新型コロナウイルス感染拡大で影響を受ける奨学金への対策を文部科学省に聞きました 衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
新型コロナウイルス感染拡大で影響を受ける奨学金への対策について、当事者などから様々な問い合わせや意見要望が寄せられています。文部科学省にまとめて確認を取りましたので、以下にQ&Aを示します。
○新型コロナウイルスの国民生活へ与える影響により、奨学金の返済が困難となる者が急増することが予想されるため、政府は奨学金の返済期限を猶予すべきではないか。
(答)
1.独立行政法人日本学生支援機構の奨学金事業においては、従来より、返還者に傷病、経済困難などの返還困難な事情が生じた場合に、返還期限を猶予する制度や一定期間の割賦金額を2分の1、あるいは、3分の1に減額する制度を整備しており、奨学金の返還困難者への負担軽減の支援に努めています。
2.こうした返還支援制度を必要としている者が活用できるよう、引き続き、しっかりと周知を図っていきます。
○返済期限猶予制度における現在の所得基準(年収300万円以下、給与所得者以外は年間所得200万円以下)を、政府は大幅に緩和すべきではないか。
(答)
1.独立行政法人日本学生支援機構の奨学金事業は、貸与した学生等からの返還金が次世代の学生等への奨学金の原資となっており、返還できる方からは返還してもらうことが重要であると認識しています。
2.御指摘の所得基準の大幅な緩和については、奨学金事業の健全性確保の観点から、慎重な検討が必要と考えています。
○政府は奨学金の返済に延滞があることによって、返還期限猶予制度の利用を制限すべきではないのではないか。
(答)従来より、延滞状態にある者が、例えば経済困難を理由に返還が困難な場合については、独立行政法人日本学生支援機構に市町村等が発行する所得証明書等を提出していただくことにより、奨学金の返還を猶予するなど、柔軟な対応をしています。
○政府は、新型コロナウイルスによる国民生活への影響が収束するまでの間、今後利用する返還期間の猶予期間は、返還期限猶予制度の通算利用可能期間である10年には参入すべきではないのではないか。
(答)
1.独立行政法人日本学生支援機構の奨学金事業は、貸与した学生等からの返還金が次世代の学生等への奨学金の原資となるため、奨学金事業の健全性確保の観点からも、猶予期限の更なる延長は難しいと考えます。
2.なお、経済困難による返還期限猶予の10年を超える場合であっても、条件を満たせば減額返還制度や他の猶予制度への移行も可能としていますので、このような制度も利用していただきたいと考えます。
○政府は、返還猶予期間を過ぎてしまい、返済が困難な事情を抱える場合にも、同様の期間、返還期限猶予を利用できるようにすべきではないか。
(答)※再掲
1.独立行政法人日本学生支援機構の奨学金事業は、貸与した学生等からの返還金が次世代の学生等への奨学金の原資となるため、奨学金事業の健全性確保の観点からも、猶予期限の更なる延長は難しいと考えます。
2.なお、経済困難による返還期限猶予の10年を超える場合であっても、条件を満たせば減額返還制度や他の猶予制度への移行も可能としていますので、このような制度も利用していただきたいと考えます。
○政府は、家計急変に対応して、前年度の所得基準ではなく、直近1ケ月分の収入証明でも認めるなど、簡素な手続きと柔軟な運用により、迅速に返還期限の猶予が受けられるようにすべきではないか。
(答)返還者に傷病、経済困難などの返還困難な事情が生じた場合に返還期限を猶予する制度においては、家計が急変した者を救済するため、減収を証明する書類での審査も行っており、従来から柔軟な対応に努めています。
○政府は、奨学金の返還者本人、連帯保証人、保証人に対して、大幅に利用基準を緩和した返還期限猶予制度を、個別に周知し、利用を促すべきではないか。
(答)
1.独立行政法人日本学生支援機構においては、今般の新型コロナウイルス感染症の影響で、支援を必要とする者が容易に情報を得ることができるよう、ホームページ上に「新型コロナウイルス感染症への対応について」という特設のページを開設し、返還期限猶予制度を含む各種情報について周知徹底を図っているところです。
2.さらに、個別の相談にも対応できるよう奨学金相談センターにおいても、返還期限猶予制度を含む各種情報について周知を丁寧に行っており、これらの取組みを通じて、奨学金の返還に係る不安が軽減されるよう、引き続き、努めていきたいと考えます。
○政府は、日本学生支援機構の相談体制を拡充するとともに、業務量の増加にも対応できるよう人的体制の整備のための予算措置を行うべきではないか。
(答)日本学生支援機構の相談体制拡充および人的体制の整備は重要な課題であることから、文部科学省としても予算措置等必要な方策を検討していきたいと考えます。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区