こども基本法案は子どもの権利条約の基本理念、4つの一般原則を踏まえるべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

2022年5月13日 衆議院内閣委員会

 

○城井委員

立憲民主党の城井崇です。

今日は、質疑の機会をいただき、誠にありがとうございます。

子ども関連法案の質疑も終盤でございます。

今日は、お許しをいただいて、私の質問は全て自民党さん、公明党さん提出のこども基本法案に対する質問をいたしたいと思います。

これまで、いわゆる役所の形に関する議論は大臣との部分で随分尽くされてきたというふうに思いますが、そこと恐らく裏表になるであろうこども基本法案について、大事な部分をきちんとこの場で確認をしたいというふうに思いますので、

是非、提出者の皆様からは端的な御答弁をお願いできたらと思います。

よろしくお願いします。

それでは、こども基本法案と子どもの権利条約の関係について、まず確認をさせてください。

子どもの権利条約、4つの一般原則、子どもたちに分かりやすい表現であえて申し上げますと、以下のようになります。

まず1つ目は、命を守られ成長できること。

これは、全ての子どもの命が守られ、持って生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されるということ。

そして2つ目には、子どもにとって最もよいこと。

子どもに関することが決められ、行われるときは、その子どもにとって最もよいことは何かを第一に考えますということ。

そして3つ目には、意見を表明し参加できること。

子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、大人はその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮しますということ。

そして4つ目には、差別のないこと。

全ての子どもは、子ども自身や親の人種や国籍、性、意見、障害、経済状況など、どんな理由でも差別されず、条約の定める全ての権利が保障されます。

この4つであります。

これらについてこども基本法案と照らしますと、この4つの要素自体は盛り込まれている部分があるというふうに感じたわけですが、必ずしも条約の文言に沿った形にはならなかったんじゃないかというふうに、特に野党側で検討したときに感じた次第であります。

この点、なぜかというのをお答えください。

 

○加藤(勝)議員

城井委員の御質問に答えさせていただきたいと思います。
まず、このこども基本法案の第3条から、一部を、まさに基本理念において、児童の権利に関する条約、いわゆる4原則、今委員がおっしゃられた順番とはちょっと違いますけれども、差別の禁止、生命、生存及び発達に対する権利、児童の意見の尊重及び児童の最善の利益に相当する内容を規定をさせていただいております。

今、委員は規定ぶりについての御質問だというふうに思います。

一方は条約ということですから、それは条約がそのまま訳されて文言化されているわけでありますが、我が国の国内法においては、やはり国内法としての整合性というものは当然求められてきているわけであります。

こうした観点から、このこども基本法案の立案に当たって、既に児童の権利条約に関する規定を盛り込んでいる例えば児童福祉法あるいは子ども・若者育成支援推進法、こうした表現を踏まえて、今回こうした規定ぶりをさせていただいたということでありますので、冒頭申し上げたように、実質的に、児童の権利条約の四原則をこの基本理念の中の四項目として取り上げているということでございます。

 

〔委員長退席、平委員長代理着席〕

 

○城井委員

子どもの権利条約、4つの原則について実質的に盛り込んでいただいていること、そして、既存の法律との整合性という説明でございました。

次に参ります。

既存のものということで申しますと、今回のポイントの一つでありました文部科学省との関係について次に伺いたいと思いますが、この文部科学省所管のいわゆる教育政策とこども基本法案にある子ども施策の関係について伺いたいと思います。

幼児教育や初等中等教育など、ゼロ歳から18歳まで、専ら子どもに関わる教育政策はこども基本法案にある子ども施策に含まれるか、この点を確認したいと思います。

教育法体系の中で、こども基本法案に盛り込まれた子どもの権利条約の基本理念や4つの一般原則が及ばない部分があるのではないかと懸念をしています。提出者から見解をお示しください。

 

○木原(稔)議員

おっしゃるように、教育政策は文部科学省の所管でありまして、一方で、このこども基本法にも子ども政策というものがあり、その関係ということの御質問だと思いますが、子ども施策の定義上、教育政策は子ども施策に含まれることから、児童の権利に関する条約の四原則について定めた本法案の子ども施策に関する基本理念もまた、当然、学校教育にも及ぶことになります。

もとより、児童の権利に関する条約を発効した段階で、これは平成6年なんですけれども、文科省が通知を発出しておりまして、そこには、本条約は、基本的人権の尊重を基本理念に掲げる日本国憲法、教育基本法と軌を一にするものであります、したがって、本条約の発効により、教育関係について特に法令等の改正の必要はないところではありますが、本条約の発効を契機として、更に一層、教育の充実が図られることが肝要でありますとした上で、学校教育及び社会教育を通じて、広く国民の基本的人権尊重の精神が高められるようにするとともに、本条約の趣旨に鑑み、児童が人格を持った一人の人間として尊重されるよう、一層の努力が求められてきたところであります。

学校教育の内容自体は、憲法や教育基本法を頂点とする、いわゆる教育法体系の中で定められるものでありますけれども、その教育法体系の中でも、先ほど申し上げた通知の中のように、児童の権利に関する条約の趣旨が考慮されてきたところであります。

 

○城井委員

大事な点を御答弁いただいたと思います。

法案にある子ども施策に含まれるということ、そして、学校教育にも基本理念や一般原則は及ぶということで確認をさせていただきました。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)