共通一次試験は「実施困難」の声を受けて、1年延期された 衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

大学入試共通テストや大学入試センター試験の前身である共通一次試験は「実施困難」の声を受けて1年延期された、という事実。経過を調べてみました。受験生のことを考え、大臣の決断で方針を変えた、との前例です。英語民間試験導入も立ち止まれます。

 

○共通一次第一次学力試験(共通一次試験)は、昭和54年(1979年)から実施されました。

○当初、文部省は昭和53年(1978年)から実施する予定としていましたが、現場からの「実施困難」の声を受けて、再検討した結果、実施時期を1年延期しました。

 

○昭和46年頃から、文部省及び国立大学協会は、共通第一次学力試験の導入に向けて、検討・調査研究を行っていました。

参照「大学入試センターと入試改善」独立行政法人大学入試センターウェブサイト(リンク)

参照「国立大学の入試改善について」文部科学省大学局大学課(厚生補導1976年12月)

 

 

○昭和50年3月、文部省の大学入学者選抜方法の改善に関する会議は、総会で昭和53年度入試から共通一次を行う旨の報告書を文部大臣に提出しました。

参照「国立大学の入試日 53年から一本化」(読売新聞1975年3月27日)

 

参照「国立大学入学者選抜期日の一元化について」(文部時報1977年6月)

 

 

○しかし、昭和51年6月に行われた国立大学協会総会後の記者会見で、同協会の岡本道雄入試改善調査委員会委員長は、「大学入試センター等の整備、各大学の二次試験作成及び受験生の準備等のための時間の確保が必要である」との理由から、昭和53年度の実施が困難であるとの印象を明らかにしました。

参照「国立大の共通一次試験 53年実施は困難」(朝日新聞1976年6月24日)

 

 

○これを受けて、国立大学協会関係者と文部省との間で、数回の協議が行われました。

文部省は昭和54年度からの実施を前提に、共通一次の実施主体となる大学入試センター設置等に係る予算を昭和52年度予算で要求しました。

参照「大学共通一次試験 54年度実施確実に」(朝日新聞1977年1月19日)

 

○昭和51年11月、国立大学協会は総会において、共通一次実施は昭和54年度入試から可能であるとの結論を出し、昭和52年4月には大学入試センター設置のための「国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律」が成立し、同年7月には大学入試センターが「昭和54年度大学入学者選抜に係る共通第1次学力試験実施大綱」を発表しました。

参照「54年度から実施」(朝日新聞1976年11月19日)

 

参照「大学入試センターの設置と共通第一次学力試験の実施について(資料)」文部省大学局大学課(厚生補導1977年6月)

 

参照「「足切り」「12月実施」 大学側の論理先行」(読売新聞1977年4月23日)

 

 

○昭和52年7月の大綱では、共通一次実施時期は昭和53年12月とされていましたが、高校等からの再検討の要望を受け、昭和53年1月、国立大学協会は実施時期を昭和54年1月中旬に繰り下げることを決定、文部省はこの決定を大学入試改善会議に諮り、了承されました。

参照「共通テスト12月23日・24日(来年) 国・公立大の全校で」(読売新聞1977年7月3日)

 

参照「共通テスト実施大綱内容」(読売新聞1977年7月3日)

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区