外航日本人船員の確保、国自体が掲げた数値目標を達成するために尽力すべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

 

2021年3月17日(水) 衆議院国土交通委員会

 

(外航日本人船員の船員確保の育成について)

 

○城井委員

続きまして、外航日本人船員の確保、育成についてお伺いをいたします。

二問まとめて伺います。
トン数標準税制導入に当たり設定した確保すべき日本船隻数、そして日本人船員の数値目標が何人か、その達成状況についてまずお答えいただきたいと思います。

その上で、船舶数は増加していますが、外航日本人船員は増加していないというのが現場の受け止めなんですけれども、こうした理由も含めて、大臣、お答えいただけますか。

 

○赤羽国務大臣

今お尋ねの件は、平成19年の交通政策審議会で御議論をいただいた結果、全て日本籍船で輸送しなければならない状態が一年程度継続をした際、そういった状況になった際に最低限必要な日本籍船の隻数としては、約450隻必要だというふうに試算をされております。

その場合、外航の日本人船員につきまして、船舶職員を全て日本人船員で賄うというふうに計算をした場合は、これは約5,500名と試算をされているところでございます。

そうした数字から現状どうかという比較をすると、まず日本籍船の隻数については、最も減少していた平成19年の92隻から、令和元年には273隻まで増加をしております。

他方、外航日本人船員については、平成24年以降2,200人前後で推移して、この状況、減少傾向に歯止めがかかっているとはいえ、目標にはなかなか、上昇機運には見られない、こういうことでございます。

その理由というのを分析をすると、一つは、日本人船員のコストが割高であって、競争力がない。

他方、外航海運はリーマン・ショック以降まだ影響が続いておりまして、長期にわたる海運不況が続いていて、なかなか日本人船員を雇いにくい状況が続いてしまっている、こういうふうに言われております。

 

○城井委員

外航における日本人船員の確保は、我が国の経済安全保障に大きく関わる問題だというふうに私自身は認識しています。

コロナ禍における水際対策での船員交代におきましても、寄港船での外航日本人船員の交代は一定程度円滑に実施されていて、外国人船員に比べると円滑だという現場の報告もあります。

自国での船員交代に優位性が期待されることに加えて、日本商船隊の中心的な存在として我が国の経済安全保障を支えるとともに、海事産業を下支えする役割を果たす外航日本人船員、安定的な国際海上輸送の確保に不可欠な存在だと考えます。

先ほど、なかなか数字が届いていない現場の御事情の説明もいただきましたけれども、国自体が定めた外航日本人船員の確保の数値目標実現に向けて、国はどのように責任を持って対応するかという点、具体的な取組について改めて大臣からお答えいただけますか。

 

○赤羽国務大臣

国交省としての取組は、一つは、トン数標準税制を通じた事業者による計画的な外航日本人船員の確保を進めていくということが一つと、また、官労使一体で、キャリア形成のための訓練の実施等を通じながら中小の外交船社への若年層の就業をしっかり支援をしていく。

また、三つ目は、これがやはり一番、裾野を広げるということが大事だと思いますが、ウェブサイト、SNS等を活用し海や船に関する情報発信、また、小中学生の皆さんに海洋教育の推進などなど、若年層への海への関心の喚起を通じた船員志望者の裾野の拡大の取組を行っているところでございます。

さらに、幅広い分野からの人材確保に向けた海技教育機構における船員養成課程の拡充についても今検討を進めているところでございまして、なかなか環境自体は非常に難しい、容易でない環境でございますけれども、しっかりと海運業界のニーズも聞きながら、外航日本人船員の確保を図っていくための不断の取組を行ってまいりたい、こう考えております。

 

○城井委員

引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)