高速道路料金のあり方、事実上、永久に無料化を放棄した「永久有料化」なのではないか 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2023年3月28日衆議院本会議

○城井崇君

立憲民主党の城井崇です。

立憲民主党・無所属を代表し、ただいま議題となりました道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法律案について質問いたします。

これまで政府は高速道路料金はやがて無料化すると説明してきましたが、今から百年近く先まで有料化し続ける以上、この法案は、事実上、永久に無料化を放棄した永久有料化法案ではないですか。

もし政策転換したのであれば、国民に十分に説明をし、いつかは無料化すると言ってきたことを謝罪すべきではありませんか。

国土交通大臣に伺います。

2005年の道路関係四公団の分割・民営化は、約40兆円の負債を抱えていた旧四公団のこれまでの機能を、道路資産の保有、債務返済を担う独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構と、道路建設、管理、料金徴収を担う株式会社とに分割し、料金徴収期限を2050年と定め、その期間内に債務を確実に返済した後に高速道路の無料化を行うことを国民に約束したものです。

しかし、2014年に、国は、2005年時点では特定できていなかった補修が必要な箇所が新たに判明し、総額4兆円以上が新たに必要になると試算されたことから、政府は料金徴収期限を2065年まで延長しました。

政府は、2005年の民営化後、再三にわたり、新たに発足した独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が定められた期間に債務を完済すると繰り返し答弁してきました。

そして、債務完済をもって料金徴収も終了し、高速道路は無料になると国民に説明をしてきたのです。

また、過去の法改正の際に、国土交通大臣は、今回の更新計画については、建設時に施工を急ぐなど無理をした箇所や古い基準で設計された箇所などに対応するものであり、今回の対応以降、また次々と更新需要が生じるということにはならないと説明していましたが、今回、再度料金徴収期限を延長する必要が生じたとしています。

その理由について、2021年の国土幹線道路部会中間答申では、構造物の定期点検が一巡し、点検技術の向上とともに構造物の想定以上の劣化を確認し、更新事業を追加する必要があると説明されました。

このような考え方では、今後も、点検技術の向上などにより、また施設の補修や更新の必要箇所が明らかになることで、更なる料金徴収期間の延長は避けられないものと考えるほかありません。

まして、今回の改正によって、今後92年間もの長期にわたって料金徴収期間が続くことになれば、2005年の道路関係四公団民営化によって約束された債務の確実な返済と高速道路の無料化を現世代の国民が事実上享受できないことが明白です。

そして、2014年改正時に先送りされた高速道路の整備政策、料金政策をどうしていくべきかという政策の根本に関わる問題が今回も先送りされることで、次の世代が同様の問題に直面すると認めることになります。

2021年の中間答申では、「料金徴収の期限は、償還期間に合わせて設定されており、償還期間の見直しにより度々先送りされてきたため、将来、高速道路は無料になるという説明に対する不信感が高まっている。」とも記しています。

そもそも、現行の料金制度において想定した料金徴収期間内での償還が果たせないことに対し、その責任の所在はどこにあるとお考えですか。

また、どのように責任を明確化されますか。

国土交通大臣の見解を伺います。

また、高速道路の料金徴収の在り方に踏み込んだこれまでの経緯に関する開かれた検証がなければ、本法律案の改正について、国民への説明責任は到底果たせません。

利用者たる国民の理解を得るため、高速道路の料金徴収の在り方に関し、これまでの検証状況と今後の検証方針を具体的に御説明ください。

2005年の民営化及び2014年の延長時においては、その時点において必要な事業額を確保するために必要な期間だけを措置するという考え方に立っていました。

一方、本法律案では、更新事業に加え、高速道路の進化などのための事業も対象となるとした上で、従来の延長の仕組みを変え、更新、進化のための事業を、見通しが明らかになった段階でその都度追加できることとし、事業の追加に当たっては、債務返済期間を50年以内に設定し、最長で2115年までに債務を返済しなければならないとしています。

料金徴収期間について、その時点での事業の必要額を確保するために必要な期間だけを延長する仕組みから、追加事業が発生するごとに延長する仕組みに変えなければならない理由について、国土交通大臣に伺います。

また、前回法改正時にも繰り返された議論ですが、延長の必要性について、当時見込まれていなかった構造物の更新、修繕等を新たに計画的に進める必要が生じたと政府は説明しますが、そもそも、事業の実施は、具体的に見通すことができるデータに基づいた正確な計画があって初めてできるものです。

