露骨な利益相反あり、記述式問題は導入中止を

2019年11月20日衆議院文部科学委員会

○城井委員

(前略)

それでは、本日議題の高大接続改革にかかわる質問をというふうに思います。

今回の質問に当たりまして、大臣に質問通告をたくさん申し上げております。

それは、記述式問題にかかわる問題点がとてもたくさんあることを改めて認識いただきたいからであります。

採点体制や実施体制、そして国語や数学の出題、採点の質、加えて制度設計などを中心にして、私からは、十五項目の問題点について具体的に裏づけをもってお示しをして、ここを解決しなければ、とても記述式問題は実際の公的入試で使えるものではないという意味で申し上げております。

きょうも同僚議員からも多くの指摘があったところでありますけれども、きょうはその中から、私からは、先ほど牧委員からも少しございましたが、今回の採点請負業者を含めた部分での利益相反のところについてお聞きをしてまいりたいというふうに思います。

これまでにも、採点部門と、そして模擬試験や参考書をつくったり対策講座を設けたり、そういうふうなことをやっている部門が同じ会社の中にあるというので、やれるのか、採点をするところとそして対策をやるところが同じでいいのかという議論がありました。

いわゆる利益相反であります。

ただ、これを分離するというふうな話になっているわけですが、これは徹底できないというふうに考えています。

先ほど、牧委員からの質疑でもございました。

親会社のベネッセコーポレーションと学力評価研究機構の併任がされている。両方の会社に籍があって、そして大切な役員の役割を担っているということになっているわけであります。

こんな一体的な運営のところが、どこが、採点とそしてそんな対策を売るところは別ですなんて言えるんでしょうか。人が分かれていないのにその取組が分けられるわけがないというふうに考えるわけであります。

大臣、お聞きします。

これらの部門を、あの会社ではいわゆる併任を禁じていない。今回の仕組みの中でも、この採点にかかわる請負業者とそしてその親会社などとの併任は禁じていないという認識でよろしいですね。

 

○萩生田国務大臣

御指摘のような懸念が生じないよう、具体策については、現在、採点事業者において検討しているところと承知しておりますが、センターにおいて確認をさせたいと思います。

 

○城井委員

今時点で確認できていないだけでも大きな問題かと思います。

更に伺います。

採点部門の経験者が人事異動でもしや参考書などの部門に移る、こうした、今申した、同じ人が併任でということではないけれども、経験者を含めて人の出入りが人事異動上あるということが想定されますが、これは防げますか。

認識、いかがでしょうか。

 

○萩生田国務大臣

御指摘のような懸念が生じないよう、具体策について、現在、採点事業者において検討しているところと承知していますが、念のため、センターにおいても確認をさせたいと思います。

 

○城井委員

民間事業者の人事異動まで国が縛れるとはとても思えないわけでありますが、今回の請負業者と大学入試センター並びに文部科学省ということになりますが、この関係、特に大学入試センターと請負業者の間で結ばれた業務請負契約を一つ一つ丹念に追っていきますと、これは見逃せないという大きな問題の点がたくさんあります。

まず一つ、御指摘を申し上げたいと思います。

業務請負契約の第十六条にこのようにあります。

乙というのは請負業者ですが、の作成物の著作権及びそのほか一切の知的財産権は、乙、つまり請負業者に留保されるとあります。

つくったものは全部請負業者の権利、こういう話であります。

万が一、この仕組みが続いたら、運営ノウハウはこの請負業者にしか残りません。

大学入試センターには残らないわけであります。

だって、権利がありませんから。

こうなれば、今回のことが進んで、例えば六年後以降も同じ事業者しかこの採点業務にかかわれないということになってしまいます。

これまでにも、民間委託をするときに問題になった例は、ほかの分野でもあります。例えば、水

道事業の民営化なんかのときもそうでした。

自治体が民間事業者に水道事業をお預けしたときに何が問題になるかといえば、それまでは自治体が水

道事業をみずから運営して、その収支を含めたノウハウを蓄積したけれども、民間企業に渡した瞬間にそのことが自治体からはノウハウごと失われてしまう、こういう心配があったわけであります。

