北九州市の国への要望を国土交通大臣に直接質す 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

 

2月20日、予算委員会第8分科会(国土交通省所管)にて質疑に立ちました。

この分科会は省庁ごとに予算審議時に行われるもので、細かい内容や地元案件など日頃の質疑では触れにくい内容を政府に質すことができる機会です。

私はこの機会に地元北九州市からの国への要望を大臣に直接質すようにしていまして、今回は斉藤国土交通大臣に質問させてもらいました。

以下質疑を振り返ります。(ちょっと長いです)

 

今回は以下の項目について大臣に質しました。

○北九州空港の利用促進・活性化について
○北九州港における洋上風力発電関連産業の拠点化について
○北九州港及び関門航路の整備推進について
○旦過地区再整備の推進について

 

滑走路延長を含めた北九州空港の機能拡充・活性化は、北九州空港の物流拠点化に不可欠な機能強化であり、コロナ禍で傷んだ九州・西中国の経済の復活・発展に大きく寄与するものです。

北九州市においても路線誘致や貨物取り扱いの増加、機能強化の取り組みを積極的に進めています。

その結果、北九州空港では、令和3年度には大韓航空による貨物定期便が週3便から4便に増便されました。

海上空港で岸壁を有する北九州空港の特長を生かしたシーアンドエア輸送の実施により、国際貨物取扱量は前年度の約1.4倍となる4年連続過去最高を更新し、約1万9千トンを記録しています。

この北九州空港の三千メートルへの滑走路延長の早期事業化・早期供用実現へ、政府において予算措置等必要な措置を講ずるべきと私から提起し、事業化の日程メドなど今後のスケジュールを含めて、北九州空港の滑走路延伸の早期事業化・早期供用に関する大臣の認識を質しました。

大臣からは環境影響評価の手続き等着実に進めてきている旨の答弁がありました。

事業化の日程めどについては答弁いただけませんでした。

私からは北九州空港の滑走路が短かったために日々拡大している航空貨物需要を取り逃すケースがあったことを過去の国会質疑で私から何度も指摘してきたことにも触れ、早期の事業化の決断、早期の供用を実現いただくよう大臣に強く要望しました。

 

物流拠点機能の向上に向けた国の協力の必要性についても質しました。

現在北九州空港に就航している貨物定期便や生体牛馬チャーター便に加え、令和6年4月からヤマトグループとJALグループ共同による貨物定期便が就航する予定であり、2月20日にはUPS社の貨物機も到着したところです。

既存の二つの貨物機用スポットだけでは不足する状況が生まれます。

昨年12月の私の質問主意書(「北九州空港の物流拠点機能の向上に関する質問主意書」2022年12月6日提出 質問第53号)への答弁では「政府としては、地元関係者の意見等を踏まえつつ、その効果等について十分に検証する必要があると考えている。」とのことですが、すでに現場ニーズが高いこと、地元からの改善要望が強いことが明らかです。

検証のその先、北九州空港の物流拠点機能を向上させるために新たな対応が必要です。更なる貨物取扱量の増大に備え、貨物機の三機同時駐機と荷役対応が可能となる拡充整備をおこなうため、政府において予算措置等の必要な措置を講ずるべきと私から提起しました。

また北九州空港の貨物輸送の動線も同様に航空貨物のニーズの高まりに合わせた改善の必要性を訴えました。

北九州空港は貨物機用エプロンから岸壁までの動線は幅員が狭く、直角の曲がり角が貨物移送時の支障となることから、航空貨物の円滑な積替えを可能とする直線的な輸送経路を整備するため、政府において予算措置等の必要な措置を講ずるべきとの訴えです。

令和5年度にそれぞれ拡充整備を行うようご指示いただくよう大臣に訴えました。

大臣は現場状況と対応の必要性については認識しており、今後の取り組み検討を行う旨を答弁いただきました。

私からは事業者の声として、「24時間運用可能で貨物空港として発展する要素あるのに滑走路が3千メートルないのが不思議だ」「滑走路延長実現で輸送距離が短縮されることで貨物の損傷リスクを低下させ、輸送時間短縮と経費節減にもつながる」「欧米直行便の運用が可能となり荷主として非常にありがたい。九州発着の欧米向け貨物をかなり集荷できる」などを伝え、北九州市や事業者の声に応えての迅速な対応を要請しました。

 

 

 

 

北九州港における洋上風力発電関連産業の拠点化についても聞きました。

洋上風力発電の普及を支える基地港湾及び作業船基地の整備については、発電事業者の洋上ウインドファーム建設に欠かせない施設であることから、引き続き、事業計画に合わせた整備予算を確保する必要があります。

また、風力発電関連企業の進出、更なる風車の大型化及び洋上ウインドファームの大規模化に対応するための基地港湾に隣接する岸壁の機能強化や、浮体式の導入進展に対応する新たな基地港湾の指定など、北九州市の総合拠点の機能拡充に資する支援を行う必要があります。

