大学生の自殺は前年比10%増、新たな防止対策をとるべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2021年3月24日 衆議院文部科学委員会
○城井委員
続いて、大学生の自殺防止対策について伺います。
警察庁、厚生労働省の資料によりますと、令和2年中の大学生、専修学校生等の自殺者数は540名となっています。これは、令和元年中と比較して51名の増加、つまり約10%も増えた数字です。
大学生等は、クラス等で状況を把握するのが難しい上、対面授業が減少したこともあり、対策が届きにくい状況です。
文部科学省でも、大学等に対して、学生の精神的健康を維持し、自殺を防止するための対策をやっているということで、取組事例を含めて報告を聞きました。
ただ、大臣、それがあっても学生自殺者が約10%も増えているという現状です。
この現状を受けて、新たな対策が必要なのではないかと危機感を強く持っています。
大臣、いかがでしょうか。
○萩生田国務大臣
同じ思いでございます。
学生等が自ら命を絶つことは本来あってはならないことであり、自殺が増加していることについて、大変重く受け止めております。
文科省では、学生等の自殺を予防する取組として、各大学等に対し、より学生等から相談しやすい体制の構築、カウンセラーや医師等の専門家との連携などにより、学生等の悩みや不安に寄り添ったきめ細かな対応をお願いしているところです。
各大学等においては、例えば学内の保健センターやカウンセリング室を気楽に利用できるように、全学生へのメールの送信、全学生を対象としたメンタルヘルス調査の実施などの取組が進められているところですが、特に年度末や年度始めは環境の変化等により不安を抱えやすい状況にあるため、より積極的に悩みや不安を抱えた学生等の把握や対応に努めていただくよう、重ねて各大学にお願いをしているところです。
また、厚労省と連携し、自治体で設置する相談窓口やメンタルヘルスケアのサポートに役立つ情報などを各大学等に周知しており、これらの情報を、大学等で設置する相談窓口とともに、学生一人一人に確実に周知するようお願いしています。
さらに、自殺予防啓発動画を作成し、公開をしました。
各大学等の取組の充実に資するよう、新入生への支援等の取組事例の収集や発信、学生支援を担当する教職員へのセミナー、ワークショップを実施しています。
これらに加え、現在、大学等の取組状況だけでなく、学生等が抱える悩みや相談先等について、学生等の声を直接把握するため、学生生活に関する調査を実施しているところであります。
文科省として、引き続き、関係省庁とも連携し、学生等の自殺予防に取り組んでまいりたいと思います。
○城井委員
一人一人に届けるのはなかなか難しい対策だというのは十分認識をしておりますが、これまでの対策実行にもかかわらず学生自殺者が増加しているという現実としっかり向き合っていただくということをお願いしたいというふうに思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)