タクシー運転者の待遇、国は更なる改善を 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

 

2021年3月17日(水) 衆議院国土交通委員会

 

(タクシーの適正化・活性化に関する特措法の施行状況及び効果に関する国会報告について)

 

○城井委員

立憲民主党の城井崇です。

本日も質疑の機会をいただき、ありがとうございます。

今回も赤羽国土交通大臣との議論ということで、大臣、よろしくお願いをいたします。

さて、今日は、タクシー特措法に関する国会報告から入りたいと思います。

先日、3月12日の本委員会の理事会にて国土交通省から御報告がありました、タクシーの適正化・活性化に関する特措法の施行状況及び効果に関する国会報告についてお伺いをいたします。

タクシー特措法の運用により、需要が減少する中でも、運転者の労働環境が一定程度改善する効果との効果の報告がありました。

特措法の施行後、全国の日車営収や指定地域での時間当たり賃金で増額をした状況を踏まえ、一定の前進と評価をいたしたいと思います。

しかし、一方で、他業種と比較した場合に、日車営収や時間当たり賃金を比べましたときに、必ずしも高い状況にはありません。

 

 

 

例えば、今日お手元に資料を一枚お配りをいたしております、御参照いただければと思いますが、令和元年のタクシー運転者賃金・労働時間の現況、これは全国ハイヤー・タクシー連合会の皆様作成のものでございますが、こちらを見ますと、タクシー運転者男性と全産業男性労働者の労働時間、賃金比較、令和元年のものでございますが、これにおきまして、賃金の年間推計額で比較すると、タクシー運転者男性は全産業男性労働者の64.2%にすぎず、前年より1.8ポイント縮まってはいるものの、依然大きな賃金差があります。

実額の差でも、200万5,900円で、前年の210万1,300円よりは9万5,400円縮まっているものの、大きな実額の差であります。

実際に、タクシー現場、皆様もお声を聞くことが多いと思いますが、年金を受給しながら働く方も多い、タクシーの収入だけで暮らしていくことが厳しいという声は絶えません。

報告でも課題として指摘をされているように、新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要減もあります。

タクシーの業態の特質もあるとは思いますが、待遇改善も含め、タクシー特措法の運用に当たり、国からも一層の取組が必要だと考えますが、大臣はいかにお考えでしょうか。

 

○赤羽国務大臣
タクシー特措法に基づく様々な効果として、タクシー運転手の皆さんの労働環境の改善が図られているのは、今御指摘のとおりでございますが、まだ道半ばだというふうに思っております。

引き続き、タクシー特措法を適切に運用しながら、タクシーの需給バランス、供給の過剰という状況を改善するというのは大事なので、引き続き適切に運用していきたい。

もう一つ、需要を喚起するという点も必要でございまして、配車アプリを通じた新たなサービスの導入、普及、これは始まっておりますが、しっかり支援をする。

また、今回のコロナ対策では、感染防止対策、具体的な予算もつけさせていただいております。

昨日も国交省の中で、空調、今回の令和2年度三次補正予算で計上してあります、コロナ対策としての空調設備も実地に拝見させていただいたところでございますので、こうしたことをしっかり取り組んでいく。

また、コロナウイルス対策で急激な需要低下に伴う休車の特例措置、これも期限も延長しているところでございます。

また他方、タクシー会社が押しなべて同じような状況かというと、私も随分業界といろいろ交流がありますが、やはり意識のある会社と言っていいかどうかは分かりませんが、そこはやはり、従業員の皆さん、タクシードライバーの皆さんの給与をしっかり確保する、そうしなければ人材を集めることができない、そういう信念で経営されている方もいらっしゃいまして、私は、そうした姿が本来あるべきであろうと思うし、多くの経営者の皆さんがそうした思いで経営ができるようなサポートをするというのが国交省の役目だというふうに思っております。

 

○城井委員

大臣おっしゃるように、各タクシー会社での努力もお願いしていかなきゃいけないというふうに私自身も思います。

ただ、今回のこの施行状況と効果の報告をいただきながら、先ほど資料でお示しした表なども参照いたしますと、タクシーの運転者の方の月間の労働時間が全産業の男性労働者に比べるとかなり多い状況が各都道府県でも見て取れるところがあります。

その意味では、頑張れている会社に引き続き頑張っていただくということも大事だと思いますが、国がしっかり目を凝らしながら支えていくべき、あるいは、正していくべき部分があるならばということについても、引き続き、きちんと目を光らせるということを、この法律の運用を通じて行っていただきたいということを改めてお願いしたいというふうに思います。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)