こうしたことが、今回の、この第十六条にある著作権及び知的財産権の部分。入試センターに残るのは、何と採点結果の権利だけです。

つまり、運営ノウハウ部分は入試センターには権利は残らないのであります。

大臣、これは本当に大きな問題です。

このまま進むんでしょうか、大臣。

見解をお聞かせください。

 

○萩生田国務大臣

大学入学共通テストの記述式問題及び採点基準は大学入試センターが作成することとしております。また、業務請負契約第十六条では、一切の著作権やその他の知的財産権が採択事業者に留保されるわけではなく、大学入試センターと採点事業者が書面による合意がなされることによってその帰属を定めることができるとされております。

なお、大規模な採点事業を実施する民間事業者はほかにもあり、当該業務への参入は、これは、失礼しました。

話合いによってその帰属を定めることができるとされておりますので、今のような御指摘は当たらないと思います。

 

○城井委員

基本的には請負業者に留保されるんですよね。

そのことを確認しているんです。

 

○萩生田国務大臣

業務請負契約第十六条では、別途、大学入試センターと採点事業者の間に書面による合意がない限り、採点事業者に留保されると書いてありますので、合意がない限り採点事業者に留保されますから、当然のことながら、必要な帰属については話合いができるという担保がとれると思います。

 

○城井委員

では、請負業者に残って入試センターには来ないというものは、例えばどんなところでしょうか。

今の話だと全く理解できないんですが。

そもそも入試センターに留保すべき部分ではありませんか。

 

○萩生田国務大臣

どういったものをセンターの方できちんと管理するべきか、今後検討してまいりたいと思います。

 

○城井委員

であるならば、そのように最初から、まず一義的に大学入試センターが留保するというふうに書くべきではありませんか。

なぜそうなっていないんですか、大臣。

 

○萩生田国務大臣

よく確認してみます。

 

○城井委員

この業務請負契約書は、今申した一点だけでもかなり業者寄りです。

もう一点、御指摘を申し上げたいと思います。

業務請負契約の第六条に、乙、つまり請負業者は、本業務を受託する事実を利用して取引を誘引することにより、本業務の中立性及び信頼性を損なってはならないとあります。

ただ、にもかかわらずなんですが、先ほどの、役員も兼任だということで、ほぼ一体の親会社、ベネッセがどんなサービスを今提供しているか。

名づけて、自己採点力育成サービスの展開をしているということであります。

採点請負業者が自己採点力向上をうたうサービスを売る、これは契約違反の営業活動じゃないですか。

露骨な利益相反ですよ。

大臣、こんなことを許していいんですか。

お答えください。

 

○萩生田国務大臣

お尋ねの自己採点育成サービスというシステムは、ベネッセコーポレーションが同社のこれまでの模擬試験の知見を使い、同模試の自己採点法を伝えるサイトを提供しているものだと承知しております。

また、採点事業者は、大学入試センターとの契約において採点業務を遂行しますが、それに伴いセンターから得た一切の情報について、目的外で使用できないこととされています。

このため、大学入学共通テストの公平性を損なうとは考えていません。

 

○城井委員

いやいや、大臣、既にそうした、採点を請け負うことがわかっているところが自己採点力の育成サービスみたいなサービスを出していたら、受験生はどう受けとめますか。

そういうことがないようにということで、この取引を誘引する云々という項目が一項目入っているはずなんですよ。

これに目をつぶったら、何をやったって叱られませんよ、大臣。

もう一個、御指摘申し上げます。

利益相反はまだあるんです、ほかにも。

平成二十九年にベネッセコーポレーションが首都圏の高校向けに行った研究会の資料、ここにあります、この研究会の資料の記載に利益相反が見られます。

この資料の百二ページの上段に、大学入試センター試験記述式採点アドバイザリー業務受託とうたっています。

プレテストの作成や採点アドバイザリー業務を受託したことを紹介しています。

現場や受験生から見たら、ああ、なるほど、あの会社がつくった模試が有利なんだなというふうに思

うわけであります。

業務を受託する事実を利用して取引を誘引することにより、本業務の中立性及び信頼性を損なっております、大臣。いかがでしょうか。

 

○萩生田国務大臣

事務方を通じて本件についてベネッセコーポレーションに確認をとらせたところ、御指摘のような資料が配付されていたことは事実であることが確認できました。

学校現場に対してこのような資料を配付することは、記述式問題の採点業務の中立性及び信頼性に疑念を招くものであり、厳重に抗議し、是正を促していきたいと考えております。