大規模更新、修繕等の計画と償還計画とがいつまでたっても整合することがない根本的な理由について、御認識を伺います。

2115年までとされる料金徴収期限内に更新事業を実施した箇所の再度の更新事業の実施は想定されますか。

また、料金徴収期間の延長により、利用者からの料金徴収による安定的な財源が確保できることで、民営化前に批判があった採算に合わない事業が高速道路の進化のための事業だとして追加されるおそれはありませんか。

高速道路の進化のための事業を含め、料金徴収期間中に新たに追加される事業計画の事業数と必要金額を具体的にどのくらいと想定していますか。

加えて、それらの内容とその必要性、合理性は誰がどのように判断し、検証することになるか、お答えください。

事業追加に際し、費用対効果の基準を具体的に設けるか、お答え願います。

更新事業等の追加に際して、従前から行ってきた法改正が不要となることで、国会での審議が行われなくなり、追加の必要性や高速道路の整備に係る費用負担の在り方などについて議論される機会が減ることになります。

それにより、追加される事業の適切性などについて外部のチェックがないまま事業費が増大していく懸念がありますが、国会の関与がなく料金徴収期限を大幅に延長することの妥当性について御説明をください。

そもそも、1972年に料金プール制が導入されたとき、償還期間は約30年でありました。

それが、1995年に40年となり、1999年には45年、そして、道路建設に国民の批判が集まった2001年に50年を上限に短縮を目指すとされ、2005年の民営化の際に45年、再び2014年に51年と定められました。

そのたびに、当時の国土交通大臣から先送りはもう認めないと答弁があっては、それらがほごにされ続けてきたのです。

このように国民に対し不誠実な状況をいつまでに解消しますか、御答弁願います。

料金徴収期限の延長に当たり、今後の高速道路に関する需要をどのように見込んでいますか。

例えば、政府による少子化対策や経済対策などが影響する人口減少やGDPはどのような前提としていますか。

今後の需要見込みとその前提について、具体的に答弁願います。

現行の償還制度は、多額の費用を要する道路の建設等を借入金により調達し、道路の利用者から通行料金を徴収することにより債務を返済し終えるというものですが、高速道路が高度経済成長期の建設、整備の時代から維持管理、更新の時代へと転換したことを受け、維持更新等のライフサイクルコストの算定や見通しを検証し、料金徴収の在り方を見直すというのがあるべきプロセスであります。

本法律案において示される債務返済の見通しが説得力あるものでなければ、本法律案において示される措置は、裏づけとなる基本的な事実や根拠が曖昧だったとしても可能であるとの仕組みを是認することとなり、国民に対して極めて不誠実であるばかりか、次の世代に禍根を残します。

国土交通省からは首都高速についての2116年度期首までの債務返済イメージの試算を示していただきましたが、例えば、2074年度から2115度までの41年間は新たな更新工事費がゼロ、すなわち計上されていません。

41年間も新たな更新工事をやらないという非現実的な前提での債務返済見通しではないかとの懸念が拭えません。

借金返済が終了する2115年は、あのドラえもんが生まれたとされる2112年の3年後という22世紀の未来であり、現在予想できる交通システムとは全く違う未来であるという可能性もあり得ます。

このような将来への負担の先送りが認められるのでしょうか。

債務返済の説得力ある見通し、推計を国土交通大臣よりお示しください。

その際、2005年の民営化時点、2014年改正時点と、それぞれ、更新、修繕などの費用の推計の条件がどのように変わっているか、具体的にお答えください。

2020年9月の国土幹線道路部会の中間取りまとめにおいては、将来的に必要となる維持管理等について、「特に、高速道路は一般道路と比べて高いサービス水準を有することを踏まえ、償還満了後も料金を永続的に徴収することも含め、必要な財源を確保するための措置を検討し、具体化する必要がある。」とされました。

財源の確保に関し、現行法においては、株式会社化された高速道路会社は、サービスエリアやパーキングエリアについて、店舗の多様化や施設充実などを通じ、サービスを向上させてきました。