令和5年度も政府において予算措置等の必要な措置を講ずるようお願いし、着実な取り組みを行う旨大臣が答弁しました。

 

 

北九州港及び関門航路の整備推進についても質問しました。

近年の船舶の大型化に伴う増深・拡幅や維持浚渫は港湾管理者の重要な責務となっています。

しかし、既存の浚渫土砂処分場並びに廃棄物処分場の残容量が逼迫していることから、響灘東地区において新処分場の整備が進められています。

北九州港廃棄物海面処分場の整備に対して支援をするため、令和5年度においても政府において予算措置等の必要な措置を講ずるべきと訴えました。

大臣からは問題認識と今後の着実な国の支援について答弁をいただきました。

私から、北九州港における今後の浚渫土砂の処分場所の確保については、港湾・海事関係者からの聞き取りでも不安の声をお聞きしていることを伝え、現場に確かな見通しを伝えながらの取り組みをお願いしました。

 

北九州港新門司地区での取り組みも質しました。

船舶の大型化に対応し、一層の物流効率化を図るための、新門司地区複合一貫輸送ターミナルの航路、泊地の整備推進のため、令和5年度においても政府において予算措置等の必要な措置をお願いしました。

大臣からは航路や泊地8メートルだったところを10メートルでの取り組みを進めていく旨答弁がありました。

私からは、例えば長距離フェリーではコロナ禍でも動いていた貨物需要とともに、旅客の動きが戻りつつあり、こうした動きを後押しする意味でも着実な整備支援をお願いしました。

 

北九州港における社会資本総合整備計画に基づく港湾施設の計画的整備、実施事業に対する支援についても令和5年度において予算措置等の必要な措置を講ずるよう要請しました。

 

北九州港においても大きな課題になっている、老朽化した港湾施設や海岸保全施設への対応も取り上げました。

特に、西海岸地区の岸壁においては、予防保全事業による老朽化対策に合わせて、大規模地震時等においても、住民の避難や物資の緊急輸送機能を確保するため、耐震化を進めており、早期完成が望まれていることから、予算措置等を要望しました。

大臣からは前向きな答弁をいただき、私からは老朽化に対するご意見は港湾関係者から日々増える状況であり着実な取り組みをお願いしました。

 

関門航路の航路整備についても改めてお願いしました。

大型船舶が満載喫水で航行できないなど、非効率な輸送形態となっており、我が国の産業活動に大きな影響を与えているとともに、海難事故が引き続き発生しているため、航路14メートルに向けた早期整備を訴えました。関門航路の14メートル確保に向けた令和5年度の取り組みについて大臣からお答えいただきました。

 

合わせて、2月20日から新北九州市長が就任する旨を伝え、市長が交代したその後も国と北九州市は変わらず共同歩調で地域の発展へ力合わせをやっていく、と大臣から明言いただきました。

 

 

 

 

むすびに、旦過市場を中心にした旦過地区(北九州市小倉北区)の再整備について大臣に質しました。

小倉都心部にある「北九州の台所」として100年以上親しまれている旦過市場、国内外の観光客の人気も高く、貴重な観光資源でもあります。

一方、市場には多くの老朽化した木造建物が密集しており、防火上の問題を抱えている上、一部店舗が隣接する二級河川神嶽川に張り出しており河川改修が進まず浸水対策の課題が残されています。

こうした中、平成21年、22年の豪雨災害で神嶽川が氾濫、市場の大部分で浸水被害が発生しました。

これを受け北九州市と市場関係者が協働して市場の建て替えと河川改修を行う旦過地区再整備に取り組むこととなりました。

「旦過地区土地区画整理事業」(令和3年1月国土交通大臣認可)と「神嶽川特定洪水対策等推進事業」(令和元年度から事業着手)を一体的に実施します。

加えて、令和4年4月、8月の2度にわたる市場の火災が起こり、広範囲に及ぶ延焼で再整備地区内も甚大な被害を受けました。

早期再建に向けた様々な支援が強く求められています。

以上を踏まえ、小倉都心部における更なる防災機能強化や賑わいの創出につながる旦過地区再整備を着実に推進するため、必要な予算確保など、ハード・ソフト両面での重点的な支援を国が行うべき、旦過地区再整備への一層の支援を行っていただきたいと大臣に訴えました。

大臣からは2度の火災という新たな事態も踏まえた積極的な対応を国として検討していく旨を明言いただきました。

北九州市や地元関係者の努力で市場の復興へ一歩ずつ前進していますが、国の関わりについての今後の見通しに不安の声もあることを伝え、見える形での国の支援をお願いしました。

 

振り返りは以上です。

これからも地元のことは党派を超えて、との気持ちで地元北九州市からの国への要望を政府に伝え、改善を促します。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)