国家安全保障のため、国内における貨物、旅客輸送を自国籍船に限定するカボタージュ規制を堅持すべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2025年3月14日衆議院国土交通委員会
○城井委員
続きまして、カボタージュ規制の堅持について大臣に伺いたいと思います。
カボタージュ規制は、国内における貨物、旅客輸送を自国籍船に限定するものと船舶法第3条で規定しており、国家安全保障、生活物資の安定輸送、自国船員の海技伝承、国内海運産業保護などの観点から極めて重要な政策です。
国際的にも主流となっている海運政策でございまして、我が国の経済と国民生活の安定、そして国内海運産業の秩序を守る政策でもあります。
政府はカボタージュ規制を遵守する立場にあるというふうに考えています。
しかし、このカボタージュ規制が堅持されるのかという、心配する御意見が聞こえてきています。
例えば、北海道と札幌市がGXへの取組を進めるに当たり、2024年1月にGX金融資産運用特区を申請し、洋上風力発電の設置、保守に関わる日本籍作業船の不足を理由に、外国籍船の活用と外国人船員に関する規制緩和を要望したことが、その心配の原因であるというふうに聞いています。
カボタージュ規制が緩和されることになりますと、国内海運産業の安定的な海上輸送体制が崩壊してしまう可能性があるという御意見があり、また、我が国の国内における自国の管轄権が及ばない外国籍船の航行は、密輸や密入国、出国等の犯罪の温床となるのではないかという指摘もあるわけであります。
さらには、日本の海域特性や海上交通ルールを熟知しないことによる海難事故等の安全上の問題が生じるのではないかという懸念の声もあります。
そこで、大臣に伺います。
海で働く現場の意見を踏まえましてカボタージュ規制は堅持すべきだと考えますが、大臣、お答えいただけますか。
○中野国務大臣
お答え申し上げます。
カボタージュ規制についての御指摘でございます。
ちょっと、改めてですが、このカボタージュ規制というのは、国家主権、安全保障の観点から、自国内の貨物又は旅客の輸送は自国の管轄権の及ぶ自国籍船に委ねるという国際的な慣行として確立した制度でございます。
我が国におきましても、船舶法に基づきまして、外国籍船による国内輸送は原則として禁止されております。
御指摘のとおり、令和5年4月、これは海洋基本計画が閣議決定をされておりまして、ここにも、安定的な国内海上輸送を確保するために、国際的な慣行であるカボタージュ規制を維持するという旨はしっかり明記をしているところでございます。
御指摘の、規制改革のところの御心配かと思いますけれども、これは、洋上風力発電設備の設置、保守に係る外国籍船の利用というところで、北海道、札幌市の提案も踏まえまして、昨年6月の規制改革実施計画におきまして措置内容を閣議決定をしたところでありますが、これはあくまでもカボタージュ規制の維持を前提としております。船舶法第3条ただし書には、元々これに基づいた沿岸輸送の特許の手続というのがございまして、この手続を明確化をあくまでするものだというふうに考えております。
カボタージュ規制につきましては、堅持せよという御指摘でございますが、これはしっかりと今後とも堅持をしてまいる所存でございます。
○城井委員
カボタージュ規制は堅持、国家主権、安全保障に基づくものだということで、しっかり御答弁を確認させていただきました。
引き続き、カボタージュ規制の堅持をしながら、我が国の国家主権、安全保障をしっかり進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)