年金の底上げのための年金法の修正は厚生年金の積立金の流用なのか 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2025年6月6日衆議院予算委員会
○安住委員長
次に、城井崇君。
○城井委員
立憲民主党の城井崇です。
質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。
石破総理、今回もよろしくお願いいたします。
今回は、まず、年金法改正案の修正、特に、厚生年金と遺族年金について伺います。
今回の年金法改正案の修正は、現役世代の厚生年金の目減りを防ぐものです。現在の年金のままでは、今から32年後、2057年までは、物価が上がっても年金額が上がりません。
マクロ経済スライドがかかるためです。
それが続くと、基礎年金の実質価値が3割下がり、厚生年金も減ってしまいます。
基礎年金の95%は、厚生年金の一階部分を占めるからであります。
立憲民主党は、自民党、公明党と合意をして、年金の底上げを目指しています。
今回の修正で、今から13年後からは、物価が上がれば、受け取る厚生年金も物価上昇と同じ比率で増える仕組みに変わります。
将来世代の年金の底上げです。
この年金底上げは、就職氷河期世代が年金を受け取る時期に間に合います。
一方で、厚生年金積立金の流用ではないかとの意見もあります。
総理、今回の年金底上げの修正は、流用でしょうか。
総理からはっきりお答えください。
○石破内閣総理大臣
流用ではございません。
それは、こういうことなのですよね。
委員御指摘のように、厚生年金で積み立ててきたものをそっちの方に回すのは、それは流用であって、厚生年金を積み立ててきた人の意思に反するんじゃないの、こういうような御指摘はかなり前からございました。
流用というのは余りポジティブな響きがございませんので、何かよからぬことをやっておるようなというようなイメージが持たれたということではないかと思っておりますが、委員御指摘のように、厚生年金の保険料には基礎年金分が含まれておりますので、従来から、厚生年金の保険料や積立金は、報酬比例部分だけではなくて基礎年金の給付にも充てられておったということが事実でございます。
修正案によります措置は、申し述べておりますように、現在でも行っている厚生年金の積立金の基礎年金への活用。
流用ではなく、活用を更に行うことで基礎年金の給付水準を上げるということを目的としておりまして、流用に当たるという御指摘は当たらないと考えております。
令和6年財政検証におきます実質ゼロ成長を見込んだケースでは、厚生年金の積立金と追加的な国庫負担、これを活用して、仮にこれを実施した場合に、最終的には、99.9%を超えるほぼ全ての厚生年金受給者の方の給付水準が上昇すると見込まれておるものでございます。
いろいろな御提案をいただき、誠にありがとうございます。
(発言する者あり)
○安住委員長
静粛に。
○城井委員
総理から答弁いただきました。
活用ということであり、流用ではないということでございました。
総理、年金はただでさえ入り組んだ仕組みであります。
分かりやすい説明が必要だと思います。
また、厚生年金勘定の財政の再検証の話にも少し触れていただきましたが、ここでの追加的な負担などを含めて、ここを詰めた議論を分かりやすくやっていく、ここが重要だと思っていますので、引き続きお願いしたいというふうに思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)