船舶の新型コロナ感染症対策、コロナの飲み薬を船舶に備え付けるべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2023年4月12日衆議院国土交通委員会

○城井委員

続いて、船舶の抱える課題について幾つか伺いたいと思いますが、通告を一つ飛ばさせてください。

船舶への備付け医薬品について伺います。

令和3年末以降、新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬が特例承認されて、医療機関や薬局において医師の処方箋により購入することが可能となりました。

しかし、現時点では、経口抗ウイルス薬は、船員法施行規則第53条に掲げる、船舶に備え付ける医薬品そのほかの衛生用品の数量を定める国土交通省の告示に記載されていないことから、船内に備え付けることができない状況だと海事関係者から聞きました。

新型インフルエンザが流行したときには、船内で新型インフルエンザを発症した船員に対する対応を検討するため、医師及び薬剤師並びに労使の代表者から成る衛生用品表検討委員会が設置され、最終取りまとめでは、医師が乗り込んでいない船舶においてインフルエンザ様症状の船員がいる場合には、無線診療による医師の診断に基づき、必要に応じて抗インフルエンザウイルス剤を船内に備え置かなければならないとすることが適当と報告をされました。

この報告を受けて、船員法の規定により、医師又は衛生管理者を乗り込ませなければならない船舶に適用される甲種衛生用品表及び乙種衛生用品表に抗インフルエンザウイルス剤を追加する、衛生用品表告示の一部改正が行われることとなりました。

船員の就労状況を踏まえて、船内において新型コロナウイルス感染症を発症した船員への対応を検討するため、この衛生用品表検討委員会を設置して、可及的速やかに、経口抗ウイルス薬、いわゆるコロナの飲み薬でありますが、これを船内に備え付けるよう、国土交通省として対処すべきと考えますが、大臣、やっていただけますでしょうか。

○斉藤(鉄)国務大臣

新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬については、現在、3つの薬が承認されているところであり、いずれも医師の処方が必要な薬となっております。

これらの薬の船内への備付けについては、抗インフルエンザウイルス剤の船内への備付けの義務づけは承認から約10年が経過した段階であったのに対し、新型コロナの経口抗ウイルス薬は、緊急承認等が行われて日が浅いこと、抗インフルエンザウイルス剤に比べて、個々の船員の既往症に応じてふだん服用している薬との併用が禁止されているケースが非常に多く、かつ複雑であることなどの課題があり、船内で急に副作用が起きた場合の対応も困難であるため、医学的な観点から慎重な検討が必要と考えております。

いずれにいたしましても、船内に備え付ける医薬品等の見直しについては、今年度検討会を設置する予定でございまして、御指摘の薬の取扱いについてもその中で議論したいと考えております。

○城井委員

陸上においても海上においても命は守られなければならないというふうに考えます。

検討の場を設置いただけるということでありました。

事は命と健康に関わりますので、迅速な対応を是非お願いしたいと思います。

よろしくお願いいたします。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)