教育機会確保法にまつわる課題と問題点、特にフリースクールの質の確保について

2019年3月15日 衆議院文部科学委員会

○城井委員

国民民主党の城井崇です。

本日も、柴山文部科学大臣に現場の声を伝えながら、真剣議論でいきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

さて、本日はまず、教育機会確保法にまつわる課題と問題点、特にフリースクールの質の確保について大臣にお伺いしてまいりたいと思います。

日本の引きこもり問題は、五〇二〇問題、つまり五十歳代の親が二十代の子供を見ているという状況から、八〇五〇問題、八十代の親が五十代の子供を見ているという状況に今移行しつつあります。

不登校段階での早目の国の真剣な取組が求められているというふうに考えています。不登校問題を解決できないことは、日本の義務教育制度を揺るがす問題だと認識すべきであります。

以上の認識に立ちまして、以下、質問いたします。

まず一つ目です。

大臣、そもそもフリースクールに対する公的な財政支援の状況、国や地方、さまざまあると思いますが、どのように把握をされていますか。

 

○柴山国務大臣

都道府県教育委員会が独自にフリースクールで学ぶ不登校児童生徒の経済的支援を行っている事例がありますので、そういった事例を網羅的に把握しているわけではありませんけれども、例えば、京都府では、京都府教育委員会認定フリースクールを指定いたしまして、当該フリースクールに通う子供たちの体験活動費について補助しているというようなことを伺っております。

文部科学省の取組ということで申しますと、平成三十年度予算において、学校以外の場における教育機会の確保等に関する調査研究、この調査研究といいましても、実際の人件費補填などの予算計上もさせていただいておりまして、フリースクール等で学ぶ、経済的に困窮した家庭の不登校生徒に対しまして、通学や体験活動に必要な費用を支援するなどしております。その予算額としては、一・六億円というふうに承知をしております。

 

○城井委員

今御紹介いただいた事例は承知されていると。ただ、網羅的には把握していないというお話だったかと思います。

大臣からお話のあった調査研究は、あくまでモデル調査だというふうに考えています。その意味では、全国津々浦々にフリースクールがたくさんございますが、そこをまだ国としてもうまく捉えられていないという状況かというふうに思います。

ここはきっちり把握をすべきだと思います。フリースクールへの予算の分配の公平性という観点からであります。この公平性は国が担保すべきだというふうに考えます。

財政支援が、実は各地域でかなりばらばらな状況があります。この現状をぜひ捉えていただきながらと思いますけれども、そうした現状について、大臣、いかがお考えでしょうか。

 

○柴山国務大臣

文部科学省としては、先ほど申し上げたとおり、都道府県による財政支援の実態を網羅的に把握しているわけではありませんけれども、実は、このフリースクールというのは、法的規制や行政上の指導監督に服することなく、それぞれ民間において自由に設置、運営されているものでありまして、まさしくその規模や活動内容がさまざまであるということが特色なのかなというように考えております。

ということで、各地域によりその財政支援に差が生じているということでありまして、ただ、確かに、不登校児童生徒の支援に係る差が、その不登校児童生徒への十分な対応を妨げているということになってはいけませんので、まずは都道府県における財政支援の実態の把握を今後していきたいというように考えております。

 

○城井委員

ぜひ実態把握をお急ぎいただきたいと思います。

民間設置だというのは確かにそうなんです。ただ、ニーズが高くなっていますので、税金投入は今後広がってくるだろうという部分がありますのと、じゃ、そのフリースクールが、いわゆる義務教育の一端の部分を担う、あるいは義務教育にかわるものとして計算するということが今後見込まれる部分があるわけです。そういたしますと、単に、民間だから民間の発想で、ルールで、自由でということにはならない。つまり、公的教育の一端の部分にフリースクールも入ってくるという状況になるということをぜひ考慮いただいた上で、調査を急いでいただきたいというふうに思います。

