東京オリンピックパラリンピックの医療スタッフの確保について「東京オリンピックパラリンピック向けの医師や看護師を確保した上で新型コロナ対策や通常診療、ワクチン接種に必要な医師・看護師を確保できるか」 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)



 

 

2021年2月12日 衆議院予算委員会

 

○城井委員

次に参りたいと思います。

東京オリンピック・パラリンピックについてお伺いしたいと思います。

さて、今日は医療スタッフの確保の議論をしたかったんですが、先ほどからの委員からの議論で、まず議論の大前提、組織委員会の体制について、残念ながら触れざるを得ません。

組織委員会の人事については政治不介入というのが政府方針だということで受け止めておりましたが、先ほどより速報がメディアで乱れ飛んでおります。

川淵三郎氏の会長起用案を白紙へ、政府が組織委に働きかける検討に入った、この速報が一時半頃でありました。また、川淵氏が会長就任要請をされても辞退する意向、こうした速報が流れた後で、今度は御本人が自宅前で、聞いていないと答えた、こんなふうな状況であります。

落ち着いた環境整備が必要だというふうに思います。

ただ、こうした速報が乱れ出てくる中で、政府が働きかける場合の会長候補として、橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣を推す声が出ているということで、橋本大臣、御自らの話が出ているという状況です。

今の東京オンリピック・パラリンピックの、ある意味で非常事態の状況であります。

こうした中で、橋本大臣にこうした白羽の矢が立つ可能性というのが報道でございましたけれども、橋本大臣、もしお願いをされたら受けますか。

 

〔委員長退席、山際委員長代理着席〕

 

○橋本国務大臣

今、私は、そういった報道等につきましては、全く今の段階では、こちらに座っておりましたので、承知はしておりません。

今日の三時から行われていると思いますけれども、組織委員会評議会、理事会懇談会の場でしっかりとした議論がなされるというふうに承知をしております。

 

○城井委員

是非、落ち着いた環境となるように、大臣の立場からも御努力を引き続きお願いできたらと思います。

それでは、本来の質問に戻りたいと思います。

トータル1万人規模の要請ということで、橋本大臣が1月26日の予算委員会で答弁をされた医療スタッフの確保状況について、是非、具体的に教えてほしいと思っています。

私自身も文科政務官としてオリンピック招致には関わりましたので、是非、開催を実現したいところなんです。

ただ、予定どおり開催をする条件が整ったとの確信がありません。

特に、コロナ禍のさなかでは、医療スタッフの確保はできないのではないか。

例えば、ワクチン接種です。

現行で筋肉注射による投与ができるのは医師と看護師のみです。

たとえワクチン在庫が足りていても、投与する人材不足では、万全の接種体制とは言えません。

東京オリンピック・パラリンピックの期間中を挟んでの接種対応になるとも見込まれます。

また、このワクチン接種に加えて、新型コロナ対応、通常診療、それぞれに必要な医師、看護師を確保することになりますと、この東京オリンピック・パラリンピックに必要な医療スタッフ、特に医師、看護師の確保は極めて困難だと考えますが、橋本大臣、どのようにこのトータル1万人を確保することができるか、具体的に示していただけますか。

 

○橋本国務大臣

東京大会におきましては、安全、安心な大会を実現するための医療体制として、一日当たりの医師、看護師の人員について、最も多くの会場で競技が行われる7月25日でまず示させていただきますと、医師は300人程度、看護師は400人程度の確保を目指していると承知しております。

大会に参加する医療スタッフの業務内容についてでありますが、まず選手村総合診療所において、整形外科、内科、眼科、皮膚科、精神科、歯科等の対応を行う医師等、そして競技会場では、選手用の医務室で、アスリートからのニーズの高い捻挫等への治療に対応する整形外科医など、また観客用の医務室におきましては、熱中症の患者等に対する知見を有する医師、看護師等を広く含むものとなっております。

東京大会に向けた医療スタッフの確保に当たっては、地域医療、そして特にワクチン接種に必要となる医師や看護師の確保に支障を生じないようにするために、これが極めて重要だというふうに考えております。

