元国交事務次官による民間企業人事介入問題、客観的な全省調査をすべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2023年4月12日衆議院国土交通委員会
○城井委員
立憲民主党の城井崇です。
今回も、斉藤国土交通大臣、よろしくお願いいたしたいと思います。
まず、法案への質疑に入ります前に、元国土交通事務次官の民間企業の人事への介入問題について、国土交通省による全省を対象とした調査の実施をするべきだとの観点から伺います。
三月三十日の朝日新聞で、国交省元次官、OBを社長に要求、空港関連会社の人事に介入かとの報道がありました。
国土交通省は、所管する交通分野の企業で代表取締役社長を務める者が、国土交通省が所管する航空分野の企業の人事に関して発言したことを本人も認めました。
報道はいわゆる氷山の一角で、国土交通省が所管する分野の民間企業に対して職員OBが常態的に介入している可能性があり、国土交通省による点検と調査は必須であると考えます。
平成二十九年に文部科学省で職員の再就職が問題となりました。
このときに、文部科学省は、全職員と退職した職員を対象とした調査を実施して調査報告書を公表しました。
国土交通省は、職員OBが再就職先あっせんや民間企業の人事等へ介入したり、職員による職員OBに対する再就職などを目的とした情報提供が行われたり、職員OBによる職員に対する再就職などを目的とした要求や依頼が行われていないかなど、個別、組織的にかかわらず、関与、介入の有無を明確にするため、全職員や職員OBを対象とした客観的な調査を実施し、公表するべきと考えます。
国土交通大臣の見解をお示しください。
○斉藤(鉄)国務大臣
国土交通省OBについては、国家公務員法に基づく再就職に係るあっせん規制の対象となる現役の職員ではなく、一般論としては、こういった法規制の対象に当たらないOBの行動について、国土交通省としては調査する立場になく、またその権限も有しないものと考えております。
また、関係する部門の幹部職員に対して確認を行いましたが、現役職員による空港施設株式会社への再就職のあっせん、OBから国土交通省に対する働きかけのいずれについても確認されませんでした。加えて、本件の報道のような事例については、他に承知しておりません。
したがいまして、全職員や職員OBを対象として調査を行う予定はありません。
なお、平成二十九年の文部科学省の事案は、再就職等監視委員会による調査の結果、同省において再就職等規制違反があったとの認定がなされたこと等を受けて、同省において第三者を交えた調査が行われたものと承知しております。
○城井委員
大臣、それはちょっと甘いと思います。
まず、一般論としてOBは対象外ということですが、先ほどのお話のとおり、文部科学省では退職した職員も対象として最終的には調べたわけです。
では、現役職員の調査はどうだったか。
本件だけに仮に限ったとしても、国土交通省自体がやるということは、いわゆる客観性、第三者性、他から見たときにも、それはそうだねというふうにきちんと認めていただける、そんな調査内容になっているかといったときに、国交省だけ調べたということでしたら、これはお手盛りと言われてもしようがない、こういう状況だというふうに考えますよ。
もう一回聞きます。
現役職員への調査もさることながら、OB職員に対しても、客観的で第三者から見ても間違いがない、第三者性を確保した調査、やるべきだと考えますが、いかがですか。
○斉藤(鉄)国務大臣
先ほど申し上げましたように、今回の調査は、OBの発言が、現役職員の、また国土交通省が関与しているかの誤解を与えかねない、そういう発言である、こういう報道を受けまして、我々は調査したわけでございます。
その調査の結果、誤解を招きかねない発言であった、これは大変遺憾なことである、このように私も申し上げております。
その上で、今回、その現役職員に対して、我々としては、私の指示を出しまして、関係が可能性がある、そういう現役職員に対してしっかりと調査をした、このような調査をした次第でございます。
OBに対しては、先ほど申し上げましたように、私ども、調査をする、そういう権限はございません。
○城井委員
大臣、私が申し上げたのは、客観的で第三者性を確保した調査ができたかということを聞いているわけです。内部調査をしっかりやったということを聞きたいんじゃないんです。
他から見ても、外部から見ても間違いないかどうかというのを言っているわけです。
まず一つは、本件について。
そしてもう一つは、これが氷山の一角ではないかという疑いを晴らさねばならぬ残念な状況なわけです。
この点を含めて、客観的で第三者性のある調査をきちんとやるべきだと考えますが、大臣、これでもやらないんですか。
○斉藤(鉄)国務大臣
今回、現役職員が関与しているという疑いは全くございません。
先ほど例に挙げられました文科省の例は、明確な現役の関与があるという、国家公務員法違反があった、そのことを受けて調査されたものだと思います。
今回は、明確な関与があるということはどこからも出てきておりませんので、したがいまして、我々は我々できちんとした調査を行わさせていただいたということでございます。
○城井委員
今の大臣がなかったとおっしゃる部分は、残念ながら、当事者である国土交通省が調べた結果でしかないというのが現在の状況です。
客観的な調査、第三者による調査も含めて、外部の目から見ても堪え得る結果でなければ、大臣、それは説得力のある説明にはならないんです。
残念ながら、本当になかったということをまだ我々は確認ができない状況であります。
そこで、委員長、お願いしたいと思います。
やはりこの件、客観的で第三者としての調査なくしては、本件がどうだったか、そして、そのほかに、氷山の一角として、ほかになかったのかどうかというのは、やはりきちんと客観的に調べないとこの懸念は拭えないというふうに考えます。
全職員と、そして職員OBを対象にして、全省調査を行って、本委員会に報告いただくことを求めます。
理事会での取り計らいをお願いします。
○木原委員長
理事会で協議いたします。
○城井委員
よろしくお願いいたします。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)