 

○城井委員

抗議は当然でありますが、契約違反であります。

この点を強く申し上げたいと思います。

こう書いているんです、そもそも。

アドバイザリー業務の主な内容ということで、四角囲みでやっているところがこうです。

記述式試作問題及び採点基準の作成に関すること、モニター調査の採点業務に関することというところをさわっています、扱っていますということをわざわざ強調しているんです。

ふざけるんじゃないと言いたいと思います。

どこがルールを守っているということになっているのか。厳重な抗議じゃ済みませんよ、大臣。

契約違反です。

この契約違反について、抗議では済まないということ、きちんと取り扱っていただけますね。

 

○萩生田国務大臣

本日、先生の通告を機に事実確認ができましたから、きちんとした対応をしてまいりたいと思います。

 

○城井委員

今申した、取引を誘引するために受託する事実をというお話でありましたが、ここはなかなか根が深いというふうに、大臣、思っております。

この採点請負業者との関係の部分で一つ一つたどっていきますと、見逃せない事実が浮かび上がってまいります。

きょう、通告の中で、平成二十九年プレテスト国語及び数学等の問題作成及び採点基準に関するアドバイザリー業務についてということで、この落札をしたところがどこかという問いを立てておりますが、大臣、そこをまずお答えいただけますか。

 

○橘委員長

よろしいでしょうか。

(城井委員「時間をとめてください。ゆっくりでいいですから。時計をとめてください、委員長」と呼ぶ)

ちょっととめてあげてください。

 

〔速記中止〕

 

○橘委員長

速記を起こしてください。

萩生田大臣。

 

○萩生田国務大臣

失礼しました。

当該アドバイザリー業務は、大学入学共通テストにおける記述式試験の実施に向けて、大学入試センターが作成するプレテスト用の記述式問題や採点基準の作成について民間事業者等のノウハウを活用するためのものだったと承知しています。

この時点でセンターに記述式問題の作問のノウハウがなかったので、民間事業者の有識者から助言を得ていたものと承知しています。

応札した業者の数は三社であったと承知をしておりますが、落札者は株式会社教育測定研究所及び株式会社ベネッセコーポレーションであったと承知しています。

 

○城井委員

今大臣からのお答えにも、作問に関するノウハウがなかったからというお答えがありました。

つまり、このアドバイザリー業務にかかわった今の教育測定研究所さんとベネッセさんについては、当然、作問についても民間事業者が関与したということでよろしいですね。

 

○萩生田国務大臣

問題作成はセンターから委嘱された委員の最終的な判断のもとで行われたと承知をしております。

 

○城井委員

私が聞いておりますのは、今申したアドバイザリー業務にかかわる二社が作問にかかわったか、つまり、問題作成や採点基準作成に具体的な提案をして採用された部分があるかないかということを聞いているんです。

大臣、もう一回お答えください。

 

○萩生田国務大臣

恐縮ですが、具体にちょっとわかりませんので、確認をさせてください。

 

○城井委員

あるというふうに思いますので、確認をぜひお願いしたいと思います。

続いて、平成二十九年度プレテストにおける実施補助業務、落札したのはどちらですか。

 

○萩生田国務大臣

応札した業者の数は四社でありました。

落札者は株式会社学力評価研究機構であったと承知をしております。

 

○城井委員

学力評価研究機構、つまりベネッセの子会社であります。

アドバイザリー業務はベネッセ、そして実施補助業務もベネッセの関連会社。

続きまして、もう一点。

平成二十九年度プレテストにおける国語及び数学の記述式問題採点関係業務について、落札者はどちらですか、大臣。

 

○萩生田国務大臣

応札した業者は四社と承知しています。

落札者は株式会社ベネッセコーポレーションと承知をしております。

 

○城井委員

これもベネッセであります。

今の部分で、じゃ、このベネッセコーポレーションは作問や採点基準の策定には関与しましたか。

 

○萩生田国務大臣

これも同様なんですけれども、問題作成はセンターから委嘱された委員の最終的な判断のもとで行われたと承知をしております。

大学入試センターは、受注者から記述式問題の採点という観点で助言を受けていますが、採点基準はセンターから委嘱された委員の最終的な判断のもとに策定されたものと承知をしております。

