船舶交通の安全のため AIS(船舶自動識別装置)の搭載対象を拡大すべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2021年5月21日 衆議院国土交通委員会
【異常気象等に伴う船舶事故の未然防止策の充実強化】
(バーチャル航路標識の緊急表示制度の創設について)
○城井委員
続きまして、バーチャル航路標識の緊急表示制度の創設について伺います。
バーチャル航路標識はAISを搭載した船舶しか確認することはできませんが、AISの搭載は全ての船舶に義務づけられてはいません。
普及率は低い状況にあると認識しています。
視認性が低下する異常気象時における船舶交通の安全性を確保するため、AISを搭載していない船舶に対し、国はどのような取組を行いますか。
AISの搭載義務は、現在、一定の重量以上の船舶に限られていますが、本改正案による措置を踏まえ、搭載義務の対象船舶を拡大する考えがあるかどうか、大臣の見解をお願いします。
○赤羽国務大臣
AISの設置は、国際条約に基づきまして、一定の大きさの船舶への搭載を義務づけておるところでございまして、具体的には、外航貨物船においては、総トン数300トン以上の船舶が対象となっておるところでございます。
なお、AISの搭載の義務対象の船舶の拡大という今お話がございましたが、この点につきましては、一つはユーザー側の費用負担、これは設置費用込みで約200万円かかると算定されておりますが、こうした負担があるということ、また、搭載に当たっての無線免許の取得及び無線資格を有した者を乗り組ませる必要がある、こういった課題がございまして、今の現状を見ておりますと、直ちに義務づけの範囲を拡大するということは現実的には考えておりません。
他方、AISは衝突事故等を未然に防止する上で有効な機能を持つ、こういうふうに認識をしておりまして、搭載義務のない船舶に対しましても関係省庁と連携してAISの普及促進に努めているところでもございます。
また、AISは、バーチャル航路標識にも有効に活用できることから、引き続きAISの普及促進をしっかりと説明させていただきながら、前に進めるように取り組んでまいりたい、こう考えております。
○城井委員
ユーザー負担ですとか無線免許の必要性などといった点を踏まえてということで、今すぐ拡大は考えていないという趣旨の御答弁だったかと思います。
ただ、視認性の低下する異常気象等時における船舶交通の安全性の確保というのが目的ということかというふうに思いますので、現実をしっかり確認をいただきながら、必要な追加対応、対象拡大が必要な場面、出てくるかどうかという点については常時注視をいただきたいということをお願いしたいと思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)