首都圏等の企業の地方移転や地方拠点の強化に関する質問主意書 衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
平成二十九年十一月三十日提出
質問第七一号
首都圏等の企業の地方移転や地方拠点の強化に関する質問主意書
首都圏等の企業の地方移転や地方拠点の強化に関する質問主意書
北九州市では、首都圏等の企業の地方移転や地方拠点の強化が、地方創生を進めるために重要な取り組みのひとつであると位置づけられている。
北九州市は、「アジアに近い」・「地震等の災害リスクが低い」という地理的特性や、陸海空の物流機能の充実、労働力の安定的確保を可能とする豊富な人材、安価な工業用水をはじめとする産業インフラの充実等、北九州市の地域資源を最大限活用し、企業誘致に積極的に取り組み、着実に実績を上げている。
そこで、政府のいう地方創生の目指す趣旨を実現する観点から、首都圏企業の本社機能の移転や、北九州市をはじめとした地方に存する企業の業務拡大を促進する必要性に鑑み、以下質問する。
一 国土交通省を中心に取り組んでいる「コンパクトシティ」を地方で実現していくためにも、主要駅周辺など都市中心部において、地方に供給の少ないオフィスビルを建設した事業者に対する補助制度を国として創設すべきと考えるが政府の見解を示されたい。
二 首都圏等の人口が多い地域で学ぶ学生が、地方や出身地域など「首都圏等の人口が多い地域」以外の地域で就職できることを促す支援策を国として拡充すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
三 増加する未利用の工場跡地等の利活用を推進する支援策を国として創設すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
四 国内拠点の研究開発機能の付与・強化やマザー工場化等、地方に存する企業の研究開発・生産性向上を促進するための支援策に国として取り組むべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
平成二十九年十二月八日受領
答弁第七一号
内閣衆質一九五第七一号
平成二十九年十二月八日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員城井崇君提出首都圏等の企業の地方移転や地方拠点の強化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員城井崇君提出首都圏等の企業の地方移転や地方拠点の強化に関する質問に対する答弁書
一について
政府としては、都市機能の更新等を図るため、都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)に基づき施行される市街地再開発事業等によりオフィスビル等の整備が行われる場合には、当該事業の施行者に対して、社会資本整備総合交付金により必要な支援を行っているところである。
二及び四について
政府としては、地方人材還流促進事業や地方創生インターンシップ事業を通じて、学生の地方等での就職を促進しているところである。
また、地方創生に向けた施策の一つとして、地方における企業の本社機能の拡充を支援しており、具体的には、事業者が、地域再生法(平成十七年法律第二十四号)第五条第四項第五号に規定する地方活力向上地域において、研究開発部門のために使用される事務所又は研究所を含めた同号に規定する特定業務施設を整備した場合に、新たに取得した建物や新規従業員の雇入れについて課税の特例等の措置を講じ、地方の企業の研究開発の推進及び生産性の向上並びに地方での若者の雇用創出に向けて取り組んでいるところである。
政府としては、引き続きこれらの施策に取り組んでまいりたい。
三について
政府としては、未利用の工場跡地の利活用を推進するために必要となる道路、公園等の公共施設の整備が行われる場合には、当該整備を行う地方公共団体に対して、社会資本整備総合交付金により必要な支援を行っているところである。
また、産業構造審議会地域経済産業分科会工場立地法検討小委員会において、工場立地法(昭和三十四年法律第二十四号)第二条第一項の規定に基づき行われる工場適地の調査について、御指摘の工場跡地等の遊休産業用地の活用を含め、新たな工場適地の考え方を踏まえた調査方法等の検討を行っており、この検討の結果を踏まえた工場適地の調査の実施により工場跡地等の実態を把握し、工場跡地等の有効活用に資する効果的な情報提供に努めてまいりたい。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区