政府の基準を超える過剰な基金の積み立ての再点検を行うべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

2023年1月31日 予算委員会

○城井委員

もう一つ御指摘したいと思います。では、政府はちゃんとチェックしてきたのかということであります。
資料とパネルをお願いします。

2023年1月25日付で、政府の行政改革推進本部から、基金の返納状況についてというものが発表されています。点検対象は137基金、余剰資金等の国庫返納状況として、令和4年度国庫返納予定額は251億円、令和5年度国庫返納予定額は2,531億円、総額で2,782億円との情報が公開をされています。

 

 

私どもで調べましたところ、先ほど申した、過剰な基金の積立てがあるのに、今回の国庫返納の対象に入っていない基金事業が39基金事業ありました。政府の行政改革推進本部の発表では、農水省の2事業、国交省の3事業、環境省の1事業の、計6事業しか国庫返納対象に入っておりません。

政府発表の国庫返納予定額は251億円。しかし、先ほどの国庫に相当する分で超えている金額は1,436億円です。皆さん、この差です。この積み過ぎた1,436億円に照らすと、本当に僅かな国庫返納にとどまってしまっています。

なぜ、過剰な基金残高を持つ基金の39事業を見逃しているのか。総理、このまま放っておかないですよね。過剰な基金の積立ては正すべきです。再点検が必要ではないですか。総理、お答えください。

 

○岡田国務大臣
お答え申し上げます。
公益法人等に造成されている基金については、毎年度、各府省が基金シートを通じて自己点検を行うほか、政府全体としての再点検を実施し、使用見込みの低い資金の国庫返納などを進めております。

基金の点検においては、直近では、令和3年度で国庫返納を決めた額は5,435億円、令和四年度に国庫返納を決めた額は2,763億円でありまして、この2年間で合計8,000億円以上の返納を進めております。

委員御指摘の251億円については、これらのうち、令和4年度に実際返ってくるというか、令和4年度を返納時期としている部分でございまして、この2年間に決めた返納額と比べるとき、必ずしも過少とは申せないのではないか、このように考えております。

 

○城井委員
サイズだけでは判断できないんですね。
総理、令和5年度の返納予定額も把握されていますね。

 

○岸田内閣総理大臣
今、岡田大臣からもありましたように、基金の国庫返納に当たっては、行政事業レビューの枠組みの下で、社会経済情勢の変化や緊急時対応なども考慮しつつ、各基金の状況を踏まえ、使用見込みの低い資金は返納等を実施しており、本年度の点検の結果、新たに2,763億円が国庫返納される予定となりました。

 

○城井委員
その令和5年の返納予定額の中身なんです。

大きくは3つ、デジタル基盤改革支援基金、178億円余り、新型コロナ特別利子補給事業、923億円余り、そして新型コロナ民間制度融資利子補給事業、1,427億円、合計で2,528億3,100万円になりますが、これらは、事業が終了したり事業終了見込みに伴う国庫返納で、行政改革を特別にやったというものとは思えないんですね。むしろ、デジタル基盤改革支援基金は、令和2年度に基金造成したばかりでして、もう国庫返納なのかと。基金を積み過ぎだったんじゃないか、見積りが甘過ぎだったんじゃないかという疑いすらあります。

こうした事業終了、あるいはその見込みの部分を差し引きますと、そのほかの政府基金で国庫返納に努力できた令和5年分というのは幾ら残ったかといいますと、約2億3,500万円しか残らなかったんです。先ほどの1,436億円にはほど遠い金額であります。

総理、これでは不十分です。先ほどの政府基準を超えている1,436億円を念頭に、もう一回作業やり直しの指示を出すべきだと思います。
総理、いかがですか。

 

○岡田国務大臣
お答え申し上げます。

基金につきましては、城井議員の御認識も受けて、これは目的に従って適切に執行を行うように、結果として使用見込みの低くなった基金は国庫に返納することが重要だと我々も当然考えてございます。

このため、各府省自らが基金の執行状況等を継続的に把握し、執行の改善や使用見込みの低い資金の国庫返納につなげるPDCAのサイクル、これを適切に回して、その状況が明らかになるよう不断に取り組んでまいりたいと考えております。

 

○城井委員
これまでの取組が足りないので、政府基準に照らして、超えている分をちゃんとしましょうよということを申し上げています。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)