補正予算は緊要性が大事、年度末までに使いきれないならば積みすぎた基金ではないか 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

2023年1月31日 予算委員会

○城井委員
立憲民主党の城井崇です。
質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。

防衛増税の話の前にまず税金の無駄遣いの見直しが先だという率直な国民の声が日増しに大きくなっています。特に、政府基金や予備費での大盤振る舞いは目に余るものがあります。

今回は、この税金の使い方見直しの一つとして、政府基金の見直しによる政策財源の確保について岸田総理に質問をいたします。

この基金ですが、中長期には運営がしやすい、成長分野への投資にも活用される一方で、かなり効率の悪い運営もありまして、やはり国民から見えるようにすること、透明性の向上が必要です。

資料とパネルを御覧ください。

 

 

私たち立憲民主党では、政策課題発掘チーム、通称りっけんチェックというものを結成いたしまして、全部で7つのテーマ、7ユニットをつくって、一つは、国民が自分事に感じること、まだ世に出ていないこと、そして、国に資料があって国が調べるべきことを念頭に置きながら、各政策分野での調査を進めています。
政策基金を調べるユニットもつくっています。

ここでは、令和4年度公益法人等に造成された基金の執行状況一覧表にある国の基金の180基金事業を調査しています。

今回は、この基金の残高や収支、管理費の金額や比率、業務執行状況に着目して、幾つかの基金を取り上げて、具体的に問題提起と改善提案を総理に申し上げたいと思います。

まず、総理に確認します。

令和4年度第二次補正予算で造成された50基金事業約8.9兆円、これは、昨年、我々の問合せがスタートで明らかになった数字でございました。このうち、令和4年度末、つまり今年度末までに結局使われない金額があるということを政府から聞きました。
総理、この金額、結局幾らでしょうか。

 

○岡田国務大臣
お答え申し上げます。

令和4年度第二次補正予算で造成された50の基金について、個別に各府省に確認いたしましたところ、16基金について基金団体に交付済みであり、その他についても年度内に基金団体に交付される予定と承知をいたしております。

なお、基金については、各年度の所要額があらかじめ見込み難く、弾力的な支出や必要な事務、事業について、中長期的な視点の下、合理性や現実性のある見通しを立てて措置するものであるため、必ずしも当該年度中にその全てを執行するものではございません。

また、既に基金団体に交付済みの基金については、案件の公募に向けた準備を行うなど、それぞれ手続が進められているものと承知しておりますが、それぞれの基金の状況は様々であり、個別の基金の状況については各府省にお尋ねをいただきたいと思います。

 

○城井委員
総理、今の答弁の中に大きく問題が2つあります。

1つは、そもそも年度内中に事業を動かさないのにお金だけ積んでいる、積み過ぎている、こういう問題があります。

2つ目には、今準備とおっしゃいましたが、では、準備をしている事業が、今回の8.9兆円の中で、基金を積んだ中で幾つあったかというのを直接政府の担当の役人さんから一つずつ聞いたんです。そうしたら、実際に、例えば、広く募集をします、募集のための準備に入りましたという省庁が一つだけありました。でも、それ以外は、結局、事業本体は動かないまま4年度末を迎えるというのが各省庁からの説明だったんです。

本来、補正予算でつける予算というのは急ぐもの、緊要性が大事だというのは、これまでも国会でも確認してきましたよね。でも、急ぐんだったら、なぜ急ぐかきちんと説明が必要だというふうに思います。

もし借金だけ積み上げて使わない基金を積んだら、その分の利子を国民が負担をせねばならなくなります。もし準備が必要なら、準備の分だけ補正予算で確保して、そして、来年度以降使うものは来年度の予算で計上するというのが、これが筋じゃないですか。それを、準備も本番もひっくるめて、先ほどの説明だと、では何の準備をしているのか、何に使うのかも全く分からない状況なわけです。

準備の分なら準備だけ、そして、来年度使う分は来年度に計上、こういうふうに筋を通すべきだと思いますが、総理、いかがですか。

 

○岸田内閣総理大臣
まず、委員御指摘のように、様々な基金があり、そして、その基金の中に、基金はできているけれども事業がまだ動いていないとか、また、準備段階にあるとか、公募等の手続が進んでいるとか、様々なケースがあるんだと思います。

これは、事業の性格によって、どういった取組からスタートするかということによるんだと思いますが、少なくとも、これは、基金に資金を積み、事業に取り組むということを政府として明らかにするということが大きな意味があり、民間は、そうした事業に対する予見可能性や今後の見通しについて確認することができる、物事が動き出す大きなきっかけになるという点はあるんだと思います。

基金を早急に立ち上げることによって、こうした民間の予見可能性や民間の投資、動き、これがスタートするということから、できるだけ早く基金を積むということは意味があるんだと思います。

そういった点から、スタート時点において、実際にお金が動くまでタイムラグがあるというケースはあると思いますが、ただ、委員御指摘のように、これは余り長いということは適切ではないと思います。

適切に、できるだけ早く、立ち上げた以上は事業を動かすよう努力をしていく必要はあると考えます。

 

○城井委員
政府の方針決定がしっかりはっきりしていれば、今年の4月以降の予算執行に仮になったとしても、予見可能性は十分高められるというふうに思います。ここをごっちゃにするので、結局積み過ぎた基金が増えているということに結果としてなっています。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)