文章や画像、動画等の出力結果、AI生成物の著作権は誰にあるのか、「創作意図」「創作的寄与」とは何か 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2023年5月19日衆議院文部科学委員会

○城井委員

立憲民主党の城井崇です。

質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

永岡文部科学大臣、よろしくお願いいたしたいと思います。

まず、生成AI、出力結果、いわゆるAI生成物とも国会答弁でもありますが、これらの権利者について伺いたいと思います。

まず、出力結果の著作権について伺います。

文章や画像、動画等の出力結果、AI生成物の著作権は誰にありますかという問いであります。

令和5年4月12日の当委員会での梅谷委員の質疑での政府参考人答弁によりますと、「AIによって自律的に生成されるAI生成物については、現行の著作権法上は著作物と認められないと考えられる、AI生成物を生成する過程での、AI利用者による創作意図があり、かつAI生成物を得るための創作的寄与があれば、利用者がその思想、感情を創作的に表現するための道具としてAIを使用して当該AI生成物を生み出したものといたしまして著作物と認められることは、可能性はあると考えられる」とのことでありました。

大臣、ここで言う創作意図、創作的寄与とは具体的に何を指しますか。

両方があって、著作物として著作権が認められない場合はどのようなことを想定していますか。

大臣から、国としての公式見解を明確にお示しください。

○永岡国務大臣

お答えいたします。

まず、AI生成物の著作権者について御質問がありました。

著作権法では、著作物を、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と定めております。

AIの生成物がこの著作物に該当する場合は、AIを利用し生成物を生み出した者がその著作者となりまして、著作権を共有することとなります。

そしてもう一つ、創作意図と創作寄与についてお話がありました。

答弁で指摘いたしました創作意図とは、先ほどの著作物の定義を踏まえますと、思想又は感情を表現したものを創作する意図のことを示すと思います。

また、創作的寄与については、思想又は感情を創作的に表現するための指示などの入力や必要な処理、出力されましたものの選択などといった一連の行為を指すと思います。

創作意図と創作的寄与があったとしても著作権が認められない場合については、AIの生成物が例えば事実の伝達にすぎない記述である場合などは、これは著作物にはならないと考えますが、最終的には、個別の事案に応じました司法判断となるということでございます。

○城井委員

かなり細かく御答弁いただきまして、ありがとうございました。

ここで出力結果の権利関係を確認していますのは、今、世間でも、活用していきたいという方と、活用する場合に自分たちが作ってきたものの権利が脅かされるのではないかと心配している方々、この両方がおられる。

その両方の声に耳を傾けたときに、じゃ、肝腎の権利関係はどう整理されているのかということがなかなかはっきりしないというお声が多いので、是非大臣の口からはっきり確認をしたいということでの質疑でありますので、お願いしたいと思います。

個別で司法の判断となりますと、そこはグレーゾーンが残るということは是非指摘をしたいというふうに思います。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)