文部科学委員会質疑の振り返り 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

 

3月24日、衆議院文部科学委員会の一般質疑にて久しぶりに質疑の機会をいただきました。

仲間のご配慮に感謝です。

50分の時間をいただいた萩生田文部科学大臣とのやり取りを振り返りたいと思います。

ちょっと長いですがそのまま書きます。

議事録は整い次第アップします。

 

 

【文部科学省の接待疑惑報道】

まず、文部科学省の接待疑惑報道の事実確認からでした。

私からは政務三役や権限がある文部科学省職員と当該学校法人の間の陳情対応記録の提出を文部科学省に求めました。

大臣から調査後の提出を確約いただきました。

 

 

【新型コロナワクチンの接種順位の裁量付与】

次に、新型コロナワクチンの接種順位に係る市町村への裁量付与について。

北九州市などから強く要望がありますが、保育関連施設職員や教職員、消防職員といった社会機能の維持に欠かせない者についても幅広に優先接種の対象に追加できるよう、市町村に対して接種順位に関する裁量を付与すべきとの意見を伝え、萩生田文部科学大臣には教職員を念頭にした優先接種順位に関する市町村への裁量付与を行うよう政府内での働きかけをお願いしました。

萩生田大臣からは「専門家会議で決めること。検討の必要あれば行う」「接種会場が学校である場合、教職員はついでに接種できないか?など検討もあった」といった趣旨の答弁がありました。

 

 

【教育現場での変異株への対応】

教育現場における変異株への対応については、変異株は若年世代への感染力が強いとの分析を踏まえての文部科学省の対応を質しました。

各都道府県での変異株の確認報道が日々増えていて現場での対応への不安な声を多くいただいていることから最新情報の周知を含めて引き続き対応をお願いしました。

萩生田大臣からは、「基本的な対策を徹底してもらう。地域の感染に応じて制限する。保健所や厚生労働省と連携し、改めて対策を徹底する」「変異株は子どもにうつりやすいというのは科学的には国として発表してない。家庭内での感染はあるが、報道で惑わされることなく冷静に行動を」との趣旨の答弁がありました。

 

 

【コロナ禍で自主休校の子どもの学びの保障】

新型コロナを理由にした自主休校の子どもたちの学びの保障、特に成績の取り扱いの対応についても大臣に直接質しました。

萩生田大臣からは「登校が原則だが、休校しなければいけない場合は学校でルールを作って、後からマイナスが生じることがないようにしたい」との趣旨の答弁がありました。

 

 

【マスク着用の子どもへの影響】

マスク着用による子どもたちの心身への影響については、マスク着用についての文部科学省が依拠する科学的根拠、変異株の感染拡大や首都圏での緊急事態宣言解除といった前提条件の変化も踏まえての学校におけるマスク着用について国としての方針変更検討について質しました。

萩生田大臣からは、「文部科学省としての科学的根拠はない。厚生労働省の指針に従っている。飛沫を防ぐとのスパコン富岳での分析結果はある。マスク着用については飛沫を防ぐ観点からマニュアルで示している。マスク着用はひき続き重要、体育などは外してもいいなどガイドラインで示している。無理してはマスクをすることを前提としていない。」との趣旨の答弁がありました。

 

 

【学校でのクラスター発生への対応】

学校でのクラスター発生の実態への対応については、これまでと異なり若年世代への感染力が強いとの指摘がある変異株の感染拡大も踏まえるならば、「休校を避けるように」との通知が現在の形でよいか、見直しを検討すべきではと質しました。

萩生田大臣からは、「休校したら怒られ、休校しなかったら責められ、難しい。できる限り学校は開いていくことは前提に、柔軟に感染状況に応じてしてほしい。理解してほしい。」との趣旨の答弁がありました。

 

 

【第1回共通テスト】

第1回共通テストについても質問しました。

まず実施後の評価のひとつとして、段階評価(スタナイン)は使われなかったのではと質しました。

萩生田大臣からは、「利用状況、まだ把握していない。各大学の入試要項でもまだ確認できていない。文科省としては利用を期待。多様な選抜に取り組む」との趣旨の答弁がありました。

