こども家庭庁に関する経済同友会の提言について政府はどう対応するか 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

令和四年六月九日提出
質問第一〇三号

経済同友会によるこども家庭庁に関する提言に関する質問主意書

衆議院議員 城井 崇

経済同友会によるこども家庭庁に関する提言に関する質問主意書

経済同友会は五月十八日、こども家庭庁に関する提言を発表した。文部科学省が所管する学校教育と幼稚園が、政府が今国会に提出したこども家庭庁設置法案に含まれていないことを問題視し、子ども政策の立案機能を制約してはいけないと指摘している。この二つの事務についても、こども家庭庁へ移管するよう求めている。この提言は、立憲民主党から提案した子ども省と同様に、幼児教育と初等中等教育を子ども施策の担当組織に移すという趣旨の提案であり、大いに賛同するものである。
経済同友会の提言は、省庁や国・自治体の縦割り行政が貧困や虐待などの厳しい環境にある子どもの情報共有を難しくしているとし、提言をまとめた日本マクドナルドホールディングス株式会社の日色保代表取締役社長兼最高経営責任者は同日の記者会見で「教育行政と福祉行政の連携が不可欠だ」と強調した。
経済同友会が省庁縦割りの弊害の一例として挙げるのが小学校の校舎内などに設置される放課後児童クラブの運営である。こども家庭庁に移管される厚生労働省の福祉事業だが、教育目的は所管外である。そのため、校舎内の教材利用には制限があり、塾に通えない困窮世帯の子どもたちが補習の場として利用できずにいるという点を指摘している。
経済同友会の提言は、学校教育と幼稚園の事務の移管について、「創設後二年以内に体制を整備することを求める」と強調している。こども家庭庁を設置した後は省庁縦割りの弊害を無くすため、特定のポストを他省庁からの出向者の指定席にしないことも求めた。
そこで、経済同友会によるこども家庭庁に関する提言に関して、以下質問する。

一 政府は、経済同友会によるこども家庭庁に関する提言をどのように受け止め、どのように対応するか。政府の認識を明らかにされたい。

右質問する。

 

 

内閣衆質二〇八第一〇三号

令和四年六月二十一日

内閣総理大臣 岸田文雄

衆議院議長 細田博之 殿

衆議院議員城井崇君提出経済同友会によるこども家庭庁に関する提言に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員城井崇君提出経済同友会によるこども家庭庁に関する提言に関する質問に対する答弁書

一について
お尋ねの「提言」に関する「文部科学省が所管する学校教育と幼稚園が、政府が今国会に提出したこども家庭庁設置法案に含まれていないことを問題視し、子ども政策の立案機能を制約してはいけない」、「省庁や国・自治体の縦割り行政が貧困や虐待などの厳しい環境にある子どもの情報共有を難しくしている」、「教育行政と福祉行政の連携が不可欠」及び「学校教育と幼稚園の事務の移管について、「創設後二年以内に体制を整備することを求める」」といった御指摘については、こども家庭庁と文部科学省は、それぞれの専門性を高めつつ、相互に調整し、密接に連携することにより、政府全体としての施策の充実、質の向上を図ることが重要と考えており、こうした考えの下、適切に対応してまいりたい。なお、幼稚園を含む学校教育の事務の移管について、こども家庭庁創設後二年以内の体制整備は考えていない。
また、御指摘の「放課後児童クラブの運営」については、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第六条の三第二項に規定する放課後児童健全育成事業において学校の教材を利用して学習を行うことは、現在でも市町村の判断により可能であるとされている。
さらに、御指摘の「省庁縦割りの弊害を無くすため」の他府省との人事交流については、適材適所などの観点から進めていく考えである。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)