海事関係者へ新型コロナワクチンの優先接種を行うべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)


 

2021年5月19日 衆議院国土交通委員会

 

(海事関係者への新型コロナワクチンの優先接種について)

 

○城井委員

次に、海事関係者への新型コロナワクチンの優先接種について伺います。

エッセンシャルワーカーとして事業継続に努めている船員や国内旅客船関係者への希望者全員の早期ワクチン接種について、現場から強い要望があります。

5月11日、私も参加している海事振興連盟の会合においても、日本内航海運組合総連合会、日本旅客船協会、全日本海員組合から強く要望をいただきました。

国土交通省として政府内で働きかけて実現すべきと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。

 

○赤羽国務大臣

実は、この件は、港湾運送協会の皆さんですとか、ハイヤー、タクシー業界ですとか、バス組合の皆さん、またバス協会の皆さん、そしてトラック協会の皆さん、物流関係の皆さんから一様に御要望をいただいたところでございます。

昨日、私も海事関係の御代表の皆様にもお会いをし、同じ要望を受け、御説明をし、御理解をいただいたというふうに了解をしておりますが、今回は、以前の新型インフルエンザとは異なりまして、国民の皆様全員で、全員の皆様を目指して接種をするという目標で、早期にかつ円滑に接種を完了するという方針の下から、接種体制を簡素かつ効率的に実施する必要がある。

それぞれの地方自治体で職種を指定しますと、なかなか、その職種がどうなのかという議論とか、実際、決めた後も、その人がその職種に就かれているのかという確認作業とかで、相当事務的な手続が取られてしまう。

ですから、それよりも、とにかく希望される方については早期にまた円滑に接種を完了するということを優先したいということで、今回はこうした、残念ながら皆様方から御要望がありました、具体的には新型インフルエンザ対策特措法のいわゆる特定接種の考え方を取らないというふうに決定をし、そうしたことはお伝えをさせていただいているところでございます。

いずれにいたしましても、地方自治体でそれぞれ具体的には接種を、それぞれのやり方でやりますので、地域によっては、先ほどお話がありましたような、エッセンシャルワーカーとしてタクシーの運転手の皆さんやバスの運転手の皆さんに対して優先的に接種をされている例もあるというふうに承知もしておりますが、国としてはそうした方針であるということの御理解をいただきたい、こう思うところでございます。

 

○城井委員

今大臣から御説明をいただいた国の方針については理解をしているつもりです。

ただ、一律の対応だけで本当に大丈夫だろうかと思うからこそ、現場のお声をお伝えさせていただいています。

特に、今ほどの海事関係者の件で申しますと、一点だけ確認をするとするならば、船員に対してのワクチン接種については、例えば、内航海運における船員の就労パターンを踏まえて実現を図ってほしいという要望が大臣の下にもあったかと思います。

三か月船に乗って一か月休暇というパターンですと、休暇中に接種する必要がある。

この就労パターンを踏まえたワクチン接種の体制を組まなきゃいけませんが、今の大臣の話ですと、国の大方針はありつつですが、地域の状況が許すならば、地方自治体によって、この内航海運における船員の就労パターンを踏まえた優先接種はあり得るという理解でよろしいんでしょうか。

 

○赤羽国務大臣

それは地方自治体の考え方だと思いますが、内航海運の特殊な就労のパターンにつきましては、もう既に厚生労働省と連携をして、予約方法などの具体的な接種手続ですとか、船員の皆さんに係る留意点についての周知を行った上で、事業者からの問合せなどに個別に対応しているというふうに承知をしております。

引き続きまして、業界の皆さん、厚生労働省と情報共有、連絡調整を図りながら、船員の皆様に対しましても円滑なワクチン接種に向けて取り組んでまいりたい、こう思っております。

 

○城井委員
新型コロナワクチンについては、国際的には、3月25日、船員と航空機の乗務員について、社会機能の維持として医療従事者と同様にワクチンの優先接種の対象となるよう、国際海事機関、IMO、国際労働機関、ILO、そして世界保健機関、WHOなどにおいて決議が行われ、さらに、4月末に開催されたILO政労使特別三者委員会では、昨年12月の国連総会決議、ILO事務局の決議に基づき、MLCの遵守を求める決議が採択されています。

こうしたことも踏まえた対応が必要かと存じます。

政府においてきちんと御対応、検討をお願いしたいと思います。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)