アドバイザリー業務を落札したベネッセ及び教育測定研究所は、契約に基づき、記述式問題及び採点基準の作成支援及び助言を行ったと承知しています。

しかしながら、問題作成及び採点基準の策定はセンターが委嘱した委員の最終的な判断のもとで行われたものと承知をしております。

 

○城井委員

私が聞いておりますのは、そのベネッセなどの提案が採用された部分があるかというところを確認したいわけであります。

大臣、もう一回お願いします。

 

○萩生田国務大臣

詳細を確認して報告させてください。

 

○城井委員

もう一点、平成三十年度プレテストにおける国語及び数学の記述式問題採点関係業務について、落札したのはどちらですか。

 

○萩生田国務大臣

落札者は株式会社ベネッセコーポレーションと承知をしております。

 

○城井委員

ベネッセということでした。

そのベネッセは、採点基準の作成や作問に関与をしましたか。

 

○萩生田国務大臣

問題作成はセンターから委嘱された委員の最終的な判断のもとで行われたと承知しています。

採点基準の策定はセンターが委嘱した委員の最終的な判断のもとで行われたと承知をしております。

問題作成はセンターから委嘱された委員の最終的な判断のもとで行われたと承知をしております。

 

○城井委員

この業務の仕様書の四ポツ、業務の概要の中の二、正答の条件等の作成支援という項目があり、ここに、可能な限り代替案、受注者と協議の上とあります。

正答の条件等の作成支援にかかわるならば、ほぼ作問に関与したのと同じだというふうに考えます。

大臣、この点いかがでしょうか。

 

○萩生田国務大臣

確認してお答えしたいと思います。

 

○城井委員

ここまで、いわゆるプレテストが二回あり、その試験をつくる業務、そこを補助する業務ということをいわゆる一般競争入札の形で進めてきたというのが国会に対する説明であったわけですが、じゃ、実際に作業に携わったのは誰ですか。落札者は誰かということを今ずっとたどってきました。

全てベネッセかその関連会社が本体の作業にかかわっているということがこの場でも確認ができたと思います。

つまり、これまでは、採点業務に民間企業がかかわるのはどうかということも一つ論点として申し上げてきたんですけれども、そもそもが、今回の本試験や追再試験の問題をつくるに当たって、そのベースとなる試行調査、プレテストをつくる段階から全部、ベネッセ、ベネッセ、ベネッセ、ベネッセなんです。つまり、もう既に下地が、特定の民間企業による下地のもとで作問をしたり採点基準をつくったりということですから、その作問したものや採点基準を、今度はその作問や採点基準にも関与した企業の子会社が採点業務に当たります、こういう話になっているわけであります。

こういうのを世の中では何と呼ぶかといえば、利益相反というふうに呼ぶわけであります。

採点の前に作問や採点基準のところに関与していて、そして、テストをしました、点数をつけますのと

ころも同じ会社がやっているだと、これは文部科学省や大学入試センターは要らないんじゃないか、民間企業だけでやった方が中間経費がなくなるじゃないかというふうに誤解されかねないというふうなぐらい、作問、採点基準、正答条件そして採点というところが一体で進んできたという事実をお示ししています。

大臣、これは明らかな利益相反であります。

お調べの上で、この利益相反が正されない限りは今回の試験はできない、記述式問題の導入はできないということを私は強く申し上げたいと思いますが、お答えいただけますか。

 

○萩生田国務大臣

大学入学共通テストの本試験の問題作成については、これまでの試行調査の検証の結果も踏まえつつ、大学入試センターが委嘱した委員の責任のもと、大学入試センターにおいて実施するものです。

しかしながら、今先生から御指摘が幾つかありまして、確認をしなきゃならない事態がありますので、しっかり確認の上、またお答えをさせていただきたいと思います。

 

○城井委員

大臣は、きょうの答弁でくしくも、大学入試センターには作問のノウハウがないのでという趣旨の御発言をなさいました。

つまり、この一連の落札者たるベネッセコーポレーションとその関連会社によるノウハウの提供が、本試験の作問や採点に至るまで脈々と受け継がれる形に結果としてなっているという、露骨な利益相反の状況だということが正されない限り、今回の記述式問題導入については到底認めることはできない、中止すべきだということを申し上げまして、私の質疑を終わりたいと思います。

ありがとうございました。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区