他方で、償還主義においては、高速道路の維持、修繕そのほか管理に要する費用は政令で定めるものとし、料金の設定に当たっては利潤を含めないものとされています。

高速道路会社は株式会社化こそされているものの、依然厳しい利潤制約が課されていることに対して、政府はこれまで償還主義の下での債務返済についてどのような役割を果たしてきたと考えるのか、国土交通大臣の見解を伺います。

また、民営化の趣旨にのっとるとすれば、高速道路各社が料金体系をより柔軟に差別化しつつ設定できるようにし、サービス向上を図りつつ、利用者の利便性向上に資する料金制度や料金水準設定を行っていく制度の在り方について、見解を伺います。

高速道路を永久有料化した場合の課題については、具体的にどのような検討を行っているか、今後の検討の見通しやめどについても併せてお答えください。

本法律案は、結局は更新や進化の名の下に料金徴収が今後も永続することを示していると言えます。

政府は、適切かつ計画的な高速道路の補修建設の在り方、財政健全化の視点や維持更新財源の捻出と両立する高速道路料金制度、整備制度の在り方について、この間、解決策を示せませんでした。

果たされない国民との約束を放置し、これ以上先送りを続けることは許されません。

道路は、全ての人が利用できるように広く公開されているという意味において公共財であり、その供給に関する意思決定は公共によってなされるものです。

したがって、この国会での十分な議論と意思決定及び国会における行政監視がしっかりと担保されなければなりません。

料金徴収期限の延長等に関する国会の関与の在り方について、改めて国土交通大臣の見解を伺います。

結びに、高速道路整備制度、料金制度の抜本的な見直しに早急に取り組み、一刻も早く国民への説明責任を果たすべきと申し上げ、私の質問を終わります。

○国務大臣(斉藤鉄夫君)

城井崇議員の御質問にお答えいたします。

まず、今般の改正法案が永久有料への政策転換なのか、また、そのことに対しての国民への説明についてお尋ねがございました。

今般の改正法案は、笹子トンネル天井板崩落事故を受け、平成26年から開始した詳細な点検などにより新たに更新が必要な箇所が判明したことなどを受け、料金徴収期限を延長するものです。

また、従来の仕組みと同様に、債務完済後は無料公開する仕組みとなっております。

法案の提出に当たっては、高速道路会社において更新需要を公表するとともに、国土交通省において有識者委員会を通じて制度に関する議論を進め、その結果も公表してきております。

引き続き、国民の皆様に対して丁寧に説明し、御理解を得られるよう取り組んでまいります。

次に、現行の料金徴収期限内で債務償還ができないことに対する責任の所在や明確化についてお尋ねがありました。

高速道路の債務償還については、関係法令に基づき、国、高速道路機構、高速道路会社が、それぞれの役割に応じてその責任を果たしております。

今般、平成26年から開始した詳細な点検により新たに更新が必要な箇所が判明したことを受け、料金徴収期限を延長することとしております。

この新たに判明した更新需要について、平成26年当時の老朽化などに関する知見においては見通すことは困難であった、このように認識しております。

次に、料金徴収に関するこれまでの検証状況と今後の検証方針についてお尋ねがありました。

高速道路の料金の在り方については、これまでも、国土幹線道路部会などの有識者委員会において、主に維持管理や更新などの負担の在り方について検証、評価しています。

また、民営化後10年を節目として、新たな有識者委員会を立ち上げ、高速道路機構、高速道路会社における業務について点検を実施しております。

引き続き、有識者委員会などを通じて、料金による負担の在り方について、開かれた議論を進めてまいります。

次に、追加事業ごとに料金徴収期間を延長する仕組みに変更した理由についてお尋ねがありました。

前回、法改正を行った平成26年の時点では、当時の老朽化などに関する知見に基づき法改正を行っており、更なる更新箇所が次々と発生することを確実に予見できていない状況でした。

その後、新たに更新が必要となる箇所が明らかになるとともに、新たに更新が必要と判明した箇所と同様の構造、基準となっている箇所については、更新が必要となる蓋然性が高いと考えています。

このため、今般の改正法案は、今後明らかになると想定される更新需要などに応じ、逐次、料金徴収期間を延長する制度とし、確実に更新需要などに対応できる仕組みとしたところでございます。

次に、更新計画と償還計画が整合しない根本的な理由についてお尋ねがありました。

高速道路については、更新などに必要となる費用を料金徴収期間内の料金収入によって賄う償還計画を作成することとしています。

将来にわたって個別の更新事業などを正確に見通すことは困難であるため、更新事業などの見通しは、最新の点検結果や老朽化などの知見に基づき、随時修正するものと認識しております。