このため、組織委員会においては、医療スタッフの確保を行うに当たっては、参画いただく医療スタッフの方々の個々の事情をきめ細かく把握した上で、国内競技団体を始め、大会協力病院、これは大学病院等でありますけれども、そして医師会、看護協会等に対し、丁寧な説明をしながら働きかけを行うということになっております。

国としても、引き続き、東京都、組織委員会としっかりと連携を取ってまいります。

 

○城井委員

そういたしますと、橋本大臣、先ほど7月25日の例を出されましたが、目指すという表現でした。医師会や看護協会の方と話がまとまった、確保ができた、見込みが立ったというふうに断言できないということでしょうか。

 

○橋本国務大臣

今まさに組織委員会でしっかりと議論をし、丁寧な説明の上で、医師の確保、そして看護師さん、医療スタッフ、検査をする方々もいらっしゃいますので、そういった、トータルに対してどのように対応していただくことができるかということを、今丁寧に説明しながら努力をしているというところであると承知しております。

 

○城井委員

努力をしているということでございましたが、ただ、先ほど申したように、ワクチン接種もしかり、通常診療もしかりで、新型コロナ対応はもちろんのことなんですが、もう既に医師や看護師がとても足りない状況がある。それぞれの、ほかの関係の担当大臣にもきちんと伺いたいと思います。

厚労大臣、このオリンピック・パラリンピックに医師や看護師を確保した上で、それで新型コロナ対策や通常診療に必要な医師や看護師の確保をきちんとできますか。そういう余裕がありますか。

 

○田村国務大臣

昨日、アドバイザリーボードでいろいろな御議論、御評価いただきまして、オリンピックというよりかは、これからワクチン接種に向かって、やはり、ワクチンを接種する医療機関と新型コロナウイルスの治療をする機関と、重なっているところもございますので、やはりしっかりと感染拡大を抑える、大変重要なことであるということでありました。

その上で、オリンピックという話でございますので、しっかりと、通常の医療、しっかりと感染を防止した上での、それでも全く新型コロナウイルス患者の方々が、ゼロになれば一番いいんですけれども、そうならない場合もありますので、抑制した中で、抑制といいますか抑えた中で、新型コロナウイルスに対する治療、そしてワクチンの接種、さらには東京オリンピック・パラリンピックでの医療関係者のいろいろな形での対応、これができるように、関係の団体の皆様方とも協力をしてまいりたいというふうに考えております。

 

○城井委員

ワクチン接種というお話がございました。

ワクチン担当大臣、この東京オリンピック・パラリンピックに必要な医師、看護師を確保した上で、ワクチン体制、きちんと組めるでしょうか。

 

○河野国務大臣

橋本大臣から答弁ありましたように、ワクチンの接種に必要な医師、看護師等には影響を及ぼさないということでございますので、そのとおりにやっていただけると思っております。

 

○城井委員

あわせて、コロナ対策担当大臣にも同様の趣旨をお伺いしたいと思います。

医師、看護師確保、新型コロナ対策に影響なくできるでしょうか。

 

○西村国務大臣

具体的な確保策については田村大臣の下で取られるわけでありますけれども、私の立場からは、やはり感染者の数を減らしていくこと、新規陽性者の数を減らす、そして、その下で医療への負荷を下げていく、このために、引き続き緊急事態宣言の下で、20時までの時短に御協力いただき、また、協力金など、しっかりと政府として支援をしていく、こうした取組の中で、医療従事者の確保につながっていくように全力を挙げていきたいというふうに考えております。

 

○城井委員

それぞれの大臣の所掌、本分もあろうかと思います。そこを守りながらで確保していくのは本当に大変なことかと思います。

コロナに打ちかつといっても、開催後に感染が広がれば台なしですと、東京都医師会長の言葉は真をついているというふうに思っています。

開催の可否判断に必須であります医療スタッフの確保について、引き続き具体的な情報提示を橋本大臣にお願いしたいというふうに思います。

よろしくお願いします。

 

 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)