そもそも、フリースクールはかなり場所が偏在をいたしております。存在しない地域も多くあります。地域に存在する場合でも、認知されていないケース、あるいは個々の児童生徒にとって適切な支援の場か判断をする情報が乏しいケースが間々あります。こうした実態調査や認知度向上、そして情報提供について、国の見解を聞かせてください。

 

○柴山国務大臣

教育機会確保法及び同法に基づく基本指針において、児童生徒やその保護者などに対しまして、不登校児童生徒に対する支援を行う機関等、必要な情報の提供、助言などを行うものとされております。

文部科学省といたしましては、現在、不登校児童生徒の支援に係る実態調査を、先ほど申し上げたとおり実施をしておりますし、また、全国の教育委員会向けの会議などにおいても、同法及び基本指針の内容等について、不登校児童生徒等への情報提供の必要性も含め、周知を行っているところであります。

引き続き、不登校児童生徒の支援の強化とあわせて、教育機会確保法及び基本指針の内容等について、さまざまな機会を捉えて周知徹底に努めてまいりたいと考えております。

 

○城井委員

フリースクールの実態についても少し触れておきたいと思います。

理科室や体育館などの設備がないフリースクールがあるという事実を国として把握をしていらっしゃるでしょうか。例えば、京都のフリースクールは、近隣の学校に出向いて理科の授業を教員から受けている、こうした事例もありました。過去には居酒屋として使われていた店舗を借りて、昼間にフリースクールを開いていたという例もあります。

児童生徒の安全と健康を守る教育環境を備えているか調査を行っていないのではないか。先ほどの、公的な教育の部分を一部担う可能性が高いのに、こういう状況だということであります。このことを大変危惧をいたしております。

これらのような、受皿としてのフリースクールの質の上での格差が各地域で生じておりますが、これは放置できないと考えます。大臣のお考えをお聞かせください。

 

○柴山国務大臣

フリースクールは、NPO法人などの多様な主体が設置しているものでありまして、その施設もさまざまであります。どのような設備を設けるかということについては、設置主体が判断をし、そして、今御紹介をいただいたように、さまざまな工夫をされることとなるかと思います。

文部科学省としては、先ほども紹介をさせていただいた、学校以外の場における教育機会の確保等に関する調査研究において、フリースクール等の相互評価のあり方について調査研究を行うなど、フリースクール等における活動の質の向上に資する取組を行っております。

この調査研究で得られた成果を分析、普及することでフリースクール等における活動の質の向上を促し、もって不登校児童生徒への支援体制の充実を図ってまいりたいと考えております。

 

○城井委員

調査研究、モデル調査の部分での確認をということでございますが、税金投入がふさわしいか、公教育の担い手としてふさわしいかという点は、今後のフリースクールに対するかかわり方のその手前の話ではないか、義務教育の基本に照らしたときにどうかということかというように思いますので、その点はぜひ分けて考えていただきたいというふうに思います。

なぜこうしたことにこだわっているかという点をもう一点触れたいと思います。

フリースクールへの子供の通学が家庭の判断になるというのが、民間設置というところである一つの危険性であります。子供のフリースクールへの通学を家庭が判断することの危険性、この判断、どこが判断して責任を負っていくべきなのか。

もし、家庭の判断に任せました、でも民間設置で質の内容よくわかりませんとなったときに、じゃ、ふだんは、文部科学省としては公教育の一環で学校でその質を確保していますということは責任がとれる、でも、教育機会確保法によって、フリースクールの中でも、公教育、国が保つべき教育の質の確保の一端、そこにも入ってくるとしたならば、もしそこで、家庭の判断でしたということで触れないとしたときに、結局、その子供がそのまま育っていって何の資質や能力もつかないということが起こったときにどうか、この点を心配しています。

大臣、いかがでしょう。

 

○柴山国務大臣

大変難しい問題だと思います。今委員から御紹介をいただいた教育機会確保法の第十三条においては、不登校児童生徒の休養の必要性ということを踏まえて、「必要な情報の提供、助言その他の支援を行うために必要な措置を講ずるものとする。」ということが書かれているわけです。