また、特例追試験の問題がセンター試験の過去問から出題されていた件について質問しました。

国語の出題について、「1995年のセンター試験本試験現代文、1993年のセンター試験本試験古文で用いられた問題文章がそのまま使われており一部の傍線箇所も同じ箇所。複数問にわたり過去問を流用する不公平を放置して本番の出題に至ったのは、大学入試センターの作問能力の明らかな低下。事前の指摘にも関わらずのこの出題の不公平への大臣の認識と今後の対処を問いました。

萩生田大臣からは、「平成20年にセンター試験の過去問等の素材文再利用容認方針を出したことに則っている」「本来なら追試1回だった。しかしコロナのための対応でこうなった」「緊急対応用問題を用いたが、限りがある中で過去のものであっても良いものは使う。対象者は1名で機会設けることは理解いただけたのではないか。指摘に問題意識は持つ」との趣旨の答弁がありました。

私から、現代文で初見でない問題を使えば不公平が生じる、平成27年度の緊急対応用問題以外には素材文の再利用はない上、センター試験の過去問は予備校のテキストなどにも採用され、たとえ問題文が違っても初見ではない受験生が存在することで生じる不公平はやはり問題、とあらためて指摘しました。

2024年度から始まる新学習指導要領に対応した共通テストについて、いわゆる「新課程入試」の大枠はいつ発表するかと聞いたところ、大臣から「2年前を待つことなく公表を促す」「委員会終了後の午後に公表する」旨答弁があり、実際に大学入試センターから「平成30年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について」が発表されました。

 

 

【大学生への追加支援】

大学生への追加支援についても質しました。

アルバイト学生の苦境の把握について大臣の認識を聞いたところ、「3月27日締め切りで大学生から直接アンケート調査をしている」「民間調査では昨年段階ですでに減少」、との趣旨の答弁がありました。

学生への今後の追加支援については、「今後も検討」「諦めることないよう支える。随時支援、継続する。対面授業を再開する大学を対象に助成」「なかなか評価してもらえないが無利子小口融資もある。借金だと批判されるがバイト先からの前借りと同じ」との趣旨の答弁がありました。

 

 

【大学生の自殺防止対策】

大学生の自殺防止対策については、大学等での自殺防止対策があっても、学生自殺者が約10%も増えている現状を受けて文部科学省として新たな対策が必要ではと問いました。

萩生田大臣からは、「自殺増加は重く受け止めている。各大学ではカウンセリングなど利用できるよう、メンタルヘルスケア、動画公開など取り組み」との趣旨の答弁がありました。

 

 

【大学での対面授業再開】

大学における対面授業の再開については、「対面授業の本格再開の条件整備」と「授業以外の活動での感染における大学の責任」について質問通告していましたが、時間の関係で後者だけ質問しました。

萩生田大臣からは、「学生に注意喚起や感染対策をしても感染をゼロにできない。学校の対応を責めることなく、感染者が生じても差別、誹謗ないようにしたい。大学側は社会的使命が高い。クラスター批判を気にしている。大学を批判することはしない。対面授業の重要性を促す。大学、学校を責めたりしない、文科大臣が責任持つのか?という声には責任を持つ。」との趣旨の答弁を確認しました。

 

 

【大学院生への支援】

大学院生への支援については、日本若者協議会から14項目の要望をいただいていましたがここでは大学内でのアカハラ・セクハラ対応について公平な取り扱いを担保する点から各大学任せだけではなく第三者機関を国が設置すべきと大臣に質しました。

萩生田大臣からは、「各大学のハラスメント防止等の取り組みを求める」旨の答弁がありました。

 

【高校の実質無償化が抱える問題点】

高校の実質無償化が抱える問題点も2つ大臣に質しました。

ひとつは、16歳から18歳の子どもたちの世帯において特定扶養控除の減額と所得制限の二重負担になっている現状を改善すべきこと、もうひとつは高校実質無償化の所得制限に関する生まれ月による有利・不利について不公平を直ちに正すべきことです。

萩生田大臣からは、「二重負担については必ずしも指摘は当たらない。生まれ月での不公平については柔軟な対策ないかを検討急ぎたい」との趣旨の答弁でした。

 

 

質疑の概要は以上のとおりです。

質問通告して質疑で扱えなかった部分については、別の機会に文部科学大臣の姿勢をきちんと質したいと思います。

ご意見や提案をお寄せいただきました皆様、誠にありがとうございました。

また質疑を応援いただいた皆様、Twitter等で質疑の模様を追いかけ文字おこしなどしてくださった皆様にも感謝します。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)