【文部科学省から回答あり】公開会場として実施団体が借りる学校会場で、一部生徒を優先した席の確保はルール違反では? 他校生徒や浪人生に対して不公平では? 衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
10月7日の英語民間試験問題の野党合同ヒアリングの前に野党側から依頼した事前の質問に対して文部科学省の回答を改めて文書でいただきました。以下、文面を貼ります。
昨日の野党合同ヒアリングにおいて、口頭で説明した内容について、改めて文書で回答いたします。
<経済的に厳しい生徒には、どのような対象(所得条件など)の生徒が、どのような受験料の軽減措置を受けられるか、その軽減分は国が負担するのか、英語民間試験業者が負担するのか、どのような生徒がどのように軽減を受けられるかは、誰が、いつの時点で判断するのか。>
○ 資格・検定試験における受験料減免の配慮を希望する場合は,共通ID発行申請時に,大学入試センターに申請(学校経由での申込の場合は各所属校長、既卒者等の場合はセンターが認定)することになりますが、受験料減免対象者は①住民税所得割非課税世帯の者、②生活保護(生業扶助)世帯の者、③文部科学省「高校生等奨学給付金」受給者です。
併せて,資格・検定試験の受験申込時に,試験団体が定める手続に従って申請していただくことになります。
<最も高い受験料の試験は2回合計でいくらか。また、軽減された場合はいくらになるか。その費用は、経済的に厳しい生徒も負担可能と考えているか。>
○ IELTSの50,760 円(25,380 円×2回)で、軽減額は試験団体において検討中です。
なお、経済的に困難な受験生が、どの程度の検定料であれば、負担可能かどうかは一概に言えないため、お答えすることは困難です。
<試験会場から遠い地方の生徒で民間試験のために高額の交通費や宿泊費がかかる場合は、どのような対象者に対し、いくらの費用補助が出るのか。どのような生徒に交通費や宿泊費の費用補助が出るかは、いつ誰が判断するのか。>
○ 令和2年度概算要求において,英語民間試験の受験に係る交通費・宿泊費への費用補助は盛り込んでおりません。
なお,離島に居住する高校生については、本土や近隣離島での受験に係る交通費や宿泊費を支援するため、地方公共団体の事業に対し、国が1/2 補助を行うための経費を措置することができるよう概算要求(約1,600 万円)をしています。
財政当局との折衝を経て年末に予算規模が固まり、対象費目や対象者が決定される予定です。
<英語民間試験については、地方の生徒や低所得の生徒が不利になる、という認識を文科省は持っているか、持っていないか。もし、そのような認識を持っているなら、どのような対策を講じるのか。>
○ 地域・経済格差についての懸念や不安などが指摘されていることから、受験会場を可能な限り設置するため,大学や地方公共団体に対し、会場設置への協力を要請する通知を発出しており、特に国立大学に対しては、会場設置や使用料金の減額又は免除の協力を要請しているところです。経済的に困難な受験生については,試験団体に検定料の低減を要請しているところです。
<民間の試験業者が、高校を試験会場に借りる場合、『会場となる高校の生徒は、優先的にその試験会場で受験させる』と話して、高校に会場を借りる交渉をすることは許されるか。それとも試験の受付においては、その高校の生徒も他の高校の生徒も公平に対応するのか。>
○ 事前に御指摘のような内容が事実かどうかについて問い合わせがあったため、試験団体に確認したところ、公開会場として高等学校を使用する場合は、近隣地域の受験機会の確保のために、他校生の受け入れを前提とし、自校受験も認めている、との回答であり、さらに事実関係について確認中です。
<英語民間試験をする事業者が、ビジネスとして、その試験についての対策講座を実施したり、対策問題集を販売し、利益を得ることについては、『試験実施主体が対策講座や対策問題集でお金を設けるのは問題ではないか?』との指摘があるが、制度として問題ではないか。>
○ 試験対策問題集を発行している試験団体が存在することは承知していますが、各試験団体における問題漏えいを防止するための取組として、
①実際の試験内容にアクセスできる人はごく限られており、問題集の著者、編集者、出版社はアクセスできないようにしている
②試験問題を作成する組織と問題集を作成する組織は分離されており、試験問題は、担当者のみが入室することができる専用執務室で作成されている
③本番の試験で使用される問題が他の用途で使われることのないよう、厳密な管理が行われていること等を確認しているところであり、当該情報を「大学入試英語ポータルサイト」に試験団体別に掲載しています。
なお、英語資格・検定試験の受験者は、大学受験生に限定されないことから、試験団体による問題集の発行を禁止することは困難であると考えています。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区