政府基金3年ルールの適用、政府が試算をして積み過ぎ額を明らかにするべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
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2025年2月5日衆議院予算委員会
○安住委員長
次に、城井崇君。
○城井委員
立憲民主党の城井崇です。
本日もよろしくお願いいたします。
まず、政府基金の見直しについて伺います。
立憲民主党は、政府のルールに照らして、政府基金に積み過ぎている金額は国庫に返納すべきと提案をしています。
一方、政府はこれまで、基金点検、見直しに3年ルールというものを用いています。
3年分は必要な予算を認め、その後に成果検証してから新たな予算措置、こうした仕組みだと思っています。
一定の前進だと思っています。
その上でですが、立憲民主党は、この3年ルールを念頭に置きながら、その後3年間の事業執行に必要な予算額、必要額をきちんと確保をしてもなお基金残高が残る、基金の残高を精査すると国庫に返納することができる、そして、その国庫に返納したお金は、教育無償化など、国民の負担を減らしたり、国民の収入を増やすための政策に充てることができると考えています。
例えば、1,000億円の基金残高が仮にあった場合、ここから2年間、100億円ずつ必要で使いますということになった場合、100億、100億、100億と使っていくと、700億円残ることになります。
ここは使えるんじゃないか。
でも、実際に基金を精査してまいりますと、残高で賄えるのに、それを使わずに予算を増やしていく、こういうふうなケースが多くありまして、私どもの精査では、少なくとも101基金はそういうものがあったというのが立憲民主党の試算であります。
私たちは、この積み過ぎた部分、私ども立憲民主党の試算では約7.8兆円ということでありますが、これを政策財源として物価高対策に是非充ててくださいということを、予算修正ということで申しております。
こうした観点から、以下、質問をいたします。
まず、政府基金の3年ルールの適用について伺ってまいります。
1月31日の予算委員会における私の質問に対する財務大臣の答弁によりますと、政府基金の3年ルールは、令和3年度以前に造成された政府基金には適用されないということでした。
大臣、これはまずいんじゃないかと思っているんです。
どういうことか。
これだと、これからは改めますが、これまでは別の扱いだということで、ダブルスタンダードになってしまう、名ばかりで実質が伴わないということになるというふうに考えるわけです。
これは改めるべきです。
さて、行革大臣にまず伺います。
この政府基金の3年ルールの対象となるのは幾つの基金ですか。
お答えください。
〔委員長退席、奥野委員長代理着席〕
○平国務大臣
まず、3年のルールについては、政府のルールというふうに委員は御発言されていますが、今御指摘されたように、令和5年の12月に策定をされました方針に基づいて、策定以降の基金への新たな予算措置は3年程度とし、成果目標の達成状況を見て、次の措置を検討するというのが政府のルールであります。
基金が幾つかというのは、質問通告がありませんので、今手元に資料がありませんので、後ほどお答えさせていただきます。
○城井委員
財務大臣の見解も伺います。
○加藤国務大臣
まず、前段は今、平大臣が言われたことと同様でありまして、指針においては、基金への新たな予算措置は3年程度ということであるということ。
それから、数字の話ですが、私も、ごめんなさい、金額は手元にあるんですけれども、基金の数自体はちょっと持っておりませんので。
○城井委員
今ほど平大臣からお答えいただいた令和5年12月の基金の点検・見直しの横断的な方針というのは、私も承知しております。
ここでチェックがスタートして、令和6年でもこの方針に基づいたチェックが行われて、私の認識では、対象基金は全ての基金で、現時点の合計は200基金だというふうに承知をしています。
この認識でよろしいかどうか確認したいんですが。
○平国務大臣
済みません、国会答弁ですので、正確な答弁をしなければいけないと思います。
質問通告をいただいていませんので、数字は今持っておりませんので、後ほどお答えをさせていただければと思います。
○城井委員
3年ルールについて伺うということは通告を申し上げておりますので、きちんとその内容についてお答えいただきたいというふうに思っております。
さて、この3年ルールの対象が全ての基金に及ぶかどうかということが大変重要なんです。
なぜかと申しますと、今ほど申しましたように、基金への新たな予算措置は3年程度として、成果目標の達成状況を見て、次の措置を検討する、こういうふうになっているわけであります。
