国の統計の改ざん、GDPの再算定をすべき 衆議院議員きいたかし福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)



2022年1月31日 衆議院予算委員会

 

○城井委員
次に、国の統計の改ざんについて、特に国土交通省の建設統計改ざんについてお伺いいたします。
統計は社会を映す鏡です。
しかし、今回、ゆがめられてしまいました。
そして、ゆがんでいるのに気づいても、見ぬふりをしたというのが最大の問題だと考えています。
この建設統計の改ざんと隠蔽は、違法行為ではないか。
人員不足や専門知識不足を理由にしていますが、二重計上に気づきながら、報告も公表もしなかった改ざんの握り潰しは、そのようなことの言い訳にならないと思いますし、2019年の毎勤統計の改ざんを受けての一斉点検すら欺いたのも、あり得ないというふうに考えています。
当時の統計改革が機能していない、大変残念な状況です。
統計を扱う公務員の意識を切り替える手だてが必要だというふうに考えます。
まず、総理に伺います。
影響が軽微かということ、国会でも議論になっています。
そもそも正しい統計データの裏づけがないのに、軽微だとはまだ断言ができないはずですし、伸び率だから影響がないような意見もありましたが、年度によって影響が異なる点を見逃しているということを御指摘申し上げなきゃなりません。
統計をできる限り復元できるよう政府で試みていますが、失われた基のデータは相当数あります。
推計方法で補うのが現実だと考えます。
調査票が確認できない2000年度から2015年度も含めてですが、できる限り復元した後に、建設総合統計も結果を見直すでしょうし、そして、何よりも、総理、GDPの再算定を政府として行うことを確約いただけるか。
これは岸田総理からお約束をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○斉藤国務大臣
国土交通省の建設工事受注動態統計調査においてこれまで不適切な取扱いがあっ
たということについては、検証委員会で厳しく問われたところでございます。
それを受けまして、現在、遡及改定委員会というものを国土交通省の中に、統計の専門家の先生方に入っていただいて設けたところです。
これは、検証委員会におきまして、遡ってできるだけ正しい数字を得ることは可能である、このように報告書にいただいたことによるものでございます。
この遡及改定委員会におきまして、この建設総合統計のできるだけ真に近い値を出すということで、今後努力をしてまいりたいと思います。
なお、建設受注統計調査そのものはGDPの計算に直接関わっておりません。
今朝ほど議論がありましたように、GDPに使われておりますいわゆる建設総合調査、その総合調査には受注統計の伸びが使われております。
その受注統計の伸びにつきましては、これはもう詳しく申し上げませんけれども、今回の影響は軽微である、このように我々は考えております。

 

○岸田内閣総理大臣
まずもって、4つの省の各目明細書に誤りがあったことについては、大変遺憾なことであり、改めておわびを申し上げる次第であります。
その上で、こうした国交省の二重計上の影響等について御質問があったわけですが、この影響については、ただいま大臣の方からありましたように、国土交通省の立ち上げた統計の専門家から成る検討会議において、統計委員会の協力を得つつ、過去の統計の遡及改定に向けて検討を進めていくということになっています。
まずは、この統計の専門家による検討会議の検討、これを急がせたいと考えます。

 

○城井委員
その上でGDPの再算定についてはお約束いただきたいということを申し上げているわけであります。
総理、お約束いただけますか。

 

○岸田内閣総理大臣
その影響について、この遡及改定等について検討会議において議論するわけでありますから、その内容について、予断を持って今の段階で私から何か言うのは控えなければならないと思います。
結果を受けて、そして適切に対応する、これがあるべき姿だと思っています。

 

○城井委員
遡及改定を否定しているわけじゃないんです。
ちゃんとできる限り復元した上で、そこに連なるものは、数字は計算し直しましょうね、我々も本当に軽微だったか確認したいんです、目の前で。
だからこそ、GDPの再算定まで含めて、きちっとこれだけ軽微だったんですよというのをちゃんと示してほしいんですよ、軽微ならば。
そこまでやってほしいんです、総理。
再算定、是非やりましょう。
お約束をいただけますか。
GDPの算定の話ですよ、総理でお願いします。

 

○根本委員長
国土交通大臣斉藤鉄夫君。
まず答弁してください。

 

○斉藤国務大臣
受注動態統計調査の遡及改定に全力を挙げたいと思います。
そして、その上で、総合建設統計、毎月の出来高を計算するものでございますが、その遡及改定についても我々努力をしていきたい、このように思っております。

 

○城井委員
総理、最後に一言お願いします。
GDPの再算定、是非お願いします。

 

○岸田内閣総理大臣
GDPの推計については、先ほど申し上げた検討会議において、GDP推計に用いられる建設総合統計についても検討がなされるものと承知をしています。
そして、GDPの再算定については、GDPの推計に用いられる建設総合統計の時系列データの遡及改定が必要となってきます。
すなわち、追加的な統計データがない限りGDPの算定は困難である、これが一般的な考え方であると承知をしています。
いずれにせよ、先ほど申し上げました検討会議の答えをしっかり待った上で考えていかなければならないと思っています。

 

○城井委員
時間が参りましたので終わります。
またやります。
ありがとうございました。

 

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