ただ、いじめられている児童生徒などの緊急避難としての欠席がこの条文を理由に弾力的に認められてよいというように考える一方で、そのような場合には、学習に支障がないことなどへの配慮をすることが必要でありまして、不登校児童生徒の社会的自立を目指す観点から、当該児童生徒や保護者の意思を尊重しつつも、学校がまさしく個々の不登校児童生徒の状況等について把握をし、適切な支援策を決定するということが重要であるというように考えております。

今申し上げたような方針は、平成二十九年三月に文部科学大臣が策定をした基本指針においても明らかにしているところでありまして、引き続き、本指針の趣旨について、さまざまな機会を捉え周知徹底していきたいと考えております。

 

○城井委員

学習に支障がないということで、その点を重視している旨を今触れていただいたかと思います。

もともと、公教育では、学校施設、教育内容、そして教員、この三つでもって、教育の質の担保、つまり学習に支障がないようにということをやってきているはずで、そこを今回のフリースクールにどう照らしていくかということ。フリースクールだから特別扱いでその三つは外してもいいよという話にはならないのではないか、税金投入があり、そして公教育の一端を担うならばということであります。

その上で、今大臣からお触れいただいた、教育機会確保法にございます休養の必要性を踏まえてという一言が、少し違った形でボールがはねていってしまっているんじゃないかというふうに感じておりまして、この点を質問したいと思います。

休養の必要性を踏まえてということで、休ませるのだからと、教員のアウトリーチ、つまり家庭訪問が減ってしまっているのではないかということを大変心配しています。

もちろん、子供に対して結果的に登校を強制するような形になってしまうような家庭訪問では問題です。不登校の要因は百人百様だと考えています。休養が必要な場合と、休養させることが子供の不利益になる場合があります。追い詰めるような家庭訪問にならないように、教員の側の勉強も必要なのは言うまでもありません。義務的な訪問も逆効果だと思います。

ところが、この休養の必要性を踏まえてという文言について、学校の先生が子供に、不登校の子供は学校に行かなくてもいいという法律ができたと説明するケースも生じています。現場で聞きました。この文言の持つ問題をどのように考えるか。

以上を踏まえて、大臣、不登校の子供たちに対する教師による家庭訪問による状況把握がなされているか、今後どう対応していくか。せんだっての委員会での質問では、機会を捉えてという大臣答弁でしたが、この休養の必要性を踏まえてという文言の誤解が生じているならば、大きな問題だと思います。改めて、大臣、見解を聞かせてください。

 

○柴山国務大臣

委員御指摘のとおりであります。

不登校の要因、背景は本当にさまざまなんですけれども、効果的な支援を行うためには、そうした不登校のきっかけや継続の理由、当該児童生徒が学校以外の場において行っている学習活動の状況について、これを継続的に把握することが必要であると考えております。

そのため、先ほど申し上げたとおり、個人のプライバシーの保護ですとか、また不登校児童生徒や保護者の意思を尊重しつつも、家庭訪問による把握を含めた学校や教育委員会による状況把握を行うことが重要と考えます。

先ほど申し上げた、平成二十九年三月三十一日の文部科学大臣の決定等もございます。各学校において、家庭訪問などによって、個々の不登校児童生徒の状況の把握及び状況に応じた効果的な支援が行われるよう、そうした考え方の周知徹底にしっかりと、委員の御指摘のとおり、努めていきたいと考えております。

 

○城井委員

ありがとうございます。

家庭訪問は極めて重要だと思います私が申し上げている趣旨は、休養の必要性を踏まえてということについての誤解によって家庭訪問が遠のきますと、例えば発達障害ですとか、先ほどの質疑でもありました、虐待の早期発見などを行うことができないのではないか、この点が家庭訪問をしなかったら見つからないかもしれない、ここを極めて心配をしています。

まず、発達障害から伺います。この発達障害的傾向が見られる児童生徒は、その特性を早期に発見するのと同時に、個別具体的な指導、支援、相談体制が求められます。休養の必要性といって、もし放置をしていると、症状が進んでしまい、早期対応が間に合わないケースがあります。通級指導教室の充実や校内設置など、特に小学校への具体的支援対策をどのようにお考えか、この点について、大臣、お聞かせください。

