港湾の脱炭素化、水素、燃料アンモニア等の動力源はどれくらい貢献するのか 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)


2022年11月2日国土交通委員会

○城井委員
それでは、本日の本題であります港湾法改正案について質問します。
まず、港湾における脱炭素化の推進についてです。
港湾の脱炭素化においても、企業や自治体にとっては国による取組の予見性が高まることが重要だと考えています。
民間投資をしやすくする環境にしていくことが求められます。
この点を念頭に、以下、質問をいたします。
港湾法の適用を受ける港湾施設に追加される施設を利用する船舶による脱炭素化への貢献見込みについて伺います。
本法案のKPIとして、港湾における水素、燃料アンモニア等の取扱貨物量、水素換算を、2020年ほぼゼロから2030年100万トンと設定をする旨、国土交通省から事前に説明がありました。
この算定根拠は、エネルギー基本計画での水素供給量の見込みとのことでした。
しかし、それでは不十分ではないか。
例えば、船舶に対して動力源としての水素等がどのくらい補給をされるのか、こうした港湾での補給量についても、目標や効果がKPIで示されなければ、船舶に水素、燃料アンモニア等の動力源を補給するための施設を追加する効果を検証できません。
水素、燃料アンモニアの補給施設の追加に関して、目標や効果を国はどのように想定していますか、大臣からお答えください。

○斉藤国務大臣
水素、アンモニア等を燃料とするゼロエミッション船のうち、アンモニア燃料船については、2026年から実証運航を開始し、2028年までのできるだけ早い時期に商業運航を実現するため、現在、開発、実証が進められているところでございます。
このため、今回の改正を通じて、これらの船舶に燃料をしっかりと供給できるよう、水素、燃料アンモニア等の船舶燃料供給施設の整備を促進することを目標としております。
それが目標でございます。
効果としては、今回の改正により、これらの施設が事業所税の特例措置の対象となり、燃料供給を行う事業者が新たな投資をしやすい環境を整えることができると考えております。
さらには、港湾において燃料供給が可能な施設が整備されることは、船社によるゼロエミッション船の導入を促すとともに、港湾の競争力強化にも資するものと考えております。

○城井委員
できる限り早い時期、そして新たな投資可能な環境づくりというのが今の大臣からのお答えの趣旨だったかと存じます。
水素、燃料アンモニアやあるいはLNGを用いた船舶の新造やエンジン等の改修はかなり長期間にわたる計画の中で行われているというふうに現場からは聞いています。
このことを踏まえますと、その船舶の数に応じた新たな補給施設の設置必要数や見込みが想定できるのではないか。
追加される施設を利用する船舶数を国としてはどのくらいと想定していますか。船舶で用いる水素や燃料アンモニアがどのくらい脱炭素化に貢献する見込みか、大臣からお答えください。

○斉藤国務大臣
船舶に水素、燃料アンモニア等の動力源を補給するための施設の導入につきましては、これらを燃料とする船舶の導入状況を踏まえ、燃料供給を行う事業者が判断するものと考えております。
現時点で、これらの施設を利用する船舶数を具体的に見込むことは困難ですが、既に複数の船社がアンモニア燃料船の開発に着手しており、将来的に、これら次世代船舶が我が国港湾に寄港することになるものと考えております。
また、脱炭素化への貢献については、定量的に把握することは現時点で困難ですが、水素、燃料アンモニアが船舶の燃料として利用された場合、これらの船からのCO2排出量はゼロになることから、積極的に施設の導入を進めることが重要と考えております。

○城井委員
対応する施設の整備と、それから船舶の導入は、鶏と卵の関係にあるのではないかというふうに私も思うところもあります。
ただ、できる限り定量的に見込みや目標について絞り込んでいかないと、じゃ、ただ野方図に投資をすればいいのか、予算に限りがあるというのがいつものお話であるはずであります。
そこを考えますと、では、例えば次世代の船舶の開発導入見込みについてはどうかという点をやはり聞かなければなりません。
本日の政務官答弁でもございましたが、政府のグリーンイノベーション基金における次世代船舶の開発に10年間で350億円の予算が計上されています。
アンモニア燃料船は2026年から実証運航開始、2028年までのできるだけ早期に商業運行を実現との方向です。
水素燃料船については、2027年より実証運航開始、2030年以降に商業運行を実現との計画です。
これらを踏まえて、本法案の目標や効果、KPIで言及している、2030年段階で、アンモニア燃料船、そして水素燃料船のそれぞれ一体何隻の導入がされるのか、貢献できるんだろうかということを心配しています。
大臣から具体的にお答えください。

○斉藤国務大臣
これからの研究開発の方向については、今委員が御指摘になったとおりです。
これからの研究開発の成果次第というところもあって、具体、細かい目標、KPIを示すことはなかなか困難ですが、現時点で、2030年時点での導入目標について、アンモニア燃料船、水素燃料船の内訳を分けておりませんが、2030年時点で十隻の就航を目標として開発に取り組んでおります。

○城井委員
10隻、長い道のりに聞こえてまいりました。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)