船員の教育訓練の実技講習、受講料の負担を軽減して、講習機関を増やすべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2025年4月16日衆議院国土交通委員会
○城井委員
続きまして、船員に対する教育訓練について大臣に伺います。
今回の改正案では、船舶所有者に雇入契約をした船員に対する生存技術訓練、消火訓練、応急手当てなどの実施を義務づけています。
特に、遠洋区域、近海区域、沿海区域を航行する船舶に船長等として乗り込む特定雇入契約を締結した船員に対しては、生存技術や消火技術を習得するため、それぞれ、登録機関が実施する実技講習を受けさせることになっています。
そこで、大臣に伺います。
この教育訓練の費用負担につきまして、特定雇入契約を締結した船員に対する生存訓練及び消火訓練は、それぞれ、登録生存講習機関及び登録消火講習機関において、5年ごとに実技の講習の受講料は1回12万円程度という説明を聞いておりますが、この5年に1回、2種類の実技講習の受講料、漁船員が負担する場合であっても会社が負担する場合であっても、相当の負担となると考えます。
この受講料の負担を軽減すべきだと考えますが、大臣の考えを聞かせてください。
○中野国務大臣
実技講習の費用等についての御指摘をいただきました。
実技講習は、非常時に船員の安全を確保するために必要となる基本的な知識や技術を習得するための重要な訓練でございます。
STCW―F条約への締結に際しまして、一定の漁船員に義務づけられるというものでございます。
一方、この実技講習の費用などについては、委員からも1回12万円程度は非常に負担だという御指摘がございましたが、一部の漁業関係団体から、この受講費用が1人当たり12万円から16万円程度ということになるのであれば非常に負担感が大きいといったような懸念の声をいただいたところでございます。
このため、国土交通省としましては、水産庁や水産関係団体と連携をしながら、漁船の基地港の周辺基地で低廉に、より低い価格というか、低廉に実技講習を実施できる体制を整備するための方策について、現在、検討を進めているところでございます。
漁船員につきまして、費用の点も含め、実技講習を受けやすい環境整備というのをしっかり図ってまいりたいというふうに考えております。
○城井委員
船員の現場によりますと、汽船は終身雇用が多い、訓練を受けたら会社に戻るということでありました。
漁船の場合は業界にとどまるというふうに聞きました。船に愛着を持つが、会社に愛着を持つ者は少ないという、そんな言葉も聞こえてきたところであります。
ですので、今ほどの検討のところでも、会社が負担する場合と、そして、個人が負担するか、あるいは、会社が負担したいと考えるかどうか、こうした点をしっかり踏まえた整理をいただくことをお願いしておきたいというふうに思います。
次に、実技講習の受講のために、登録講習機関の機関数について聞きたいと思いますが、船員の現場からの御意見では、訓練は必要だ、しかし、訓練機関が、現場からのお声では12か所という数字でございましたが、これでは少ないという声です。
政府の説明では、現時点で登録が見込まれる機関は約10機関とのこと。
実技講習の受講のために、登録講習機関の数が、これが十分か。
増やすべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○中野国務大臣
登録講習機関の機関数についても御指摘をいただきました。
実技講習は、STCW条約に基づきまして、今既に商船を対象に行われておりまして、受講ができる訓練機関の数は、現在、全国で14機関でございます。
このほか、船舶の所有者や水産高校なども自ら訓練機関となりまして、雇用船員に対して実施をするものが5機関。
5つございます。
これら訓練機関におきましては、年々、定員等の拡大が行われまして、現在、受講会場は全国で32か所に広がっておりまして、そういう意味で、全体の定員という意味では一定の量は確保されているのかなと思っております。
他方で、船員がやはり、下船して、船から降りた際のタイミングでタイムリーに受講できる環境が望ましい、あるいは、受講会場の多くが今、西日本の方に所在をしているということで、漁船の基地港が集まるのは東日本でございますので、この辺に、こちらは少ないという等のことから、更なる訓練機会の拡充を図っていく必要があるというふうに私も考えております。
このため、国土交通省としましては、漁船の基地港の周辺地域における講習の実施体制の整備を支援をしていくほか、既存の民間の訓練機関に対しましても、受講会場の拡大等について働きかけを図ってまいりたいと考えております。
○城井委員
大臣からも拡充の必要性について言及をいただきました。
是非、現場の声をしっかり聞いていただきながら、取り組んでいただくことをお願いしたいというふうに思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)