建設業の担い手確保のため、週休2日を推進して、適切な労務費を確保するべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2024年6月11日参議院国土交通委員会
○田村智子君
日本共産党の田村智子です。
週休2日制を公共工事から推進するということは、民間への波及効果も見込まれて、大変重要なことだと思います。
しかし、建設業の現場では、いわゆる日給月給賃金制度が多いため、休日が増えることで収入が減ってしまうという実態があります。
公共事業の建設現場で土日祝日、現場が閉まって休みになると、民間の現場で仕事をして収入が減らないようにしているというお話もお聞きします。
そこで、本法案では、賃上げをしっかり行って、建設業者が週2日休んでも安心して暮らせる、そういう仕組みづくりのためにどういう施策を取るのか、お願いいたします。
○衆議院議員(城井崇君)
お答え申し上げます。
建設業の担い手確保のためには、週休2日を推進して、他産業より長い労働時間を是正することは急務ですが、御指摘のとおり、実際に日給月給の方から心配の声が届いておりまして、できるだけ収入を減らさない努力も必要であると認識をいたしております。
このため、建設業における処遇改善を推進するよう、今回の改正においては、公共工事の受注者が能力に応じた処遇の確保などに取り組むこととした上で、国が公共工事の契約締結状況や給与支払の実態を把握し、必要な施策を講じるよう規定を整備しております。
また、政府においては、近年の賃上げ傾向を適切に反映した公共工事設計労務単価の設定や官民での賃上げ目標の設定に取り組んでいるほか、適切な労務費の確保に向け建設業の改正案を提出し、先般、参議院において可決、成立したものと承知しております。
このように、他の法令とも相まって建設業における処遇確保を推進し、将来にわたっての公共工事の品質確保や持続可能な建設業の実現を期するところです。
○田村智子君
ちょっと条文上で確認をしたいんですけれども、7条1項1号、確保されるための適正な利潤を確保する、そのためにも、7条1項3号、その他の特別な事情ということは書かれているんですけれども、これ、休日の増加による労務単価を上げていくという必要性、これは含まれるというふうに考えてよろしいでしょうか。
○衆議院議員(城井崇君)
建設業における週休2日の推進に当たっては、その確保に当たって必要となる費用が適切に請負代金に計上されることが重要です。
このため、今回の改正におきましては、今ほど触れていただきました品確法第7条第1項第3号に週休2日の推進を念頭に置いた特別な事情を加える改正を行い、国土交通省等が行っている週休2日補正係数について特別な積算の方法として読み込めるようにすることとしております。
このように、様々手だてを講じながら建設業の担い手確保に向け週休2日の推進に引き続きしっかり取り組むよう政府に求めてまいりたいと考えております。
○田村智子君
次に、発注者の責務としてのスライド条項についてお聞きします。
本法案では、資材価格などの高騰が契約金額に適切に反映されるよう、発注者の責務として物価スライド条項を設定、運用させるための規定が新設されます。
これも7条1項13号にありますね。
契約時点で総額契約となるために、資材価格が高騰すると建設業者がかぶらざるを得ないという実態がありますが、本法案の物価スライド条項ではこの実態がどのように是正されることになるんでしょうか。
○衆議院議員(城井崇君)
お答え申し上げます。
資材価格高騰に対する価格転嫁が適切に行われることは、労務費へのしわ寄せを防止する観点からも重要です。
価格変動時における契約変更は、公共工事においては、契約のひな形である公共工事標準請負契約約款の契約変更の規定、いわゆるスライド条項により行われることとなります。
このスライド条項は、発注者において運用基準が設定され適切に運用されることで機能するものですが、市区町村においてはスライド条項の運用基準が未策定の団体が約6割に上るなど、価格転嫁のための環境整備が十分ではない状況が明らかとなっております。
このため、今回の改正においては、契約書におけるスライド条項の確実な設定とその運用基準の策定、そしてそれらに基づく契約変更の実施を発注者の責務として位置付けることといたしました。
また、品確法に加えて入契法においても発注体制の強化のための改正を盛り込んでおり、それと相まって発注者による取組を改善し、公共工事における適切な価格転嫁の取組の推進を期するところです。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)