国交省OBの人事介入問題、線引きに似た未公表の人事情報、天下りあっせん支援資料の外部送信、これまで何回送信されたか 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2023年5月24日衆議院国土交通委員会

○城井委員
次に、メールの件を伺います。
未公表の人事情報、我々も線引きというふうに呼んでおりましたが、実際、人事課が作っている線引きとは違うものという説明を一生懸命国土交通省職員が今しています。
なので、線引きに似た未公表の人事情報というふうに呼ぶようにします。
これを、特定できない、誰だか分からない送付先173件に、慣習的に長期にわたって複数回、メールで送っていたということ、このことについて、5月12日の国土交通委員会で私の質問に対し、大臣が事実であると認めておられます。
これは、この人事情報はいわゆる人事異動の一覧だけではありませんでした。
この線引きに似た未公表の人事情報、各部局の職員の前任、後任が分かりますし、いつ退職しそうかも分かる資料でした。
いずれ公開される人事を事前に漏らしただけだと、国土交通省は事態の矮小化に必死であります。
線引き自体は、確かに本来、人事担当者でないと作ることができない。
でも、今回のような線引きに似た未公表の人事情報は、これにしても、国交省5万人の職員のうち、目にできるのはごく一部のキャリアだけであります。
人海戦術で似たものを内部向けに作っているだけで、国交省はいかにも大したことがないように説明していますが、今回、外部送信をされた線引きに似たこの未公表の人事情報は、個人情報の塊である上に、いずれ公表されるものではないという事実は指摘しなきゃいけません。
そんな天下りあっせん支援資料たる線引きに似た未公表の人事情報が、送付先1,058件、そのうち173件が非政府系のアドレスでありました。
この送付先に国土交通省や他の省庁の職員OBが含まれておりましたら国家公務員法の再就職等規制に違反する可能性がある、極めて重大な事案であります。
大臣、この173件、結局、具体的にどこに送っていたか。
昨日段階で国交省から報告がありましたのは、現役職員が143件、国交省OBが25件、送信不能が2件、確認できずが3件、この理解でよろしいか、大臣、お答えください。

○斉藤(鉄)国務大臣
いわゆる線引きが送付された非政府系アドレス173件を確認したところ、判明している内訳は、現役職員143件、国土交通省OB25件、送信不能2件、確認できていないもの3件でした。
また、OBとして特定された25名の退職時の最終官職は、事務次官級はありませんでした。
局長級は6名、部長級以下は19名でございました。

○城井委員
今の局長級6名、部長級19名ですが、それぞれ、国交省所管の企業、団体への再就職の有無、確認いただいたでしょうか。

○斉藤(鉄)国務大臣
済みません、もう一度御質問をお願いします。申し訳ありません。

○城井委員
今お答えいただいた局長級の6名、そして部長級の19名について、国交省所管の企業、団体への再就職があったか、なかったかについては確認をいただいたでしょうか。

○斉藤(鉄)国務大臣
これらの者について、既に公務を離れた民間人であり、個人情報保護の観点から、個人の特定が可能となる情報をお示しすることは困難でございます。

○城井委員
調べたか、調べていないかを確認しています。
もう一回お願いします。

○斉藤(鉄)国務大臣
分かるものについては調べております。

○城井委員
いつまでに報告をいただけますか。

○斉藤(鉄)国務大臣
先ほど申し上げましたように、これらの者については既に公務を離れた民間人でございまして、個人情報保護の観点から、個人の特定が可能となる情報をお示しすることは困難だ、このように考えております。

○城井委員
個人名をおっしゃってくださいと言っているわけではありません。
この局長級6名、そして部長級19名について、その再就職先がもし国交省所管であるならば、今回のように、官僚OBが、その再就職先に対して、民間企業の人事に介入したという件があったから、ほかにそういうことがないですねというのを確認したくて、この質問をしているわけであります。
そのことを確認できるように、この局長級6名と部長級19名でお仕事を終えられた方々の国交省所管の企業、団体への再就職の有無について、是非お示しをいただきたいと思います。
やっていただけますか。

○斉藤(鉄)国務大臣
再就職の先は、いわゆる公務員法上のルールがございまして、届出が義務づけられている、その範囲でしか分かりません。

(発言する者あり)

○木原委員長
不規則発言は慎んでください。

○城井委員
委員長、今のこの局長級6名、部長級19名で仕事を終えられた国交省OBの方々の国交省所管の企業、団体への再就職の有無、最終的に所管企業に行っていたかどうかという確認について、是非、国交省からの資料をお願いしたいと思いますが、理事会でお取り計らいをお願いできますか。