このため、最新の知見に基づき更新事業などの見通しが修正された場合、それまでの償還計画と整合しないこともあり得ることから、その場合には計画の見直しが必要となると考えております。

次に、更新事業を実施した箇所の再度の更新事業の実施可能性についてお尋ねがありました。

更新事業については、構造物を取り替える、全体を取り替える方法や、既存の構造物を全体的に修繕する方法などがあります。

現在の橋梁設計基準では、橋梁が性能を発揮することを期待する期間を100年としており、これに基づき構造物を取り替えることで長期の健全性が確保されると認識しています。

一方、既存の構造物を全体的に修繕した箇所においては、取り替えた箇所と比べて、健全性が確保される期間が短くなると想定されます。

構造物の正確な劣化予測は困難であるため、今後、再度更新が必要となる時期は分かりませんが、再度の更新事業の実施が必要となる可能性は否定できないと認識しております。

次に、料金徴収期間の延長により新たに追加される事業の具体的な内容についてお尋ねがありました。

民営化後、高速道路会社の経営判断の下、国土交通省においても客観的な評価などを行いつつ事業を追加しており、今後とも、全体の採算を確保しながら、必要性などに応じて事業を進めていくものと認識しております。

また、2115年までの料金徴収期間において追加される事業規模として、例えば首都高速を挙げますと、首都高速においては、今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所も含めて、延長約120キロメートル、事業費約1.3兆円の更新事業を想定しております。

なお、いわゆる四車線化などの進化事業については、更新事業を優先した上で、各事業の必要性や緊急性などに応じて、50年の債務返済期間の範囲で事業の追加を検討するものと考えております。

次に、進化事業を含め、新たな事業を追加する際の判断主体などについてお尋ねがありました。

新たな事業の追加に当たっては、各事業の必要性や緊急性などに応じて検討いたします。

進化事業についても、必要性の高い事業を優先して進める観点から、透明なプロセスの下、客観的な評価などを実施することが必要だと考えています。

例えば、高速道路会社の申請に基づき国土交通省が四車線化事業の追加を許可する際には、時間信頼性の確保、事故防止、リダンダンシーなどの観点を踏まえ、客観的な指標を基に、有識者委員会で必要性を御審議いただくこととしております。

次に、事業を追加する際の費用対効果の基準についてお尋ねがありました。

これまで、道路ネットワークの整備に当たっては、費用対効果の算出を含む事業評価を実施した上で事業に着手しています。

一方、時間短縮効果など費用対効果による適切な評価が難しい事業は、事故防止やリダンダンシーの確保などの効果を客観的指標により確認し、事業に着手しています。

これまで高速道路においても同様の考え方に基づく評価などを実施してきており、引き続き、同様の方法により、適切に評価などを実施してまいります。

次に、国会の関与がなく料金徴収期間を延長する妥当性についてお尋ねがありました。

今般の改正法案は、現在の知見で今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所も含めて、料金徴収期限を設定した上で、詳細な点検などによって明らかになった具体の更新需要などに応じ、債務返済期間を50年以内とする規定の下、逐次、料金徴収期間を延長し、必要な更新事業などを実施するものでございます。

これまでも、更新事業などを追加する際には、その内容を有識者委員会で御審議いただくとともに、事業許可の情報を高速道路会社のホームページで公表するなどの取組を行っています。

今後も、料金徴収期間を延長する際には、これまでと同様に、客観性や透明性を確保しつつ、追加される事業の内容が適切なものかどうか確認してまいります。

次に、これまでの料金徴収期限の延長に関する国民への説明の状況についてお尋ねがありました。

新たに更新が必要と判明した箇所と同じ構造、基準の箇所については、時間の経過とともに劣化が進行し、今後更新が必要となる蓋然性が高いと考えています。

このため、今般の改正法案は、新たに更新が必要と判明した箇所だけではなく、今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所の更新財源も確保するものでございます。

国民の皆様に対しては、今般の改正法案は、国民の財産である高速道路の機能を将来にわたって確保するため、道路構造物の抜本的な性能回復を図る更新事業を推進することなどが目的であることを含め、丁寧に説明し、御理解が得られるよう取り組んでまいります。

