港湾は地域経済や地域住民の共有財産・公共施設との位置づけを守るべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2022年11月2日国土交通委員会
○城井委員
さて、続いて、パンデミック、災害の際の港湾機能の確実な維持についてお聞きをしたいと思います。
港湾法の基本趣旨は、憲法の地方自治権に裏づけられています。
港湾が地域経済や地域住民の共有財産、公共施設とされるゆえんであり、諸外国では、ポートオーソリティー制度といって、当該地域の代表が議会のようなものをつくって運営をしています。
日本では、これに代わって、当該自治体が住民代表として管理者というふうになっています。
今回の港湾法の一部改正は、2011年に続くものとの理解なんですが、自治権を少しずつ薄めて国の管理や運営を強めていく方向になっているんじゃないのという意見が一部あります。
本法案においても、憲法の地方自治権に裏づけられた港湾法の基本趣旨、港湾が地域経済や地域住民の共有財産、公共施設との位置づけは守られる、こうした理解でよいか、大臣からお答えください。
○斉藤国務大臣
昭和25年の港湾法の制定以来、港湾の管理は地方公共団体等である港湾管理者が行うことを原則とし、その運営に当たっては、国民共有の財産としての港湾の公共性、安全性をしっかり確保していくことを基本的な原則としております。
本法案は、その基本的な原則を変えるものではございません。
○城井委員
今の御答弁を踏まえた上で、一つお聞きします。
本法55条の3の3第1項に関しまして、非常災害、世界的規模の感染症の流行その他の港湾の機能を著しく損なうおそれのある事象が発生した場合に、国土交通大臣による港湾施設の管理代行を行うことができるという改正案の内容なんですが、このその他の港湾の機能を著しく損なうおそれのある事象とは具体的に何ですか。
この点が具体的に明らかにならなければ、恣意的な運用の心配がやはり出てきます。
何でもありというわけじゃないというふうに思うんです。
例えば、安全保障に関わる動きは含まれるか、本日の副大臣答弁でも、防衛省に関わる件が例示をされていました。
商船を待機させ、軍事関係の艦船が優先して入港や着艦をさせる、あるいは、ヤードは自衛隊と米軍の貨物の荷さばき先行ということもあり得るんじゃないかという港湾現場からの懸念に、国はどう答えるでしょうか。
大臣、具体的に、この現場からの指摘についてはっきりとお答えいただきたいと思うんですが、お願いします。
○斉藤国務大臣
非常災害や感染症の流行以外の港湾の機能を著しく損なうおそれのある事象としましては、例えば、船舶事故等の局地的な事象などを想定しております。
一方、武力攻撃事態等に際し、自衛隊等が港湾施設を優先的に利用する必要がある場合には、特定公共施設利用法における港湾施設の利用調整の仕組みを適用して対応するものと想定しております。
○城井委員
今の法律での切り分け、大事な部分だと思いましたので、確認をさせていただきました。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)