧州において感染拡大が続いていることを受け、シェンゲン協定加盟国を始めとする38カ国を対象とした帰国後14日間の自宅、ホテル待機、公共交通機関を利用しないことを要請しており、地方出身の学生からは、どうやって帰ればいいのか、ホテルで14日間も自費で泊まるお金はないという声も上がっています。

これに対し、文部科学省は、19日にウエブサイトにて、留学の一時中断措置を認めることは発表しましたが、奨学金の継続は認めておらず、自費による現地滞在若しくは自費による帰国、14日間の宿泊費負担を強いられる現状は変わっていません。

海外でも同様に帰国者を二週間隔離していますが、滞在施設を国が用意し、移動方法も用意しています。

日本人の留学奨励は、そもそも、トビタテ!JAPANなど国策でやってきました。日本人留学生の自己責任と放置せず、奨学金の継続若しくは二週間の滞在先を用意するなど、国として、大臣、これは一刻も早く対応すべきです。

早急に対応いただけますか。

 

○萩生田国務大臣

海外に留学する日本人学生に給付する日本学生支援機構の奨学金においては、これまで、派遣学生の身の安全や健康を守る観点から、速やかな帰国を促すため、留学中に感染症危険情報レベルが2以上となった場合、奨学金の支給を停止することとしております。

一方で、学生から御指摘のような声が上がっていることも承知をしておりまして、このため、現在、文部科学省において、日本学生支援機構とともに本取扱いの変更も含めた柔軟な取扱いの検討を開始しており、昨日、その旨を文部科学省のホームページでお知らせしたところです。

大至急詳細を詰めて、決定次第改めてホームページ等を通じて学生の皆さんに周知しますが、奨学金支給の取扱いについて不明な点があれば、所属大学や奨学金を支給している学生支援機構、文部科学省に御相談をいただきたいというふうに思っております。

御指摘のように、帰国後14日間自宅待機等が要請されている国、地域からの帰国者の支援について、必要だと思います。

突然帰ってきて、自分でホテルを見つけて14日出るななんということを収入のない学生さんができるわけないわけでありますから、現実問題としてサポートしていかなきゃいけないと思っていますので、こちらの対応も急いでまいりたいと思います。

 

○城井委員

この問題は、人によっては、いわゆる自己負担の問題ではないかと矮小化する向きもあるんですが、一番は邦人保護、そして感染拡大を防ぐための防疫上の問題だと思っています。

大臣、ぜひ早急にお願いしたいと思います。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区