市街化調整区域、用途地域を含む空家等活用促進区域の指定に関する質問主意書 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
令和五年六月十四日提出
質問第一〇六号
市街化調整区域、用途地域を含む空家等活用促進区域の指定に関する質問主意書
衆議院議員 城井 崇
市街化調整区域、用途地域を含む空家等活用促進区域の指定に関する質問主意書
市街化調整区域、用途地域を含む空家等活用促進区域の指定に関して、以下質問する。
一 改正後の空家等対策の推進に関する特別措置法第七条において、市街化調整区域、用途地域を含む空家等活用促進区域の指定について定められている。都市計画法で定める市街化調整区域は、開発が抑制される地域であり、乱開発や都市の急速な発展により市街化が無秩序・無計画に広がっていくこと、地域のスプロール化を防ぎ、空家が発生することを防止することにもつながる。この市街化調整区域を空家等活用促進区域に指定することは、市街化調整区域における開発を認めることになり、市街化調整区域の考え方に矛盾するのではないかとの意見がある。また、都市計画法で定める用途地域も、その地域にふさわしくない用途の建築物の建築を原則として禁止することで、生活環境の悪化を防ぐために必要な制度であり、この用途地域を緩和することは用途地域の趣旨に反するのではないかとの意見がある。市街化調整区域や用途地域を、空家等活用促進区域に指定して緩和措置を行うことは、緩和する必要性が低い土地や建物についても規制を緩和することになり、市街地が無秩序、無計画に広がっていくこと、新たな空き家が発生すること、生活環境が悪化することにつながるのではないかとの意見に対して、政府は十分に配慮する必要がある。政府の認識を明らかにされたい。
二 市街化調整区域や用途地域を、空家等活用促進区域に指定して緩和措置を行うことは、事前に空き家対策を検討してきた社会資本整備審議会住宅宅地分科会空き家対策小委員会で十分な議論が行われなかったにもかかわらず、法案策定段階で加えられたとの指摘がある。社会資本整備審議会住宅宅地分科会空き家対策小委員会において、どのような議論が行われ、取りまとめられたのか。政府の認識を明らかにされたい。
右質問する。
令和五年六月二十三日受領
答弁第一〇六号
内閣衆質二一一第一〇六号
令和五年六月二十三日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 細田博之 殿
衆議院議員城井崇君提出市街化調整区域、用途地域を含む空家等活用促進区域の指定に関する質問に対する答弁書
一について
政府としては、御指摘のような意見があることも参考にしながら、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和五年法律第五十号)による改正後の空家等対策の推進に関する特別措置法(平成二十六年法律第百二十七号)の運用に当たっては、地方公共団体等の関係者に対して丁寧な説明に努めてまいりたい。
なお、同法第七条第八項及び第九項においては、市町村が市街化調整区域の区域を含む空家等活用促進区域を定める場合や空家等活用促進指針に用途特例適用要件等に関する事項を記載する場合には、都道府県知事又は特定行政庁との協議をすることとするなど、慎重な手続が定められているところであり、空家等活用促進区域について同法第四章に規定する空家等の活用に係る措置を講ずることは、御指摘のように「市街地が無秩序、無計画に広がっていくこと、新たな空き家が発生すること、生活環境が悪化することにつながる」ものではないと考えている。
二について
御指摘の「社会資本整備審議会住宅宅地分科会空き家対策小委員会」においては、空き家対策の在り方について、地方公共団体のニーズを踏まえつつ検討が行われたところであり、御指摘の「市街化調整区域や用途地域を、空家等活用促進区域に指定して緩和措置を行うこと」については、地方公共団体における実務上のニーズがあることを踏まえ、初回の同小委員会において、事務局である国土交通省住宅局が、空き家問題への制度的対応を求める地方公共団体の意見を説明する中で、「ネックとなる規制の緩和」という形で示され、当該説明等に基づくその後の審議の内容を踏まえ、昨年十二月に開催された同小委員会において検討された取りまとめの方向性の案と、本年二月に公表した最終的な取りまとめにおいて、御指摘の点を含む「規制の合理化など」が、空き家の流通・活用を促進するための具体的な取組として盛り込まれたものである。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)