1月25日予算委員会質疑の振り返り 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
1月25日、衆議院予算委員会基本的質疑2日目に質疑の機会をいただきました。
応援いただいた皆様本当にありがとうございました。
また取り上げていただいたメディアの皆様にも感謝します。
今回は質疑の狙いと振り返りを書きたいと思います。(長文ご容赦ください)
まずオミクロン株による子どもへの感染拡大について岸田総理に質しました。
文部科学省からはこれまで通りの感染防止対策をと伝えられていますが、感染拡大を受けて多くのご家庭が行動判断を悩んでいる現状を岸田総理に伝えました。
登園や登校をさせるべきか、オンライン対応の環境確保をどうすべきか、塾や習い事に行かせるべきか。育児と家事と仕事の両立が難しいとの声を直接伝え、踏まえた対応を要請しました。
(感染陽性者や濃厚接触者となった子どもやご家族への対応については山井議員から岸田総理に質してもらいました)
また、子どもの感染拡大に従って子どもの休校が全国で増えています。
それに従って働く親が休んで対応するケースも増えています。
小学校休業等対応助成金による休業補償はコロナだけではなく風邪などでも使えること、登園登校自粛要請でも使えること、個人でも申請できることなどをもっと知ってもらうべきです。
またこの助成金は申し込みの際にいまだに「郵送」でしか受け付けてもらえない状況です。
オンラインでも対応できるように国で工夫できませんかと岸田総理に訴えました。
続いて、昨年9月以降の離婚世帯等の4万人の子どもたちに子ども給付金が届いていない問題を岸田総理に質し、ついに政府が動きました。
政府が全額国費で支給すると私の予算委質問に山際大臣が答弁で明言しました。
地方創生臨時交付金は使わず、全額国費で支給可能な自治体では早ければ2月にもとの国の準備を努力する旨答弁を確認しました。
大きな前進です。皆さんの応援のおかげです。
高校生の申請手続きも確認し、一人も漏れがないように対応する旨、山際大臣からの答弁で確認しました。
事情を抱えて受け取れていない子どもが一人も出ないように漏れがないように対応をお願いしました。
引き続き所得制限撤廃や子どもを育ててない元配偶者からの給付金返還を国に促します。
(山井議員からお借りしたパネル・資料に誤りがありました。尼崎市の皆様、大変申し訳ありませんでした)
続いて、子ども政策の予算確保について岸田総理の考えを質問しました。
政府の子ども政策の新たな推進体制に関する基本方針では、子ども関連予算の確保がどのように具体的に図られるか明らかではありません。
基本方針では、「応能負担や歳入改革、企業を含め、社会・経済の参加者が広く負担する新たな枠組みの検討」を明記したが、「応能負担」「歳入改革」「新たな枠組み」とは具体的に何を指しているのか、と岸田総理の考えを確認しましたが、安定財源の確保へ幅広く検討する例だと言って具体的には示されませんでした。
また子ども関連予算の倍増を自民党総裁選で岸田総理が明言されていたことからいつどうやって倍増を実現するか。
子育て支援に係る家族関係政府支出の対 GDP 比は、日本 1.73%で、先進国で最低水準、欧州諸国と比べると半分程度。国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の家族関係社会支出は9兆6730億円(19年度)で3%程度への引き上げとなると約20兆円。
内閣府の外局で20兆円の予算が確保できるか、と岸田総理を質しましたが、期限や規模は具体的に示さず、将来的には倍増を目指すとおっしゃって結局予算確保への道筋はわかりませんでした。
新型コロナ対策予算についても聞きました。
まずコロナ前とコロナ中で事業目的や概要が変更されていない国のコロナ対策事業について質問しました。
NHKによれば、コロナ前からある国の事業でコロナ対策予算に組み込まれた事業数は712、総額23兆4000億円に上ります。
そのうち、コロナ対策の事業と言いながら、事業目的と事業概要がコロナ前とコロナ中の3年間で全く同じだった事業が89事業もあったことが明らかになりました。
少なくとも、コロナの影響をどう踏まえたか検討し、事業内容に反映したうえで予算計上すべきです。
この3年間で事業目的・事業概要が全く同じだった事業はいくつあったと岸田総理は認識していますか。
それらは当然コロナを踏まえた事業目的や内容に改善すべきと考えます、と訴えました。
財務大臣からは、必要な事業は精査している、一部に類似があるかも、重複数を示すのは困難、との答弁でした。
具体的に確認して正すべきで、今後具体的な事業を示して議論したいと思います。