 

○柴山国務大臣

発達障害のある児童生徒はどの学校にも在籍する可能性があり、各学校において適切な指導や必要な支援を受けられるようにしていくことが必要です。

特に、障害の早期発見については、適切な支援につながることで、自己肯定感の低下を防いだり、まさしく今委員が御指摘のような不登校などの二次的な課題を防いだりすることにつながるわけですから、非常に重要であると認識をしております。

そのための対策ということなんですけれども、文部科学省では、平成三十年三月に、就学児健診における発達障害の発見の重要性や具体的な取組方法について、また、健康診断結果を就学先に引き継ぎ、小学校入学後の支援につなげていくよう努めることについて新たに明記するなど、就学時の健康診断マニュアルの改定を行うとともに、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所、久里浜にありますけれども、ここにおいて、指導的立場にある特別支援教育の担当教員を対象とし、不登校などの二次的な課題に対する支援を含む研修を実施するなどの取組を行っております。

また、発達障害を含め、障害に応じた通級による指導を受ける児童生徒の数が増加傾向にあるということを踏まえまして、平成二十九年に義務標準法を改正し、これまで加配定数として措置してきた小中学校における通級による指導に係る教員定数の一部について、対象となる児童生徒数等に応じて算定される基礎定数化をいたしまして、通級による指導の専門性を高めるためのモデル事業の実施や、通級による指導の方法、内容のガイドの作成の検討を行うなど、各自治体における取組を支援をしているところであります。

今後とも、文部科学省としては、発達障害のある児童生徒の早期発見及び一人一人のニーズに応じた支援の充実、これらを図るために努力をしていきたいと考えております。

 

○城井委員

次に、虐待対応についても触れておきたいと思います。

休養の必要性に依拠し過ぎて教師による家庭訪問が減りますと、虐待を受けている子供を見逃すケースもあります。休養の必要性とともに、教師の働き方改革が強調され過ぎる余り、必要な家庭訪問まで行わない教師がふえているのではないか。

痛ましい虐待事案が次々発覚しています。救えたはずの命は必ず守る。日本の国力を支えてきましたのは、日本人の勤勉さや真面目さや緻密さです。

その教育を担ってきた学校への信頼が問われています。

大臣、休養の必要性を踏まえるということは大事なんですが、そこと同時に、先ほどの発達障害やあるいは虐待対応を念頭に置いた学校での家庭訪問の重要性、改めて、しっかりやるべしということで現場に対しても御指示をいただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

 

○柴山国務大臣

家庭訪問による、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフとの連携、分担も含めて、そうした児童の状況把握をしっかりと行っていくということを我々としては後押しをしていきたいと考えております。

なお、今御指摘になられた児童虐待のリスクということが、今回の野田市の案件もそうですけれども、大変重要な課題としてクローズアップをされてまいりました。

家庭訪問をする中で児童虐待のリスクが見つかることもあるわけですから、そういった場合、速やかに市町村や児童相談所等関係機関に情報共有や通告が行われるものと考えておりますので、そういったことも含めて適切な早期対応がなされるよう周知徹底をしなければいけないと考えておりますし、まさしく、ことし二月八日の関係閣僚会議の決定に基づいて全国の小中高等学校及び教育委員会に対して緊急点検を行った際に、二月一日以降一度も登校していない児童生徒などを対象に、学校の教職員等が面会を行うということを通知をし、その点検活動を三月八日までに完了して、その結果を、昨日、三月十四日までに文部科学省に報告することとしております。

この結果は、今集計中でありますので、また改めて報告をさせていただきたいと思います。

 

○城井委員

緊急点検での結果は、ぜひ御報告をお願いしたいというふうに思います。その上で、家庭訪問での子供をやはり直接確認をしてということの重要性を引き続きしっかり御指示をいただきながら、取組をいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区