次に、高速道路の需要見込みとその前提についてお尋ねがありました。

高速道路の将来交通量は、GDPと人口の最新の将来推計を基に令和42年度までの交通需要を算出し、それ以降はそのトレンドで需要が減少すると仮定して推計しています。

GDPは、内閣府の平成29年度推計による変化額を令和22年度まで加算し、それ以降は一定値とし、人口は、国立社会保障・人口問題研究所の中位推計を採用しております。

その結果として、高速道路の交通量は将来的に減少するものと見込んでおります。

次に、債務償還の見通しなどについてお尋ねがありました。

今般の改正法案については、新たに更新が必要となった箇所に加え、現時点の知見で今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所に必要な更新財源も確保するものです。

試算においては、着手時期が定まっていない蓋然性の高い箇所の更新事業について、今後、知見の蓄積や新技術の活用などが期待されるものの、債務の償還において厳しい条件として、安全側の厳しい条件を取って、2074年度までに実施すると仮定したものでございます。

工事を早くやるということ、それで41年間が、先ほど御疑問になったような形になっているわけです。

ですから、安全側に計算しているという話です。

このため、現時点において、債務の償還に関する試算として適切なものであると考えております。

次に、更新、修繕などの費用の推計条件についてお尋ねがありました。

平成17年の民営化時には、修繕などは費用に見込んでいたものの、更新が必要な具体の箇所などが明らかになっていなかったため、更新は費用に見込んでいませんでした。

また、平成26年の法改正の際には、建設後50年が経過し、更新が必要な具体の箇所が顕在化したことを踏まえ、その時点で判明した箇所の費用を反映することとしました。

今回は、その後の点検などの結果、新たに更新が必要と判明した箇所に加え、今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所も含めた試算に基づき、制度を見直すこととしております。

次に、利潤制約のある高速道路会社が債務返済に果たしてきた役割に対する政府の考えについてお尋ねがありました。

高速道路の料金については、利潤を含めず、整備に伴う債務の返済や維持管理に要する費用などを償うものと規定されています。

この規定に基づき運営してきた結果、民営化時には37.4兆円あった有利子負債は、令和3年度末時点で26.3兆円と着実に減少しており、民営化の目的であった有利子債務の確実な返

済につながっています。

仮に、利潤を含んだ場合、料金徴収期間が変わらないとすれば、確実に債務を償還するためには、利潤に相当する料金の引上げが必要となると想定されます。

次に、料金制度の在り方についてお尋ねがありました。

高速道路の料金の設定については、高速道路会社の自主性を最大限尊重するため、申請方式を採用しています。

そのため、例えば高速道路会社が観光周遊パスなどの様々な商品を販売するなど、多様な料金設定が行われているところです。

一方、利用者の負担が公正で、またシンプルで合理的な料金体系とすることも重要であり、引き続き、高速道路会社と連携して、有識者などの御意見も伺いながら、利用しやすい料金となるよう努めてまいります。

次に、永久有料化の検討についてお尋ねがありました。

永久有料化に当たっては、その対象路線や料金水準、また債務の取扱いについて議論が必要であると考えています。

具体的には、将来の交通状況の見通しなどを踏まえた対象路線の設定や、将来の更新需要などを踏まえた債務保有の継続の可否及びその量などについて議論が必要です。

議論に当たっては、道路交通を取り巻く環境の変化などを見据えながら、有識者などの御意見を丁寧に伺う必要があるため、現時点で結論を得る時期を具体的に見通すことは困難ですが、将来の有料道路制度について引き続き議論をしてまいります。

最後に、料金徴収期間延長への国会関与について改めてお尋ねがありました。

今般の改正法案は、現在の知見で今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所も含めて料金徴収期限を設定した上で、詳細な点検などによって明らかになった具体の更新需要などに応じ、債務返済期間を50年以内とする規定の下、逐次、料金徴収期間を延長し、必要な更新事業などを実施するものです。

これまでも、更新事業などを計画に追加する際には、有識者委員会で審議を行うなどの取組を行っており、引き続き、客観性や透明性の確保に努めてまいります。

また、道路交通を取り巻く環境に大きな変化が見込まれるなど、制度の見直しを行う必要がある場合には、改めて国会において御審議をお願いすることになると考えています。

以上でございます。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)