コロナ対策予算の不正受給が正されているかも質問しました。
結果として不正受給の未返還額約34億円を初めて確認しました。
国民の税金由来のお金の不正は一円たりとも見逃せません。
以下詳細です。
中小企業の生命線である雇用調整助成金は、不正受給が261件、約32億円あり、返還済が21億円、未返還が43件、約11億円もあったことが厚生労働大臣から初めて明らかになりました。
GoToトラベル事業では、トラベル事業の対象にならない商品についてすべて返金完了を確
認、トラベル事業の電子クーポンの不正利用は2153万円、不正利用者を特定できた金額は210万円、返還したのは14万円との国土交通大臣からの答弁で初めて明らかになりました。
不正利用者特定が10分の1、返還したのはさらに10分の1弱ですのでさらに政府には徹底した対応を要請しました。
現時点までの旅行業者等から宿泊事業者など観光関連事業者へのキャンセル料対応費用の配分が適正になされたかを国土交通大臣に聞いたところ、現在検証中でアンケート結果を分析しているとのこと。
結果がわかり次第チェックしたいと思います。
持続化給付金の不正受給についても経済産業大臣に聞きました。
現時点で937件、9億4000万円もの不正受給があり、749件、7億5600万円の返納があり、未返還が188件、1億9000万円あったとのこと。
87件は締め切りを過ぎているとのことで、厳しく対応いただくようお願いしました。
国民全員に10万円給付された特別定額給付金事業、事業執行状況がわかる「行政事業レビュー」が国の事業約5000のうち唯一作られていないことが明らかになっていました。
国民や国会が事業内容をチェックできるように「行政事業レビュー」を作るよう岸田総理に指示を促したところ、総務大臣から作ることとした、との答弁をいただきました。
エビデンスベイストポリシーメイキング(証拠に基づく政策立案)の重要性は政府も強調しています。
引き続き行政監視もしっかり頑張ります。
教育データ利活用ロードマップについても聞きました。
岸田内閣は、教育のデジタル化のミッションを「誰もが、いつでもどこからでも、誰とでも、自分らしく学べる社会」と掲げています。
しかし、それを実現するために示したロードマップの内容が検討不十分です。
2022年1月7日にデジタル庁が公表した「教育データ利活用ロードマップ」は、個人情報保護法違反のおそれが高く、内心の自由(憲法19条)やプライバシー権侵害のおそれ(13条)や教育の平等(26条)をうたった憲法違反のおそれがあり、さらにプロファイリングや信用スコアリングの危険およびマイナンバー法違反のおそれがあるため、デジタル庁など政府は計画の中止や再検討を行うべきであると考えます、と訴えたうえで個人情報保護法との関係についてデジタル大臣を質しました。
統計不正が続く政府に個人データを安心して預けられるか。
機微に触れる個人情報の扱いについては引き続き国会からチェックしていきます。
最後に発展途上国のワクチン確保への日本外交の役割を岸田総理に問いました。
ワクチン確保が困難なアフリカなど途上国で変異株が生まれ続ければ世界的な再流行は避けられません。
ワクチン供給の国際協力にもっと力を入れるべきです。
この質問の趣旨は、WHOがいうワクチンギャップの問題です。
ワクチンは争奪戦になり、経済力がない国、特にアフリカがほとんどワクチン接種が出来ていません。
一国で流行を抑え込んでも、他の蔓延国で変異株が出来れば今の時代では、国境を越えて変異株が流入して再流行が起こります。
日本もアルファ株、デルタ株、そしてオミクロン株と同じことの繰り返しです。
可能な限り世界同時に免疫を獲得するしか方法がないことは、オミクロン株が物語っていることです。
菅内閣が行ったワクチン供給の国際協力を、もっと大規模にすべきだとの意見は傾聴すべきです。そのために日本は汗をかくべきです。
一国だけでパンデミックは制御できません。
「希望する日本国民にワクチンをどう早期に安全に供給するか」と「国際的なワクチン接種の機会格差をどう是正するか」の両立は、日本外交の知恵の出しどころと思っています。
外務大臣も経験された岸田総理、途上国のワクチン確保へ踏み込んだ取り組みをお願いできますか、とコロナ診療最前線の医療従事者のご意見を踏まえながら岸田総理に投げかけました。
以上が質問の狙いと振り返りです。
実はNHKテレビ中継ありの予算委員会質疑は初めての経験でした。
緊張しながらの質疑で言葉回しなどが拙い部分もあったかもしれませんが、引き続き国民の声を政府に伝えて改善を促す仕事を重ねていきたいと思います。
応援いただいた皆様お一人お一人に感謝申し上げます。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)