海難事故の救助体制「1時間出動」空白エリア解消で初動対応を見直すべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2022年5月13日 国土交通委員会
○城井委員
立憲民主党の城井崇です。
今回も質疑の機会をいただき、誠にありがとうございます。
大臣、今日もよろしくお願いいたします。
私からも、まず、知床遊覧船事故について国土交通大臣にお伺いいたしたいと思います。
改めて、お亡くなりになられた皆様に哀悼の意を表するとともに、連日捜索活動に当たる関係者の皆様に感謝をし、そして、行方不明の皆様の一日も早い発見、事実の確認、原因究明、再発防止に向けて、国会からも皆様と御一緒に全力を挙げたいと思います。
立憲民主党におきましても、事故検証チームをつくり、取り組んでいきます。
政府におかれましても、真摯な御対応をお願いできたらというふうに思います。
さて、大臣、通告はしていないんですが、この件で、まず、報道で接した部分について確認をしたいと思います。
被害者のリュックをロシアが確保していて、サハリンにあるという報道がございました。今のところ、日本政府からの対応をいただいているけれども、まだ返却のめどがないということでした。
これは、政府を挙げてきちんと御対応いただけるということでよろしいでしょうか。
〔委員長退席、塚田委員長代理着席〕
○斉藤国務大臣
外交ルートを通じて、きちんと要求をしていきたいと思っております。
○城井委員
中に入っていた銀行のカードでお名前も分かったということでございましたので、一日も早い返還を、是非実現をお願いしたいというふうに思います。
それでは、質問に入ります。
まず、今回の事故に対する初動対応について伺います。
通報後、海上保安庁が現地到着するまでに約3時間かかっています。
理由は何でしょうか。
急に戻ったため遅れたとの情報がございますが、警察や消防のヘリを要請する、あるいは民間協力を依頼するなど、他の組織との連携で初動対応を早めることができたのではないかというふうに考えます。
あわせて、お手元の資料を御覧いただきたいと思います。
昨日発行、公表となりました最新の海上保安レポート2022から引用をいたしました。
海上保安庁のヘリや機動救難士など、救助体制が手薄な地域がございます。
特に、北海道北部及び東部、そして鹿児島県の一部に、1時間以内に対応することが前提になっていない地域が存在をしています。
今回も、釧路から海上保安庁のヘリが向かったというふうに聞きましたが、現場で様々なカバーを試みていただいておりますけれども、元々、このように初動対応には懸念があった地域だったというふうには言えると考えます。
これらの初動対応の見直しを、大臣、どのように行っていくでしょうか。お願いします。
○斉藤国務大臣
まず第一点目の、到着に時間を要した理由でございますけれども、ヘリコプターからのつり上げ救助等を行う要員を同乗させる必要があったことに加え、悪天候が重なり、航空機等の現場海域の到着に約3時間を要する結果となりました。
それから、関係機関との連携強化でございますけれども、今回、海上保安庁では、遊覧船カズワンの海難情報を受け、直ちに巡視船艇、航空機等に対して発動指示を行うとともに、関係機関や漁業関係者等に対し情報提供等を実施してございます。
その上で、海上保安庁においては、迅速な人命救助のために、自衛隊や警察等への協力要請や連携協力についてもっと初動対応を早めることができたのではないかという御指摘もございました。
この点、点検をして、改善をしてまいりたいと思っております。
それから、迅速な人命救助体制の構築でございますけれども、本事案が発生した北海道東部海域は、海上保安庁が捜索救助を実施する場合に、現状において、ヘリコプターからのつり上げ救助を行う機動救難士等がヘリコプターに同乗し、出動してから約1時間で到達することができない海域であり、このような海域は、同海域のほか、北海道北部及び奄美大島北部海域の計3海域存在しております。
海上保安庁では、迅速な人命救助体制の構築が必要であると考えており、海難救助体制の在り方に関し、航空基地へのヘリコプターの配備や、機動救難士が配置されていない航空基地への機動救難士の配置等を含めた検討を進めており、捜索救助活動に万全を期してまいりたいと思っております。
〔塚田委員長代理退席、委員長着席〕
○城井委員
やはり初動対応で、元々対応できるめどが立てられていなかったという点は重いというふうに指摘をせざるを得ません。
今、検討ということでございましたので、検討を急いでいただいての迅速な対応を改めてお願いしたいと思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)