○木原委員長
ただいまの件につきましては、理事会で協議をいたします。

○城井委員
大臣、では、確認できなかった3件、いつまでに当委員会に報告いただけますか。

○斉藤(鉄)国務大臣
今、この3件につきまして、もう毎日こちら側から送って、返信くださいということで努力をしているところでございまして、判明次第、御報告したいと思います。

○城井委員
あなたはどなたですかというメールを送っている、こういう話であります。
委員長、これも併せて当委員会に御報告をいただくように理事会で御協議をお願いいたします。

○木原委員長
理事会で協議いたします。

○城井委員
この件、前回私が質問したときには、大臣は少々なめていたんじゃないかというふうに感じています。
その後、枝野議員から突っ込みを入れられて、国家安全保障上の問題なんだということを言われて、この重大性をかみしめていただいたのではないかというふうに推察をしています。
公的機関の情報管理上、そして国家の安全保障上も極めて問題であります。
放置してはいけない。
しっかり対応いただきたいということをお願いしたいと思います。
さて、この線引きに似た未公表の人事情報の外部送信について、もう一個伺います。
慣習的であったということを大臣から説明がありました。
少々衝撃でした。
これまでに具体的に国交省から公表されたデータ、送っていたというのは今年4月の1件分だけです。
でも、慣習的でしたから、当然、例えば、この一年間で見ると同様の外部送信メール、何回送られていたか。
その宛先のうちOBは延べ何人入っていたか。
そのうち利害関係企業に再就職していた人物が何人いたか。
こうした事実把握は必須であります。
大臣から、これまでの線引きに似た未公表の人事情報の外部送信の詳細、お答えください。

○斉藤(鉄)国務大臣
いわゆる線引きの送付についてですが、線引きは従来から、事務系総合職職員の異動前後における業務の円滑化等を目的として作成されたものであり、事務系総合職職員の異動が行われるタイミングで送付されていたものでございます。
令和4年5月から令和5年4月までの直近一年間においては、小規模な異動も含め、異動がある都度、25回送付されておりました。
線引きについては、担当者が管理しているメールアドレスのリストに従って送付されており、その宛先は直近の令和5年4月時点では1,058件であり、そのうち現時点で判明しているOBのものは25件でございました。
先ほど申し上げた25回それぞれの送付先については、令和5年4月時点のものとおおむね同じでございました。
また、線引き送付先であるOBについては、既に公務を離れた民間人であり、個人情報保護の観点から、再就職先等の個人の特定が可能となる情報をお示しすることは困難でございます。

○城井委員
大臣、これも同じです。
未公表の人事情報が官僚OBに渡っていた、これが天下りのあっせんに使われていなかったかというのを確認するというのが重要、となりますと、この利害関係企業への再就職の有無の確認はやはり必要なんです。
ここはやっていただけますね。

○斉藤(鉄)国務大臣
先ほど来申し上げておりますように、今回この線引きについて、どういうところに送付されたかということについては我々も今調査をしております。
前回の委員会で枝野委員からございました、こういうことで情報が外部に行っているということについてのいろいろな観点からの、安全保障上の観点も含めて大変問題であるという認識も行いまして、これらの削除をすぐに行わせたものでございます。
今、こういう情報がどのような形で送付されていたのか、まだ分からない3件も含めまして、全容の解明に努めたいと思います。

○城井委員
大臣、今回の件、元々の説明ですと、ほかの職員また職員OBを企業等の地位に就かせることを目的として情報を提供したものではなく、これが直ちに再就職等規制違反に当たるものではない、こういう答弁でずっと来られてきました。
ただ、この間、状況は変わりました。
先ほど申し上げたこの線引きに似た未公表の人事情報、慣習的な送付先に残念ながら人事介入した官僚OBの再就職先も含まれていたことが明らかになっています。
その意味では、このメールの一件も含めてということになりますが、やはり今回の人事介入問題について、内閣府の再就職等監視委員会に先ほどの会食と同様に、つまり、元々調べた内部調査と事実とは違ったということでしたから、このことでもって大臣の調査の信頼性を揺るがした、この点も含めてあっせん規制違反か否か、再就職等監視委員会にこの人事介入問題も諮っていただくべきです。
大臣、やりましょう。これは。
監視委員会に申し出てください。