先ほどの財務大臣の答弁と照らしますと、以前に造成した基金が対象に入っていないということが、この政府の行政改革推進会議が定めた方針の中には書いていないんです。
この方針、先ほどの、令和3年以前は入らないというのは誰がどこで決めたのかお答えいただきたいんですが、財務大臣、分かりますか。
行革大臣でもいいですけれども。
○加藤国務大臣
今申し上げたのは、令和5年12月20日の行政改革推進会議における決定ということであります。
○城井委員
でも、それは文書の中に書いていないんですよね。
具体的にお示しいただけますか。
○平国務大臣
今財務大臣から答弁があったとおり、令和5年12月20日の行政改革推進会議、基金の点検・見直しの横断的な方針で記載をされております。
○城井委員
どのページのどちらでしょうか。
具体的に教えてください。
○平国務大臣
どのページというか、12月20日の基金の点検・見直しの横断的方針のいわゆる3番に記載をされております。
○城井委員
この話、対象の基金については、この方針のその後の取扱い、令和6年の年末に行われたものの中でも具体的な基金の数字は入っているわけですが、その足し上げたものが200基金ということになります。
なぜこれを聞くかというと、先ほどのダブルスタンダードでよいかという点を確認したかったからであります。
では、この3年ルールを念頭に、向こう3年分の支出見込みに相当する金額を確保した上でも基金残高が残る基金、これを足し上げたものの合計金額が幾らになるかということを、先日の予算委員会でも財務大臣とやり取りをさせていただいたわけです。
元々総理に答えていただこうと思ったんですが、財務大臣からということでした。
そのときの財務大臣の答弁によりますと、試算するのは難しいということでありました。
ただ、委員会では、是非試算をということで、理事会での協議事項というふうにしていただきました。
ただ、こうなりますと、何のための3年ルールなんだろうかというふうに思うわけであります。
そこで分けてしまっていることがどうなんだろうか。
私どもは、政府の公開情報を基に、仮説を立てて試算をしています。
3年分の予算執行分を確保しても、18.8兆円という令和6年基金シートの中での基金残高のうち、7.8兆円は余るはずだと。
この3年ルールに基づく政府基金の積み過ぎ額が試算できないとなりますと、大臣、そうなると、では、基金運用の進捗管理ができないということになるんじゃないか。
そのときに使える金額がどれぐらいあるかというのが結局分からないという話になるわけですから、それじゃまずいんじゃないか。
途中でも、その目安、めどについてきちんと持った上でチェックしていただくのが筋だというふうに思うわけです。
そこで、行革担当大臣に伺います。
向こう3年分の支出見込みに相当する金額を確保した上でも基金残高が残る基金が出てくると思いますが、それを足し上げた合計金額、幾らと見込みますか、教えてください。
○平国務大臣
そちらの金額の具体的な質問通告もいただいておりませんので具体的にお答えはできませんが、ただ、その試算の仕方というのはいろいろな考え方があるというふうに思っております。
機械的に計算をして出るというものでもないというふうに思っておりますし、柔軟な対応ができるということ、また、予見可能性を高めるという意味で基金に積んでいるということがありますので、そういった性格や具体的な事業の内容、これは行政事業レビューでやることになると思いますけれども、そういうものを踏まえて試算をされるべきだというふうに思いますので、今財務大臣からも答弁があったと思いますが、直ちに試算をするのは困難だということでございます。
○城井委員
試算困難という最後の答弁のところは受け止めますが、通告についてはきちんと、今私が読み上げた、支出への合計金額が幾らかまでを通告しているということは付言しておきたいと思います。
今ほど行政事業レビューということをおっしゃっていただきましたが、その中で、国庫返納できる金額の試算ということ、それぞれの基金についてきちんと今後見ていくということでよろしいですか。
○平国務大臣
こちらは、具体的な金額については事前に伺っておりまして、今年度については約1兆1,565億円の国庫返納が見込まれておりまして、これは専らコロナ対策の中小企業支援のいわゆる利子補給とか債務保証のところが、コロナが収束したことに伴って返納の見込みである。
翌年度以降は、計算はしておりません。
○城井委員
国庫返納額の確保と執行は今後も重要だと思っています。
私どもの計算によると、積み過ぎ分はかなりあるというのは間違いない。
でも、ここは試算が難しいと仮にした場合でも、一定の仮説を置きながらそこにきちんと切り込んでいく、目が届くという体制を是非取ってほしいということはお願いしたいというふうに思います。
そこで、少し細かい部分を見ていこうと思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)