職住一体である船員の労働時間の範囲を見直すべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)



2021年4月16日 衆議院国土交通委員会

 

(労働時間の範囲の明確化、見直しについて)

 

○城井委員

続きまして、労働時間の範囲の明確化、見直しについてお伺いします。

国土交通省の議論でも、職住一体である船内における各種活動について、労働時間として取り扱うかどうか必ずしも統一的に取り扱われていないこと、操練や引継ぎ作業等については労働時間への算入や対価の支払いをしないとされていることなどが指摘されています。

令和の時代の内航海運に向けての中間取りまとめなどでも言及がありますが、働き方改革、特に船員の時間外労働については、従来より、防火、救命艇操練や当直交代に係る作業などに必要となる時間は労働時間に該当しますが、労働時間の上限、1日当たり14時間、1週当たり72時間の対象外とされ、時間外手当の支払いを免除されるなど、例外的な取扱いとなっていました。

これに対し、中間取りまとめでは、これを見直すべきとしながらも、急激な変化が実務上の弊害をもたらすとし、また、荷主、オペレーターの理解促進のための必要な準備期間、猶予期間を設けることについても考慮が必要であると曖昧な形でまとめられています。

陸上労働ではこれらの労働は例外的な取扱いとは認められていません。

このような取扱いで船員という職業が魅力的なものと若年世代に見えるかは疑問であります。

内航海運についても陸上産業と同様の取扱いで臨むべきです。

特に船内における各種活動の労働時間への該当性の明確化と労働時間制度上例外的に取り扱われている作業の取扱いの見直しが必要ですが、本法案でこれらの点がどのように改善されるか、大臣からお答えください。

 

○赤羽国務大臣

これは実はトラックの運送でも大変問題になっていまして、運賃の中で、実は運賃と言いながら、例えばトラックドライバーが到着をしたところで荷降ろしをするですとか、あと、待ち時間も全部入るですとか、そうしたことは、業界としてはそこは一線を引いて運賃と料金を分けるというのは、先ほど申し上げた議員立法の法改正で定めたところでございます。

今回、こうしたこと、本法案でも各種の船内活動について、業務なのか、業務に関する作業なのか、個人的な活動なのかということを分類しまして、労働時間への該当性を具体的に整理する内容のガイドラインを作成し、明確化した上で、業界への周知を図っていく予定でございます。

先ほど具体的に言われました防火操練ですとか救命艇の操練等の作業ですとか、航海当直の通常の交代のために必要な作業、これは労働時間に関する1日当たりの上限規制の対象外となっておりましたが、これは対象とする旨、改正内容にも盛り込んでおりますし、施行までに十分な周知期間を設けるということが曖昧ということではなくて、別にそのとおり受け取っていただけばいいので、周知もしないで制度を変えるということはできませんから、周知をして、この改正内容というのをしっかりと実行いたします。

 

○城井委員

時間が参りましたので質問を終わりたいと思いますが、あと、休暇の確実な確保についてもお伺いしようと思いましたが、時間がなくなりましたので、要望にとどめたいというふうに思います。

大臣からも今日お答えいただきましたように、陸上の貨物でも、そして海上の貨物でも、そこで働く皆様の抱える課題は共通しているものが大変多いということを確認させていただいたと思います。

何よりも、このコロナ禍においてもエッセンシャルワーカーの最たる方々だというふうに思いますので、そうした方々が健全に笑顔で働けるように今回の法案の取組なども進めていくことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)