○斉藤(鉄)国務大臣
今回のいわゆる線引きには、退職予定者を含む内示対象者の異動情報が記されておりましたが、これは、再就職をあっせんし得るような地位や権限のない若手職員が、内示を受けた者から直接開示された情報を基に、異動前後における業務の円滑化等を目的として作成したものであり、省内職員を中心に、慣習的に広く共有されてきたものであります。
また、線引きは、氏名、現職、異動先等を記載するとともに、前後任の間を線でつなぎ、人事異動の流れを整理したものに限られ、再就職の検討に一般に必要と考えられる生年月日や経歴などの重要な情報は記載されておりません。
また、作成者は、あっせんを目的としたものではなく、上司から指示を受けたものでもないと明言しております。
以上のことから、今回の異動情報の送付は、あっせん規制違反の要件である営利企業等の地位に就かせることを目的とした情報提供ではないため、再就職等規制違反には当たらないと認識しております。
なお、この点については、裁判官経験を有する弁護士からも同様の見解を得ているところでございます。

○城井委員
大臣、内部の情報共有を問題にしているわけではないというのは何度も申し上げているとおりであります。
問題は、現役職員が未公表の人事情報を提供していた先が外部であり、官僚OBであり、その官僚OBが民間企業に人事介入していたわけであります。
この点でもって調べてもらいましょうよということを申し上げているわけであります。
この点は大したことないんですか。
ほっておいていいんですか。
内閣府の監視委員会にきちんと、この点も含めて情報提供すべきだと考えますが、この点を放置するんですか、大臣。

○斉藤(鉄)国務大臣
国家公務員法におきましては、任命権者は、現役職員や職員OBに再就職等規制違反行為を行った疑いがあると思料するときは、その旨を再就職等監視委員会に報告するものとされております。
いわゆる線引きのOBへの送付は、疑いがあると思料するときには当たらないことから、同委員会に報告すべき状況にはないと考えております。
先日来、今回のこの線引きというのは、まさに、人事課が作ったわけではありません。
若手の有志が、ある意味では異動の円滑化、そして、前任が誰なのか、後任が誰なのか、そういう、そして、いろいろな、異動もしなきゃいけない、また引っ越しもあるかもしれない、そういう者のいわゆる異動の円滑化を目的に作ったものでございます。
また、今回それを山口氏に送ったということも、いわゆる公表の一日前ということでございまして、明らかに再就職等を目的としたものではないということが明確だと私は思います。
したがいまして、任命権者として、この委員会に報告はしないということでございます。

○城井委員
線引きに似た未公表の人事情報の資料を作った若手職員を責めるわけじゃないんです。
その情報が外部の官僚OBに渡っていたことを問題にしているんです。
問題をすり替えてもらっては困ります。
外部に送信して。官僚OBに渡って、その人が人事介入していたわけです。
ここがどうかということを申し上げているんです。
ここについては目をつぶるんですね。
大臣、放置するんですね。

○斉藤(鉄)国務大臣
先ほど来申し上げておりますように、今回、この線引き、例えば、再就職の検討に一般に必要と考えられる生年月日でありますとか経歴とか入省年月とか、そういう情報は記されていない、ただ前任、後任を線で結んだというものでございます。
この監視委員会に報告するには、ある意味で、これは黒だというふうにかなり確信が持てる、そういう場合、思料するときに報告することになっております。
そういうことで、今回、この法律に基づく報告はしないということでございます。

○城井委員
じゃ、大臣、この線引きに似た未公表の人事情報、与野党の国会議員、我々に毎回送ってくださいますか。
そういう質の、外部に出せるような情報じゃないでしょう。
本来、お仲間だった官僚OBだったらいいんですか。
民間人だからということで、人事介入問題の当初、一生懸命お守りになられました。
でも、このメールの話は、いや、元々仲間だったのでメールアドレスをそのままにしていましたと言われる。
こんな状況ですよ。
このダブルスタンダード、おかしいんじゃないんですか。
これは正すべきです。
どう正しますか、大臣。

○斉藤(鉄)国務大臣
まさにそのとおりだと思います。
正すべきだと思います。
私は、すぐ、このことにつきましてしっかりと、これからこういうことのないように、一日前とはいえ、未公表の人事情報が外部に漏れること自体、大変大きな問題だと思っております。
そういうことについては是正をしっかり指示したところでございます。

○城井委員
しっかりやっていただきたいので、具体的な提起を繰り返し繰り返し申し上げています。
先ほどの内閣府の再就職等監視委員会への情報提供及び調査の申出もそうですし、もう一つは、当初から申し上げているように、客観的な調査をやりましょうということであります。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)